「ヒエラルキー」の意味は?使い方や「カースト」との違いも解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ヒエラルキー」です。

「ヒエラルキーのトップ」などといった表現を耳にしたこはないでしょうか。序列を表すこの言葉の汎用性は高く、ぜひともその意味を押さえたいところです。

以下では、「ヒエラルキー」に関して、意味・使い方・英語での使い方・語源・「カースト」との違いについてわかりやすく解説します。

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「ヒエラルキー」とは?

ヒエラルキー(hierarchy):組織や社会におけるピラミッド状の階層構造

「ヒエラルキー」の意味を詳しく

「ヒエラルキー」とは、ピラミッド型に上位から下位までそろった階層構造のことです。大企業や役所などをイメージするとわかりやすいでしょう。日本語では、階層制・階統性などと訳されます。

「ヒエラルキー」は、軍隊や大きな会社などの組織において、明確な立場・権利によって人員が序列化されている状態を指します。

 

大企業を例にとって考えてみましょう。

大企業のトップには、社長がいます。そしてその下に、常務や取締役がいて、さらに下に部長、課長、係長と続きます。これらの役職の上下関係は明確で、ピラミッドを輪切りにするように、役職の「位置づけ」を整理することができます。

 

ヒエラルキーという言葉を使う場合は、支配される下層を意識するニュアンスが含まれる場合もあります。たとえば、上層が大きな権力を握る一方で、下層は上層の言いなりになっていたり虐(しいた)げられていたりするような響きを伴うことがあるということです。

デザイン用語!「ビジュアルヒエラルキー」

webサイト等におけるデザインに関する用語で、「ビジュアルヒエラルキー」というものがあります。「ビジュアル」は視覚に関することを指します。また、ここでの「ヒエラルキー」は優先順位を意味します。

「ビジュアルヒエラルキー」は、webサイトや記事中において、情報の優先度を視覚的にわかりやすくすることを指します。具体的には、情報の位置や、情報への色使いなどを工夫して、情報への重みづけをします。

ユーザーが便利にサービスを享受できるようにする上で、「ビジュアルヒエラルキー」は極めて重要な考え方とされています。

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「ヒエラルキー」の使い方

  1. ヒエラルキーの下に置かれた関連工場は、本社の出す難題に従わざるを得なかった。
  2. わが社は、立場関係としてのヒエラルキーは明確だが、社員同士は互いをリスペクトしあうことを忘れていない。
  3. 目まぐるしく変化する現代では、情報に鋭敏な人がヒエラルキーの頂点に立つのだろう。
①では、本社と子会社間の階層構造を指して「ヒエラルキー」を用いています。なお、上記はあくまでも例であり、本社が子会社に対して絶対の命令権を持つということではありません。ただ、会社全体としての利益を考えた時に、以来や話合いといった名目で連携を取ることは考えられるでしょう。

②では、ある会社が業務を行う上で、指揮命令関係や役割等で階層はあるものの、お互いへのリスペクトを前提にしているということが述べられています。「ヒエラルキー」が支配的なニュアンスを持つこともありますが、あくまで役割の違いと解釈し、それぞれをリスペクトしあっている例が②です。

③では、目まぐるしく移り変わる現代という世界に生き残る人を、「情報を素早く察知できるかどうか」という能力を基準に序列化している様子が描かれています。このように、ある枠組みや基準を自分で作ったうえで「ヒエラルキー」を用いる例もあります。

「ヒエラルキー」の英語での使い方

「ヒエラルキー」は、英語で hierarchy と表記します。発音は「ハイアラーキ」となるため注意しましょう。

hierarchy を用いた例文は以下の通りです。

例文
  1. In Japan, hierarchy based on age is changing.
    (日本では、年功序列制は姿を変えつつある。)
  2. The top of Maslow’s hierarchy is self-actualization needs.
    (マズローの欲求5段階説では、自己実現よきゅうが1番上に位置している。)
②にある「マズローの欲求5段階説」とは、アメリカの心理学者マズローが、人間の欲求を5つの階層に分けて提唱したものです。

上記の図のように、人間の欲求は、生理的欲求(physiological needs)・安全の欲求(safety needs)・愛と所属の欲求(love and belonging needs)・承認欲求(esteem needs)・自己実現欲求(self-actualization needs)の順に上がっていくとマズローは説きました。

例文では、上記の5つの階層構造を hierarchy と表現しています。

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「ヒエラルキー」の語源

「ヒエラルキー(hierarchy)」は、支配に関係する言葉です。

語源は、古代ギリシャ語の “ἱεραρχία(ヒエラルキア)” です。これは「司祭長による支配」という意味です。司祭長とは、キリスト教(カトリック)の聖職者のうち比較的地位が高い役職です。階層的な支配を表していますね。

“hierarchy” の“archy” は「支配」を意味し、政治体制などを意味する英単語にも使われています。例としては、 “monarchy(君主政)” “anarchy(無政府制)” があります。

「ヒエラルキー」は古代ギリシャ語から英語に入ってきて、意味が変化します。もともとは天使の天上界での序列や、カトリック教会の聖職者の序列という意味で使われてきました。しかし、現在ではあまり宗教的な意味はありません。

 

本などでたまに見かける「ヒエラルヒー」は、ドイツ語での読み方です。ヒエラルキーとの意味の違いはありません。

英語での発音は、「ハイアラーキ」となります。この書き方も、たまに本で見かけるかもしれません。

「ヒエラルキー」と「カースト」の違い

「ヒエラルキー」と同じく階層構造を表す言葉に「カースト」がありますが、両者の意味はまったく異なります。

「ヒエラルキー」は階層構造という意味です。一方、「カースト」は差別的な身分制度をさします

 

もともと、「カースト」は古代インドで作り出されたものです。インドやイランに定住した民族「アーリア人」が、先住民に奴隷のような扱いをしたことに端を発します。

インドでは、内容は違いますが、江戸時代の日本のように4つの身分がありました。また、「結婚はその中で行う」という職業集団もありました。植民地化にあたって、この2つの制度を混ぜて非常に固定的な身分制度を作ったのです。

「カースト」は、永遠に身分が固定され、一生変わることができません。その点も、出世が見込める企業などの「ヒエラルキー」とはまったく違いますよね。

カーストは非常に差別的です。生まれながらにして、他の身分から差別をされる立場にあって、その立場から抜け出せない人もたくさんいます。インドの伝統ではなく、植民地支配の遺物ですが、廃止はまだまだ先のことのようです。

 

「スクールカースト」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。ここでの「カースト」は、インドの身分制度とも、「ヒエラルキー」とも違います。容姿や運動能力などを基準に、生徒に格付けを施すことを意味し、いじめの背景の1つとも考えられています。

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まとめ

以上、この記事では「ヒエラルキー」について解説しました。

英語表記 ヒエラルキー(hierarchy)
意味 組織や社会におけるピラミッド状の階層構造
語源 古代ギリシャ語の “ἱεραρχία(ヒエラルキア:司祭長による支配)”
カーストとの違い カーストは身分制度。差別的で、上昇は見込めない

「ヒエラルキー」は難しい響きがする言葉ですが、意味を理解すれば便利に使えます。世の中にはいたるところに階層構造があるため、ヒエラルキーという言葉を正しく使っていきたいですね。

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