「秘書」と「事務」の違いとは?仕事内容までわかりやすく解説

違いのギモン

ばっちりスーツを着こなして電話対応や書類整理を次々とこなし、オフィスを闊歩(かっぽ)する秘書に憧れる方は多いのではないでしょうか。

しかし同時に、「これって事務がやっていることと同じじゃないの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は「秘書」と「事務」の違いについて解説していきます。

結論:個人のサポートか組織のサポートか

「秘書」は一人の人を担当するのに対し、「事務」は所属している組織全体の仕事を行います。

「秘書」をもっと詳しく

秘書は、企業の役員や政治家、弁護士など、各界の多忙な人物をサポートする仕事です。分刻みで予定が詰まっている忙しい上司が仕事に専念できるよう、さまざまな業務を行います。具体的な仕事内容は以下の通りです。

  • 電話・来客対応
  • 書類作成
  • 名刺整理
  • 上司のスケジュール管理

来客対応については、きちんとした言葉遣いをすることや正しい敬語を使うことはもちろん、タクシーやエレベーターでの上座・下座の配慮など、気を付けなければならない点がいくつもあります。上司に恥をかかせないような完ぺきな行動が求められているのです。

また会議や会食の予定に加えて、ホテルや航空券の手配は秘書の立派な仕事で、こうしたスケジュール管理にはミスが許されません。

 

1日に何人もの人と会ったり、出張をしたり、会議に出たりする人が、自分でスケジュールを組んでそれ通りに動くことは不可能です。秘書は、そんな忙しい人物の手足となって効率よく上司が動けるように、さまざまな面から支えています。

 

ちなみに秘書というと女性のイメージが強いですが、もちろん男性の秘書も存在します。むしろ議員秘書の場合は政治家の登竜門ということもあり、8割を男性が占めているほどです。男女比は業界によって異なります。

「事務」をもっと詳しく

事務は、企業活動がとどこおりなく進むように会社という組織全体をサポートする仕事です。一口に事務と言っても仕事内容は幅広く、まずは一般事務とその他の事務に分類されます。一般事務の仕事内容は以下の通りです。

一般事務
  • 電話・来客対応
  • 書類作成・整理
  • 売上計算
  • データ入力

基本的にデスクワークで、他の部署ができないこまごまとした仕事を行っています。

 

その他の事務に分類されるのは、各部署ごとに置かれた一般事務より専門性の高い事務です。

その他
  • 営業事務
  • 人事事務
  • 経理事務

大きな企業だと事務が行う仕事が膨大になり、一般事務だけではカバーしきれません。そのため各部署ごとに事務を設置するケースがあります。

営業事務は営業部に置かれ、営業職の人のサポートをします。具体的にはプレゼンの資料を作ったり、商品や代金の管理をしたりします。

人事事務は、採用や退職・給与計算など人事に関わる人が仕事をしやすくなるような手助けをします。

経理事務は、伝票作成などお金のやりとりの正確な処理に関連した事務を行います。簿記や会計・法律の資格が必要になる場合もあります。

 

いろいろご紹介しましたが、会社の活動がスムーズに行えるようにすることが事務の役割であることには変わりありません。

まとめ

以上、この記事では、「秘書」と「事務」の違いについて解説しました。

  • 秘書:特定の個人のサポート
  • 事務:組織のサポート
秘書と事務では仕事の内容は似ていますが、対象の規模が全く違います。例えば電話対応一つを取っても、秘書の場合は自分の上司宛の電話だけに出ればよいですが、事務の場合は自分が会社にかかってきたすべての電話に出なければなりません。

また秘書はVIPクラスの人物と接触する機会が多いため、高度なビジネスマナーを身に付けた上で時事にも精通しておく必要がありますが、事務にはそういったことは求められません。

当然求められるスキルや経験は異なりますし、上司に合わせなければならない秘書と、比較的時間の都合がつけやすい事務とでは、働き方も大きく変わってきます。そういった差を一つずつ比較してみるのも面白いですね。

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mikan
愛読書は広辞苑。 日本語の持つゆかしさや含み、趣深さが大好きです。大学では音声学・日本語学を専攻しました。 慣用句や四字熟語が得意分野です。