「秘書」と「アシスタント」の違いとは?意味から仕事内容まで解説

違いのギモン

アメリカ映画『プラダを着た悪魔』に登場する主人公のアンディは、アシスタントとしてファッション誌の編集長のもとで働いてます。彼女は開店前のレストランでステーキを買ったり、出版前のハリーポッターの新作を手に入れたりと、無理難題を言いつけられて奔走(ほんそう)します。

秘書は上司の管理をしますが、そこまではしませんよね。

今回は「秘書」と「アシスタント」の違いを解説していきます。

結論:サポートかパートナーか

秘書が上司の受け持つ仕事を手助けをする人なら、アシスタントは上司の相棒として一緒に仕事に関わる人です。

「秘書」をもっと詳しく

秘書は、企業の役員や政治家、弁護士など、各界の多忙な人物をサポートする仕事です。分刻みで予定が詰まっている忙しい上司が仕事に専念できるよう、さまざまな業務を行います。具体的な仕事内容は以下の通りです。

  • 電話・来客対応
  • 書類作成
  • 名刺整理
  • 上司のスケジュール管理

来客対応については、きちんとした言葉遣いをすることや正しい敬語を使うことはもちろん、タクシーやエレベーターでの上座・下座の配慮など、気を付けなければならない点がいくつもあります。上司に恥をかかせないような完ぺきな行動が求められているのです。

また会議や会食の予定に加えて、ホテルや航空券の手配は秘書の立派な仕事で、こうしたスケジュール管理にはミスが許されません。

秘書はこのような業務を通して、上司が時間を有効に使える手助けをしています。あくまでサポートをするだけですので、勝手な判断や上司の指示をあおがない行動は厳禁です。

 

また、勤務形態としては基本的に9時から17時までとなっています。

「アシスタント」をもっと詳しく

アシスタントも秘書と同じく電話対応や書類の整理等を行いますが、アシスタントの仕事の醍醐味(だいごみ)はもっと別のところにあります。

通常の秘書の業務よりも「上司と一緒に仕事をする」という意味合いが強いため、上司が考えていることや欲していることを予測し、上司に代わって発言したり決定をしたりしすることも求められます。

会社全体で起きていることを把握したうえで、上司にアドバイスをすることも立派な仕事です。マネジメントをしっかり理解した、クリエイティブな人にしかできない仕事です。

また必要に応じて24時間勤務になることもあります。

 

アシスタントには「見習い」という意味合いがありますが、テレビ業界のアシスタントディレクターはそのイメージ通りかと思います。テレビ業界といえば、激務の代名詞とも言える過酷な業界ですが、そこで働くアシスタントディレクターは身を粉にして仕事に関わることで有名ですよね。

どの業界でも、アシスタントになるためには相当の忍耐と覚悟が必要です。

まとめ

以上、この記事では、「秘書」と「アシスタント」の違いについて解説しました。

  • 秘書:サポート
  • アシスタント:パートナー
秘書とアシスタントの最大の違いは、上司との距離です。秘書は勤務時間内だけ上司について管理をしますが、アシスタントの場合は公私関係なく24時間相棒として上司に寄り添います。まさに「上司あるところにアシスタントあり」という感じです。

秘書が上司の資産である「時間」を確保して仕事の生産性を上げるために支える人だとすれば、アシスタントはそれらをこなしたうえで進言したり、意見したりと積極的に上司の仕事に関わっていく人です。

『プラダを着た悪魔』では、主人公のアンディは当初雑用ばかりやらされていましたが、最終的には上司と一緒にパリコレに出席するなど右腕として非常に重要な役割をになうようになりました。

このようにビジネスパートナーとして上司と関わることは、単にサポートするだけの秘書には味わえないことです。アシスタントの仕事に興味がある方は『プラダを着た悪魔』を観ることをおすすめします。

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mikan
愛読書は広辞苑。 日本語の持つゆかしさや含み、趣深さが大好きです。大学では音声学・日本語学を専攻しました。 慣用句や四字熟語が得意分野です。