「睥睨」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「睥睨(へいげい)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「睥睨」をざっくり言うと……

読み方睥睨(へいげい)
意味周囲をにらみつけ、威圧すること
語源「睥」「睨」それぞれの漢字がもつ「にらむ、横目でみる」という意味から
類義語幅を利かせる、睨みを利かせるなど
英語訳look at ~ with a contemptuous eye(~をさげすんだ目で見る)

「睥睨」の意味をスッキリ理解!

睥睨(へいげい):周囲をにらみつけ、威圧すること

「睥睨」の意味を詳しく

「睥睨」とは、周囲をにらみつけ、威圧することを表す熟語です。鋭い視線で、相手を心理的におさえつける様子を表します。

また、「横目でじろりとにらみ、みつめること」「横目で観察し、相手の対応をみること」という意味もあります。

権力者や政治家、社長といった、社会的に強い立場にいる人がとることが多い行動です。内気で気が弱い人には、あまり似つかわしくない表現です。

文章で使用されることが多いです。

「睥睨」の使い方

  1. 国をたばねる独裁者は、演説の場に立つと、数千もの観客を睥睨した。
  2. 学校一厳しいと言われる鈴木先生が睥睨しただけで、うるさかったクラスは一瞬にして静まりかえってしまった。
  3. テストの監督官が端の席の生徒を睥睨することは、カンニングを抑止するために重要だ。
  4. あやしい男が右の方から近づいてきた時、2人の警備員は彼のことをじっと睥睨していた。

➀の例文では、「周囲をにらみつけ、威圧すること」を、「睥睨」と表現しています。独裁者が観衆に鋭い視線を送り、心理的に委縮させている場面です。

➁の例文においても、「周囲をにらみつけ、威圧すること」という意味で、「睥睨」を使用しています。先生が厳しい目線をおくり、生徒を心理的におさえつける場面です。

➂の例文では、「横目でじろりとにらみ、みつめること」を、「睥睨」と言い表しています。

➃の例文では、「横目で観察し、相手の対応をみること」という意味で、「睥睨」を使用しています。何かしでかすのではないかと疑念を持ち、相手を注意して見つめている場面です。

「睥睨」の語源

「睥」という字には、「にらむ、横目でみる」という意味があります。また、「睨」という字にも、同様に「にらむ、横目でみる」という意味があります。

両者の意味が重なり、「睥睨」が「横目でじろりとにらみ、みつめること」などを表すようになりました。

「睥睨」の類義語

「睥睨」には以下のような類義語があります。

  • 幅を利(き)かせる:権力をふるったり、いばったりすること
  • 睨(にら)みを利かせる:他の人が勝手なことをしないよう、おさえつけること

「睥睨」の英語訳

「睥睨」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • glare
    (にらみつける)
  • cut someone’s eyes at 
    (にらむ)
  • stare off across~
    (~の向こうをにらむ)
  • look at ~ with a contemptuous eye
    (~をさげすんだ目で見る)

“glare at dogs through a careful eye” で、「用心深い目で、犬たちをにらみつける」という意味になります。

“stare”は、「じっと見る、凝視する」という意味の動詞です。

“contemptuous”は、「軽べつした、さげすんだ」という意味の形容詞です。

まとめ

以上、この記事では「睥睨」について解説しました。

読み方睥睨(へいげい)
意味周囲をにらみつけ、威圧すること
語源「睥」「睨」それぞれの漢字がもつ「にらむ、横目でみる」という意味から
類義語幅を利かせる、睨みを利かせるなど
英語訳look at ~ with a contemptuous eye(~をさげすんだ目で見る)

明治時代に活躍した詩人・北村透谷(きたむらとうこく)の他、芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)の作品などで使用されている言葉です。最近では、日常的に使用している人は少ないでしょう。

読み方・意味をしっかりおさえておきましょう。