「罷免」の意味とは?読み方は?使い方から類義語や対義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「罷免(ひめん)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「罷免」をざっくり言うと……

読み方罷免(ひめん)
意味職をやめさせること
語源「やめさせる」という似た意味を持つ「罷」と「免」という二つの漢字を組み合わせた言葉
類義語首にする、免職、御役御免など
対義語任命、採用
英語訳dismissal(罷免)

「罷免」の意味をスッキリ理解!

罷免(ひめん):職をやめさせること

「罷免」の意味を詳しく


「罷免」は、職を辞めさせることを意味する言葉です。「罷免」において注意すべき点は二点あります。

一点目は、職を辞めるのは本人の意思ではないということです。自らの意思によって辞める「辞職」や「辞任」ではなく、何者かによって辞めさせること、つまり俗に言う「クビ」を意味します。

二点目は、政治家や裁判官など、高位の公務員に対して使う政治用語であるということです。一般公務員や、会社などで上司が部下を辞めさせることには「罷免」は使いません。そのような場合においては「免職」を使うのが一般的です。

また、「罷免」と似た意味を持つ言葉として、「弾劾(だんがい)」と「更迭(こうてつ)」があります。以下で、「罷免」との違いについても解説します。

「罷免」と「弾劾」の違い

「弾劾」の意味は、「不正や犯罪を明らかにして責任を問うこと」です。特に、手続きを踏んで高位の公務員の非行を糾弾することを指します。高位の公務員に対して使う言葉であるため、その点は「罷免」と同じです。

しかし、「弾劾」自体には「辞めさせる」という意味合いはありません。あくまでも「公務員が犯した非行の責任を問う」段階が「弾劾」であり、結果として当人を辞めさせることになれば、それが「罷免」を意味します。混同しないようにしましょう。

「罷免」と「更迭」の違い

「更迭」の意味は、「その役目の人を変えること」です。言い換えれば、現在ある役職についている人の役職を剥奪(はくだつ)し、他の人にその役職を当てることです。

「更迭」も、「罷免」や「弾劾」と同じく、高位の公務員に対して使う言葉です。

ただ、「更迭」には他の人に変えるという意味が含まれる一方で、「罷免」にその意味はありません。「罷免」は、ただ「辞めさせる」ことを指します。

「罷免」の使い方

  1. 不正が明るみに出た裁判官が罷免となる。
  2. 国会で不適切な発言をした大臣を首相が罷免する。
  3. 報道により不正が発覚した大臣に対して、罷免すべきだという声が上がっている。

「罷免」は、➀の例文のように、そのまま名詞として使われる場合と、➁と➂の例文のように、「する」と組み合わせて「罷免する」という動詞の形で使われる場合とがあります。

「罷免」の語源

「罷免」の語源は、その言葉そのものにあると言えます。

「罷」という漢字には、「止めさせる」「中止する」という意味があります。対して、「免」という漢字には、「まぬがれる」「仕事を辞めさせる」という意味があります。

この二つの似た意味を持つ漢字が組み合わさり、「仕事を辞めさせる」という意味を持つ言葉として使われています。

「罷免」の類義語

「罷免」には以下のような類義語があります。

  • 首にする:辞めさせること
  • 免職:職を辞めさせること
  • 御役御免(おやくごめん):ある役目を辞めさせられること
  • 解任:任務を解くこと
  • 免黜(めんちゅつ):官職を解くこと

「罷免」の対義語

「罷免」には以下のような対義語があります。

  • 任命:その職務につくよう命令すること
  • 採用:組織に適合する者を選び取ること

「罷免」の英語訳

「罷免」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • dismissal
    (罷免)

「罷免する」という動詞の形は “dismiss” です。

まとめ

以上、この記事では「罷免」について解説しました。

読み方罷免(ひめん)
意味職をやめさせること
語源「やめさせる」という似た意味を持つ「罷」と「免」という二つの漢字を組み合わせた言葉
類義語首にする、免職、御役御免など
対義語任命、採用
英語訳dismissal(罷免)

「罷免」の意味や使い方などを理解することはできたでしょうか。

意味の項目で述べたように、「罷免」という言葉において注意すべき点は二つです。あくまでも本人の意思によるものではないこと、そして高位の公務員に対して使う使うということです。

また、「弾劾」や「更迭」など、似た言葉があることも覚えておくと、状況に応じてより正しい言葉の使い分けができるでしょう。