今回ご紹介する言葉は、熟語の「閉口(へいこう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「閉口」をざっくり言うと……
読み方 | 閉口(へいこう) |
---|---|
意味 | 打つ手がなくて困ること。圧倒されて言葉に詰まること。 |
類義語 | 辟易、屈従、屈服など |
英語訳 | be at one’s wit’s end, be bored by, be nonplussed over |
「閉口」の意味をスッキリ理解!
閉口(へいこう):打つ手がなくて困ること。圧倒されて言葉に詰まること。
「閉口」の意味を詳しく
「閉口」には、二つの意味があります。
一つ目は、「打つ手がなくて困ること」という意味です。自分の力ではどうにも出来ず、途方に暮れていることを指します。
二つ目の意味は、「圧倒されて言葉に詰まること」です。相手の指摘などが鋭く、何も言い返せないさまを表します。
「閉口」の使い方
- 彼の無茶なお願いに閉口する。
- 未だに慣れない夏の暑さに、閉口頓首(へいこうとんしゅ)している。
- 鋭い指摘に、私は閉口した。
①と②では、「手に負えなくてうんざりする」という意味で「閉口」が使われています。②の「閉口頓首」は、どうしようもなく困り果てることを指す四字熟語です。「頓首」は、頭を地面につけて礼をすることを指しており、ここではお手上げ状態を意味しています。
③の「閉口」は、「言葉に詰まる」という意味です。痛いところを突かれて言い返せないさまを表現しています。
「閉口」の類義語
閉口には以下のような類義語があります。
- 辟易(へきえき):うんざりすること
- 屈従(くつじゅう):相手の力に屈して言いなりになること
- 屈服(くっぷく):相手の力に負けて従うこと
- 困惑:どうしてよいかがわからず困ること
「閉口」の英語訳
閉口を英語に訳すと、次のような表現になります。
- be at one’s wit’s end
(途方に暮れる、どうしようもない) - be bored by
(困惑する、途方に暮れる) - be nonplussed over
(閉口する、当惑する)
be at one’s wit’s end の wit は「知恵」のことです。wit’s end で「知恵が尽きている」、つまり「途方に暮れている」という意味になります。また、wit’s end は wits’ end と表記することもあります。
それぞれを用いた例文は以下の通りです。
例文
- I am at my wit’s end with a mountain of homework.
(山のような宿題に、私は困り果てている) - We are always bored by our teacher’s long talk.
(先生の長話にいつもうんざりしている) - He was nonplussed over the sharp question.
(するどい質問をされ、彼は言葉に詰まった)
まとめ
以上、この記事では「閉口」について解説しました。
読み方 | 閉口(へいこう) |
---|---|
意味 | 打つ手がなくて困ること。圧倒されて言葉に詰まること。 |
類義語 | 辟易、屈従、屈服など |
英語訳 | be at one’s wit’s end, be bored by, be nonplussed over |
「閉口」は、口を閉じることではなく、そうしてしまうほど困り果てている様子を表す言葉です。意味をきちんと覚えて、正しく使えるようにしましょう。