今回ご紹介する言葉は、熟語の「顰蹙(ひんしゅく)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「顰蹙」をざっくり言うと……
読み方 | 顰蹙(ひんしゅく) |
---|---|
意味 | 眉をひそめること |
類義語 | しかめっ面、難色 |
英語訳 | frown(眉をひそめる) |
「顰蹙」の意味をスッキリ理解!
「顰蹙」の意味を詳しく
「顰蹙」とは、眉をひそめることです。
「顰」という字は、訓読みで「ひそめる」「しかめる」と読むことができます。熟語では、ほぼ「顰蹙」のみで使われる字です。
「蹙」という字は、訓読みで「しかめる」「せまる」などと読むことができます。
このように、「顰蹙」は「ひそめる」「しかめる」といった意味が組み合わさり、不快感に表情をゆがめている様子を表す言葉になりました。
- 顰蹙を買う:他人に不快感を与える言動がきっかけで、嫌われたりさげすまれたりすること
「顰蹙」は、「顰蹙を買う」という慣用表現で多く使われます。
「顰蹙を買う」は、「眉をひそめさせること」を「買う」ため、周囲の反感を買う、不快感を与えるというニュアンスになります。
「顰蹙を買う」という表現にひっぱられて、「〇〇という発言で大顰蹙」「そんなことを言ったら顰蹙だよ」などという表現をしてしまうことがあります。しかし、本来は「顰蹙」自体には「嫌われる」「さげすまれる」といった意味はありません。
また、「顰蹙を売る」という表現もできないので注意しましょう。
「顰蹙」の使い方
- 「出し物の準備を手伝わない」と発言したせいで、彼はクラスメイトの顰蹙を買ってしまった。
- 彼女は横暴な振る舞いで顰蹙を買っているのに、少しも態度を直そうとしない。
上記の例文のように、「顰蹙」は「顰蹙を買う」という表現で使われます。
①の例文では、「彼」の自分勝手な発言が、周囲の反感を買ってしまった様子を「顰蹙を買う」という言葉で表現しています。
②の例文では、横暴な振る舞いによって「彼女」が嫌われていることが、「顰蹙を買う」という表現でわかります。
このように、「顰蹙を買う」は、発言や振る舞いがきっかけとなって起こります。そのため、「〇〇は〇〇が原因で顰蹙を買った」という構成の文になることが多いです。
「顰蹙」の類義語
顰蹙には以下のような類義語があります。
- しかめっ面:不快感でゆがんだ表情
- 難色:非難する表情、承知ができない様子
「しかめっ面」とは、不快感によって顔をゆがませたときの表情のことです。
「顰蹙」自体が「眉をひそめる」という意味であるため、単に表情を崩すという意味で「しかめっ面」と「顰蹙」は非常に近い言葉となります。
「難色」も表情に注目した言葉です。「難色」には「非難する」「納得できない」といった状況が前提として存在しています。そのため、やや「顰蹙」「しかめっ面」とニュアンスが変わるので注意しましょう。
また、「難色を示す」で「賛成をしぶる表情をする」という意味になります。少しニュアンスが変わりますが、「相手の言動にいい顔をしない」という意味で「顰蹙を買う」と近い表現になります。
「顰蹙」の英語訳
顰蹙を英語に訳すと、次のような表現になります。
- frown
(眉をひそめる) - disgust someone
(顰蹙を買う)
「顰蹙」そのものを表す英単語に、frownというものがあります。frowmは、「眉をひそめる」「難しい顔をする」といった、表情をゆがめた様子を表す言葉です。
実際に使うときにはonを後ろにつけ、 “frown on” という形になります。
“disgust someone” は、「顰蹙を買う」という意味で使える英語表現です。「〇〇に不快感を与える」という意味になります。
someoneの部分にyouやhimなど、顰蹙を買った相手をいれて使います。
disgustは「うんざりする」ではなく、「うんざりさせる」という意味の単語です。そのため、「彼は彼女の顰蹙を買った」という場合には、 “He disgust her.” になります。
まとめ
以上、この記事では「顰蹙」について解説しました。
読み方 | 顰蹙(ひんしゅく) |
---|---|
意味 | 眉をひそめること |
類義語 | しかめっ面、難色 |
英語訳 | frown(眉をひそめる) |
慣用的に使われる表現ですが、「顰蹙」自体の意味は間違えやすいので注意しましょう。