「日暮れて道遠し」の意味とは?読み方は?英語や類語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「日暮(ひく)れて道遠し」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。

☆「日暮れて道遠し」をざっくり言うと……

読み方日暮(ひく)れて道遠し
意味年を取ったのに、まだ少ししか目的を達成していないこと。または期限が迫っているのに、物事がまだ終わらないこと。
由来『史記』の『伍子胥伝』より
類義語道遠く日暮る
英語訳Night has fallen, but we still have a long way to go.(日は暮れたが、まだ道のりは長い。)

「日暮れて道遠し」の意味をスッキリ理解!

日暮(ひく)れて道遠し:年を取ったのに、まだ少ししか目的を達成していないこと。または期限が迫っているのに、物事がまだ終わらないこと。

「日暮れて道遠し」の意味を詳しく


「日暮れて道遠し」とは、「年を取ったのに、まだ少ししか目的を達成していないこと。または期限が迫っているのに、物事がまだ終わらないこと」を意味することわざです。

「日暮れて道遠し」には、2つの意味があるので、注意しましょう。

日は暮れているのに、目的地までの道のりは遠いことを意味し、そこから転じてことわざの意味になりました。

「日暮れて道遠し」の使い方

  1. 何十年も芸を続けてきたが、売れることなく、おじいさんになってしまった。日暮れて道遠しだよ。
  2. 研究の成果を得ることなく、年だけ取っていく。まさに日暮れて道遠しだ。
  3. 明日までに終わらせなくてはいけないのにプレゼンの準備がまだ終わらない。日暮れて道遠しだ。
  4. 日暮れて道遠しとはならないように、なるべく早いうちに成功したい。
①と②では、「年を取ったのに、まだ少ししか目的を達成していないこと」の意味で「日暮れて道遠し」が使われています。

そして③は、「期限が迫っているのに、物事がまだ終わらないこと」の意味で「日暮れて道遠し」が使われています。一方で④では、「日暮れて道遠し」を教訓として使っています。

「日暮れて道遠し」の由来

「日暮れて道遠し」の由来は、『史記(しき)』の中にある『伍子胥伝(ごししょでん)』です。

『史記』とは、中国で最初の歴史書のことで、前漢(ぜんかん 紀元前206-8年)時代の司馬遷(しばせん)が書きました。

 

伍子胥とは、春秋(しゅんじゅう 紀元前770年-紀元前221年)時代の楚(そ)という国の人物です。

伍子胥の父と兄は、楚の平王(へいおう)という人物に殺されたため、呉(ご)という国に行き、呉を助け楚を破りました。

その際、平王の墓を壊し、死体に鞭(むち)を300発ほど入れました。これに対して、かつての親友であった申包胥(しんほうしょ)があまりにもひどいのではないかと言いました。

 

その時に伍子胥が言った言葉が、「日暮れて道遠し、故(ゆえ)に倒行(とうこう)してこれを逆施(ぎゃくし)するのみ」というものです。

この言葉を現代語に訳すと、「自分はもう年を取っているので、たとえ道理に外れていても、やり方などは気にしていられないのだ」となります。

この言葉がことわざ「日暮れて道遠し」の由来になりました。

「日暮れて道遠し」の類義語

「日暮れて道遠し」の類義語は、「道遠く日暮る」です。

「道遠く日暮る」とは、「年をとってしまったのに、まだ人生の目的が達成できていないこと。またはやるべき仕事がたくさんあるのに一向に仕事がはかどらないこと」を意味することわざです。

「日暮れて道遠し」の英語訳

「日暮れて道遠し」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Night has fallen, but we still have a long way to go.
    (日は暮れたが、まだ道のりは長い。)
  • The day is short,and the work is much.
    (日は短いが、仕事はまだたくさんある。)
  • I’m getting old, but I still have a long way to go before I achieve my aim.
    (私は年と取ったが、目的を達成するまでの道のりはまだ長い。)

まとめ

以上、この記事では「日暮れて道遠し」について解説しました。

読み方日暮(ひく)れて道遠し
意味年を取ったのに、まだ少ししか目的を達成していないこと。または期限が迫っているのに、物事がまだ終わらないこと。
由来『史記』の『伍子胥伝』より
類義語道遠く日暮る
英語訳Night has fallen, but we still have a long way to go.(日は暮れたが、まだ道のりは長い。)

若いうちはなかなか成功に恵まれなくても、年を取ってからいわゆる「遅咲き」をする人はたくさんいます。年を取ったからこそ、芸の深みが増すこともあるのかもしれません。

成功の芽が出ないからと言って、すぐに諦めようとするのではなく、ただ続ける強さも成功には必要でしょう。

「日暮れて道遠し」でも、いつか成功すると信じて継続することが大切です。