「お納めください」とは?間違った使い方やツイッター上の意味についても解説!

言葉

「お納めください」とは「受け取ってほしい」という意味です。

あまり使う頻度が多くない敬語は、忘れてしまうことも多いですよね。

「お納めください」も、意味が覚えづらい言葉の一つなのではないでしょうか。

今回は、「お納めください」について解説します。

「お納めください」の意味

おさめください

受け取ってほしい

例:わずかばかりのものですが、お納めください

「お納めください」は、「受け取ってください」という意味です。

謝礼など、金品や物を誰かに渡す際に用いる言葉であり、相手に何か贈り物をしたいという気持ちでこれらのものを送る際に使われます。

そのため、給料など、相手がしたことに対して正当な報酬を渡す場合にはこの言葉は使われません。

「お納めください」の使い方

「お納めください」は、贈り物をする際に用いられる言葉です。

実際の使用例としては、以下のようなものがあります。

  1. ご遠慮なく、こちらをお納めください
  2. 心ばかりではございますが、どうぞお納めください
  3. こちらを持って参りました。何卒お納めください
  4. わずかばかりのものではございますが、本日の御礼でございます。どうぞお納めください
  5. お口に合わないものかもしれませんが、よろしければお納めください
  6. 香川に行った土産を持ってきました。どうぞお納めください
  7. 先日のお礼として、カニを送らせていただきました。よければお納めください
  8. 地元でとれたみかんを持ってきました。よければお納めください
  9. これが今月の家賃です。お納めください
  10. 前金を支払います。どうぞお納めください

上記の例文にもあるように、「少しのものですがどうか受け取ってください」という、謙遜の意をこめる際に使われることも多いです。

また、前に敬意を込めた表現をつけ、さらに丁寧にした言い回しがされることも多いです。

神社における「お納めください」

「お納めください」は日常生活や仕事の場以外に、神社で使うこともあります。

それは、神社でお守りやお札を買う場合です。

このような場合に、巫女さんから「〇〇円お納めください」と言われるのです。

 

「お支払いください」や「お買い上げください」ではなくこの言い回しを使うという理由としては、お守りやお札に対する考え方が挙げられます。

神社で買えるお守りやお札は、「神様からの授かりもの」であると考えられています。

また、お賽銭などの神社に支払うお金は、「神様への感謝の意を示すお金」であると考えられているのです。

そのため、神社でお守りやお札を買う行為は、売買行為ではなく、「神からいただくものに対して感謝を示す」ということになるのです。

だからこそ、売買行為の際に用いる「お支払いください」や「お買い上げください」を使うのではなく、ものをあげる際に使う「お納めください」を使うことになります。

葬儀の場における「お納めください」

「お納めください」はお通夜や葬儀の際に、香典や線香代を渡すときにも使われます。

ただ、宗教によって、以下のように「お納めください」以外の表現が用いられることもあります。

  1. 神式
    「玉串料(たまぐしりょう)をお持ちしました」
  2. キリスト教
    「お花料をお持ちしました」

Twitterにおける「お納めください」

なんと、Twitter上でも「お納めください」は使われます。

面白い画像やかわいい画像を見つけて、それを誰かに見せたいときにハッシュタグで「お納めください」とつけて投稿するのです。

このハッシュタグで検索をすることで、みんなが誰かに見せたいと思って投稿した画像を発見することができます。

また、似たような使い方として、少し控えめに「よければ見てみてね」という意をこめたハッシュタグとして、「ご査収ください」もあります。

「お納めください」に対する返答

「お納めください」と相手に言われた場合には、以下のような返答をするといいでしょう。

「お納めください」に対する返答
  • 頂戴します
  • ありがとうございます
  • 美味しくいただきます

「お納めください」の間違った使い方

「お納めください」を使う際には、以下の点に気をつけましょう。

  1. 中身を確認してほしいものには使わない
    誤用例:こちらのドキュメントをどうぞお納めください。
  2. 目下の人への声かけや、カジュアルな表現としては使わない
    誤用例:君、ちょっとこれをお納めください。

「お納めください」の別の言い回し

「お納めください」は、以下のような言葉で言い換えることもできます。

  • ご査収ください(ごさしゅうください)
  • ご受納ください(ごじゅのうください)
  • ご笑納ください(ごしょうのうください)

それぞれの意味について詳しく見ていきましょう。

「ご査収ください」

「ご査収ください」は、物を受け取ってほしい際に使うことができる言い方です。

また、中身を確認してほしいものに対しても使えます。

例文
  1. 企画書を配布しますので、どうぞご査収ください
  2. 重要なドキュメントを送りますので、ご査収ください

「ご受納ください」

「ご受納ください」は、「受け納めてください」というニュアンスを含んでいる言い方です。

言い方として存在してはいますが、あまり使われることはありません。

例文
  1. 先日のお礼です。よろしければご受納ください

「ご笑納ください」

ご笑納くださいは、「つまらないものなんですが、どうかお許しください」というニュアンスも含まれており、より謙遜的な言い回しです。

例文
  1. 昨日のお礼となっております。どうかご笑納ください
  2. 些細なものとなってしまいますが、よろしければご笑納ください

「お納めください」の英語訳


英語に訳すと、次のような言い回しになります。

  • I hope you like that~.
    (その~を気に入ってくれたら嬉しいです)
  • Here you are.
    (こちらをどうぞ)
  • please accept
    (受け入れてください)

この中で、一つ目の英訳である “I hope you like that” は、より謙虚な意味を示す際に使われます。

「お納めください」のまとめ

以上、この記事では「お納めください」について解説しました。

読み方お納めください(おおさめください)
意味受け取ってください
使い方贈り物をする際に用いられる
誤用企画書を配布する際
立場が上の人に対して用いる場合
言い換え表現ご査収ください
お受け取りください
ご受納くださいなど
英語訳I hope you like that
Here you are

誤った使い方をしてしまっている人も多いので、使う際には気をつけるようにしましょう。

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つつつ
この道10年以上の読書家。 短い言葉で人を惹き付けるコピーが大好きです。 本の帯に書かれたコピーを見て買ってしまうこともしばしば。 読書で得た文章力を活かして、日常生活でよく使う言葉を中心に執筆しています。