「弊害(へいがい)」とは?意味や使い方を徹底解説|英語訳も

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「弊害(へいがい)」です。

この記事では「弊害」の意味・実例・外部不経済・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「弊害」の意味をスッキリ理解!

弊害:他の物事に与える悪い影響

「弊害」の意味を詳しく


「弊害」は、あることをすると、同時に他のことに対して起こる悪影響を指します

「弊害」の漢字の意味は以下のとおりです。

「弊害」の漢字の意味
  • :害になる悪いこと
  • :そこない、傷つけること

何かをするときは、メリットとデメリットの両方があることがほとんどです。

Aを改善する対策をとると、Bが悪くなってしまうという事態は、よく起こります。

この場合の「Bが悪くなること」が「弊害」です。

「幣害」と書くのは間違い

「弊害」の「弊」は「幣」と書くと間違いなので注意が必要です。

「併害」という言葉は存在しない

「弊害」は「併害」と誤って表記されることがあります。

しかし、「併害」という言葉は存在しないので注意が必要です。

「弊害」の実例

ナイル川へのダム建設は「弊害」の実例と言えます。

エジプトのナイル川は、大昔から毎年のように氾濫(はんらん)を起こしていて、住民を悩ませてきました。

そこで、20世紀に氾濫を防ぐためのダムが作られました。

ダムは氾濫を防いでくれる上に水力発電もしてくれるということで、一見よいことばかりでした。

 

しかし、ダム建設でナイル川の氾濫が防がれたことで、下流にもたらされていた栄養分が流れてこなくなり、農業は大きなダメージを受けました。

実は、ナイル川流域で農作物を育てるには、ナイル川の氾濫によってもたらされる栄養分が必要不可欠だったのです。

 

つまり、一見メリットばかりに思えたダム建設は、実際には農業生産力を低下させるという「弊害」ももたらしてしまったのでした。

このように、ある面では良いことをしても、他に対しては悪い影響が出るということがあります。

後者の可能性、つまり「弊害」が起きる可能性を事前に考えておくことが大切なのです。

経済的な「弊害」、外部不経済とは?

「弊害」の中でも、特に経済的なものは「外部不経済」と呼ばれます。

外部不経済とは、経済的な取引関係のある範囲の外で、意図せずに周囲に不利益をもたらしている状態を指します。

ここで言う経済的な取引とは、売り手と買い手が等しい価値の資源を交換することです。

1例ですが、300円 の商品と 300円 のお金を交換することは経済的な取引と言えます。

 

たとえば、工場を作るとその会社は作ったものを売れるため儲かります。

しかし、周りにゴミや排水をまきちらしていれば、農業や漁業にダメージが出たり、土地の値段が下がったりするという「弊害」を周囲にもたらします。

しかし、この工場は周囲にもたらす弊害に対して費用を払っていません。一方的に周囲の人が迷惑を被っているという状況です。

このように、等しい価値を双方が交換することなく、一方的にどちらかに不利益が生じることを外部不経済と言います。

「弊害」の使い方

  1. 発展途上国の大都市では、急速な発展の弊害としてスラムが広がっている。
  2. 化学肥料は効率よく作物を育ててくれる一方で、土壌がやせるという弊害がある。
  3. 大型ショッピングモールが開業したことで、道路が渋滞するという弊害が生じている。
例文のように、起こっていることすべてが悪いことではありません。

あるよい効果が生じている一方で起きてしまう悪影響が「弊害」なのです。

「弊害」は以下のような表現で用いられることが多いです。

「弊害」のよくある言い回し
  • 弊害がある
  • 弊害が出る
  • 弊害をもたらす
  • 弊害を及ぼす
  • 弊害を受ける
  • 弊害を伴う
  • 弊害となる
  • 弊害が生じる
  • 弊害を除く
  • 弊害を和らげる

❶の例文は、次のようなものです。

まず、都市部の発展によって、農村から人口が流れていきます。

しかし、その中には、必要とされる労働力から漏れて、行き場をなくしてしまう人がいます。

その結果、都市を外れた劣悪な環境に住み着く人たちが出てくるのです。

「弊害」の類義語

「弊害」には以下のような類義語があります。

  • 障害(しょうがい):活動の妨げになるもの
  • 支障(ししょう):事をなす妨げになるもの
  • 悪影響(あくえいきょう):ほかの物事に与える悪い影響
  • 副作用(ふくさよう):薬が目的以外にはたらく(悪い)作用
  • 害悪(がいあく):他に災いを与えるような良くないこと
  • 災難(さいなん):不意に起こる良くない出来事
  • 荼毒(とどく):害となるもの
  • 不都合(ふつごう):都合が悪いこと
  • ダメージ:損害

「弊害」と「障害」の違い

「障害」とは、ある物事を行う時に、妨げになるものや状況のことです。

「弊害」と「障害」には以下のような違いがあります。

  • 弊害:あることと同時に起こる悪い影響
  • 障害:あることをする時に妨げになるもの

「障害」は何かの妨げになっているというだけで、「悪いこと」というニュアンスは含まれてないのです。

また、「弊害」は悪い影響と一緒に、良い別の影響もあることが多いです。

一方、「障害」は一緒に何か別の影響が出ることはありません。

「弊害」と「支障」の違い

「支障」は物事を行う時にさまたげになるもののことです。

「弊害」と「支障」には以下のような違いがあります。

  • 弊害:あることと同時に起こる悪い影響
  • 支障:あることをする時、邪魔になるもの

「支障」は何かの邪魔になっているだけで、「悪いこと」というニュアンスは含まれてないのです。

「弊害」と「障害」の違いと同じです。

「弊害」の対義語

「弊害」には以下のような対義語があります。

  • 恩恵(おんけい):他人や自然などから得られる、幸福や利益をもたらすもの
  • 賜物(たまもの):結果として生じた良いこと
  • 成果(せいか):成し遂げた結果
  • 授(さず)かりもの:金では買えない大切なもの

「弊害」の英語訳

「弊害」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • malady
    (副作用、弊害)
  • evil
    (弊害、害悪)
  • abuse
    (弊害、悪習)
  • harmful effect
    (悪い影響)
  • negative effect
    (負の影響)
  • bad effect
    (悪い影響)
  • adverse effect
    (悪い影響)

上記の表現を用いた例文は次の通りです。

例文
  • A social medias is sometimes regarded a social malady because some users make themselves look better than they actually are in order to be recognized.
    (ソ-シャルメディアは、社会の弊害と言われることもある。それを使う人の中には、承認欲求のあまり、自分を偽って実際よりよく見せようとするからだ。)
  • few rules will cause some evils.
    (縛りがなさすぎるというのも、弊害を生んでしまうだろう。)
  • No rules will cause the abuse such as skipping work, setting a deadline can prevent it.
    (野放しにすると仕事をさぼるという弊害が出かねないが、期日を設定することでそれを防げる。)
  • This kind of TV program may have harmful effects on children.
    (この手の番組は、子どもに悪影響を及ぼしかねない。)

日本語の場合と同じように、ある方面では良いものの、他方では悪い影響を及ぼすという文脈で英語訳を用いるようにしましょう。

まとめ

以上、この記事では「弊害」について解説しました。

読み方弊害(へいがい)
意味他の物事に与える悪い影響
類義語悪影響、副作用など
対義語恩恵、賜物など
英語訳malady(弊害), harmful effect(悪影響)など

物事を考えるときは様々な側面から考えないと、弊害を見落とすことになってしまいます。

メリットとデメリットを考えてから判断できるようになりたいですね。