「匹夫の勇」の意味とは?使い方から英語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「匹夫の勇」です。

「匹夫の勇」の意味、例文、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「匹夫の勇」をざっくり言うと……

読み方匹夫の勇(ひっぷのゆう)
意味深く考えず、ただ血気にはやるだけの勇気のこと
由来『孟子』の「夫れ剣を撫し疾視して曰く、彼悪くんぞ敢えて我に当たらんや」という言葉から
類義語小人の勇
対義語瓢箪から駒も出でず
英語訳foolhardiness

「匹夫の勇」の意味をスッキリ理解!

匹夫の勇(ひっぷのゆう):深く考えず、ただ血気にはやるだけの勇気のこと

「匹夫の勇」の意味を詳しく

「匹夫の勇」とは、深く考えず、ただ血気にはやるだけの勇気のことです。

ちなみに、「匹夫」とは身分が低く道理をわきまえない教養のない男のことを表しています。

そして、「匹夫」を「ひきふ」と表記するのは間違いなので注意が必要です。

「匹夫の勇」の例文

  1. 不良同士のケンカを止めようとするのは匹夫の勇でしかない。
  2. その国の王は匹夫の勇の持ち主なので、どんな強国相手でも必ず応戦するだろう。
  3. 私は勇気ある行動をするようにしているが、匹夫の勇は発揮しないようにしている。

「匹夫の勇」の由来

「匹夫の勇」の出典は『孟子(もうし)』の「梁恵王下(りょうけいおうげ)」という章です。

この章の中に「夫(そ)れ剣を撫(ぶ)し疾視(しっし)して曰(いわ)く、彼悪(いず)くんぞ敢(あ)えて我に当たらんや」という言葉が出てきます。

この言葉は「刀をなでてにらみつけ、むやみにいきり立つのは匹夫の勇というもので、たった一人を相手にするだけのことだ」という意味になります。

 

ちなみに、この言葉は中国の戦国時代、斉(せい)という国の宣王(せんおう)が孟子(もうし)に「隣国と交際する方法に正しい道というものはあるのでしょうか」と尋ねたときに返ってきた言葉です。

『孟子』

『孟子』とは、中国の戦国時代の儒学者である孟子の思想をまとめた書物です。

孟子は儒学者としては孔子と並んで有名な人物です。

「匹夫の勇」の類義語

「匹夫の勇」には以下のような類義語があります。

  • 小人の勇(しょうじんのゆう)

「匹夫の勇」の対義語

「匹夫の勇」には以下のような対義語があります。

  • 瓢箪から駒も出でず(ひょうたんからこまもいでず)

「匹夫の勇」の英語訳

「匹夫の勇」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • foolhardiness
    (むこうみず)

まとめ

以上、この記事では「匹夫の勇」について解説しました。

読み方匹夫の勇(ひっぷのゆう)
意味深く考えず、ただ血気にはやるだけの勇気のこと
由来『孟子』の「夫れ剣を撫し疾視して曰く、彼悪くんぞ敢えて我に当たらんや」という言葉から
類義語小人の勇
対義語瓢箪から駒も出でず
英語訳foolhardiness

勇気を持つことは大切ですが、「匹夫の勇」になってしまっては意味がありません。

行動するときには、深く考えた上で慎重かつ大胆不敵に動いていきたいですよね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。