「非行少女」、「不良少年」といった言葉に代表されるように、「非行」と「不良」には、子供が悪いことをしているイメージがあるでしょう。
この2つの言葉は、どのように使い分ければよいのでしょうか?
今回は、「非行」と「不良」の違いについて説明します。
結論:「非行」は少年が刑罰を受ける行為 「不良」は注意で済む行為
「非行」をもっと詳しく
「非行」とは、年齢制限で罰することのできない犯罪行為を指します。広い意味では、成人によるあるまじき行為も指しますが、通常は青少年によるものを指します。
これは法令的な意味合いが大きく、辞書では「道義に外れる行為」や「あるまじき行為」と説明されています。
こちらの意味では「不良」との違いが明確にならないため、今回は法令的な意味合いに注目しています。
「非行」を行う青少年を指して、「非行少年」と呼びます。
「非行少年」は、刑法に以下のように定義されています。
- 犯罪を犯した少年
- 14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年
- 将来、犯罪を起こしそうな少年
③は、実際に犯罪を起こしていなくても「非行少年」とされる可能性を示しています。普段の行いや、親の監督が悪いと犯罪を起こしそうと判断されてしまいます。
「非行」に当たる行為の例
以下に、不良に当たる行為の例をまとめました。
- 薬物乱用:大麻や覚せい剤、合成麻薬などを使用、所持する行為です。
- 万引き:例年、最も多い「非行」です。店から商品を盗む行為です。
- 放火:建造物などに故意に火をつける行為です。
「不良」をもっと詳しく
「不良」は、社会的道徳からは外れているが犯罪までいたらない行為を指します。
「非行」との対比で法令的な上記の意味を取り上げましたが、「不良」は、ニュアンスの異なる複数の意味を持つ言葉です。
- 状態のよくないこと。
- ならず者のこと。
- 社会的道徳から外れていること。
①の「不良」は、体調不良や不良品という使われ方をします。
②は、俗に言うヤンキーやツッパリ、またはごろつきや無職で生産性のない人を指します。
③は、道徳的な善悪の悪に当たります。
「不良」に当たる行為の例
以下に、不良に当たる行為の例を5つまとめました。
①飲酒
未成年の飲酒は法律違反です。しかし、そもそも罰則がないため「非行」の定義に当てはまらず、「不良」行為となります。
警官などに見つかった場合は、任意で酒類の廃棄をするように言われます。
②喫煙
未成年の喫煙は法律違反です。飲酒と同じく、罰則がないため「不良」行為です。
こちらも警官などに見つかった場合は、任意で酒類の廃棄をするように言われます。
③薬物乱用
シンナーや睡眠薬を、麻薬のように使用、または使用する目的で所持していることを指します。
「非行」の薬物乱用に当たる大麻などとは違い、日常でも使用するものであるため、犯罪には当たりません。
④金品不正要求
相手に無理やり金を要求する行為です。俗にカツアゲと呼びます。
⑤深夜徘徊
地域により時間に違いはありますが、深夜帯に外をうろつく行為です。
条例違反にあたりますが、犯罪ではないため「不良」行為に当たります。
まとめ
以上、この記事では、「非行」と「不良」の違いについて解説しました。
- 非行:年齢制限で罰することのできない犯罪行為
- 不良:社会的道徳からは外れているが犯罪までいたらないこと
言うまでもないことですが、自らが「非行」や「不良」と呼ばれる行為をすることはご法度です。