「批准(ひじゅん)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「批准(ひじゅん)」です。

言葉の意味・使い方・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「批准」の意味をスッキリ理解!

批准(ひじゅん):他国との交渉によって決まった条約案を、本国で最終的に承認すること

「批准」の意味を詳しく

「批准」は、「外国との交渉の場で合意した条約案を、本国の議会や政府が承認すること」という意味です。

「批准」という熟語は、このように外交分野での専門用語で、日常的にあまり使われることはありません。

この言葉は、「条約がどのようにできるのか」を知ると、より深く理解することができます。

条約ができる流れ

条約ができるまでには、主に3つのステップがあります。

  1. 交渉:条約を結ぼうとしている国の代表者が集まって、条約の内容について話し合うこと
  2. 署名・採択:交渉によって代表者の間で一つの条約案に決定し、条約案を確定すること
  3. 締結:国が条約を受け入れることを表明すること

条約を「締結」するための一つの方法が「批准」です。他には、「受諾(じゅだく)」や「加入」といった方法も存在しています。「受諾」は批准が簡略化された手続き、「加入」は既に発効している条約に入ることです。

条約は、「批准」などの「締結」をすることによって初めて有効となります。条約が有効となると、条約内で定めらた義務を果たす責任が生じます。そのため、条約に合わせて国内の法律の整備などが必要となる場合もあります。

批准の役割

代表者が合意した条約案を「批准」などの手続きによって、本国でも確認することには2つの意味があります。

1つ目に、「条約を結ぶ過程に民主的な要素を入れるため」です。19世紀まで、条約を結ぶのは最初から最後まで政府の仕事でした。しかし、「国民の意思を直接代表している議会にも役割を与えよう」という声が高まったため、政府が結んできた条約に対して、議会がチェックを入れるのが一般的になったのです。

次に、「国のトップによる確認のため」です。本来条約を結ぶ権利を持っているのは、大統領や首相などといった国の元首です。条約の交渉自体は、外交官が代表して行われています。そこで、条約を有効化する前に、国のトップが確認して同意する必要があるのです。

批准の有無

「批准」は、全ての条約に対して必要なわけではありません。以下の3つの場合に、国会で承認する必要があるとされています。

  1. 国内の法律に関わってくる条約の場合
  2. 拠出金という形でお金を出す必要がある条約の場合
  3. 政治的に重要な条約の場合
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「批准」の使い方

「批准」という熟語は、主に以下のように使われます。「批准されるかどうか」が注目された実際の条約も例文に取り入れています。

  1. 両国は、交渉をしていた経済協定で合意に達した。ともに年内の批准をを目指している。
  2. 日本では、子どもの権利条約の採択から批准までに約4年半もの時間がかかった。
  3. 環太平洋連携協定(TPP)は、合計で6カ国が批准することで発効すると決められている。

このように、「批准」はニュースなどで条約に関連して使われるのが一般的です。

1つ目の例文は、二国間の経済に関する条約での「批准」です。条約交渉がまとまり署名が終われば、それぞれが本国の手続きに沿って議会などで「批准」を行うのが一般的です。

 

2つ目の例文では、「子どもの権利条約」での「批准」についてです。この条約は、世界中の子供の権利を守るために1989年に国連総会で採択された多数国間条約です。日本政府も同年に採択し、翌年に署名を行っています。しかし、署名だけでは条約で決められた義務は有効になりません。

実際に有効とするためには、国会で審議を行って「批准」する必要がありましたが、他の法律の審議が優先されてしばらく先延ばしされていました。1994年になってようやく「子どもの権利条約」は国会で承認され、日本での「批准」が完了しています。

「批准」後には、「子どもの権利条約」に合わせて、「児童福祉法」という日本国内の法律が改正されています。

 

3つ目の例文は、2018年に「署名」されたTPPについてです。TPPのように複数の国の間で結ぶ条約は、一定数の参加国が批准することによって、有効となります。他にも国連で採択された「核兵器禁止条約」は、50カ国の批准を発効の条件としています。

交渉が終わり署名を終えた国も、国内での反対などのせいで「批准」ができないという事態に陥ることもあるのです。日本にも、署名はしているが「批准」はしていないまま、という条約が存在しています。

「批准」の英語訳

批准を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • ratification

「批准」の英語訳は “ratification” です。「批准する」というように動詞で用いる場合は、“ratify” という英単語を使いましょう。

ratify a treaty” と言えば、「条約を批准する」という意味で使うことができます。

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まとめ

以上、この記事では「批准」について解説しました。

読み方 批准(ひじゅん)
意味 交渉によって決まった条約案を、国内で最終的に承認すること
類義語 締結、受諾、加入
英語訳 ratification(批准)

以上のように、「批准」は条約が正式に有効となるための大事なステップなので、ニュースでもよく取り上げられます。

「批准」という熟語を実際に使う場面はあまりないかもしれません。しかし、この記事できちんと意味や使い方を理解しておけば、ニュースをより深く理解することに繋がるはずです。

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