故事成語「断腸の思い」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「断腸の思い」です。

言葉の意味・語源・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「断腸の思い」の意味をスッキリ理解!

断腸の思い(だんちょうのおもい):腸がちぎれるほど、悲しくて辛い思い・深い悲しみ

「断腸の思い」の意味を詳しく

「断腸の思い」とは、「腸がちぎれるほど、悲しくて辛い思い・深い悲しみ」のことです。

単に「悲しい」というだけでは足りないくらいの「尋常ではない悲しさ」という意味の言葉です。

「断腸の思い」の語源

「断腸」の漢字には以下のような意味があります。

  • :切り離す
  • :消化器の一つ・胃から肛門(こうもん)までの、曲折した細長い管状の内臓

「腸が切れる」という意味の言葉です。

「断腸の思い」は、漢字の通り、「はらわたがちぎれるほどの辛い思い」という意味から、「深い悲しみ・辛さ」という意味に派生しました。

「はらわたがちぎれる」とは言っていますが、身体的な痛みではなく、心理的な辛さを表す言葉です。「心の痛み」と捉えるといいかもしれません。

「断腸の思い」の使い方

  1. 断腸の思いで、子供と離れる決断をした。
  2. 断腸の思いで、昔から集めていたコレクションを断捨離した。

何か、辛い状況が続いていて、「断腸の思いだ」と言うことは少ないです。たとえば「ずっと家から出られなくて断腸の思いだ」などの表現はしません。

「辛いながらに何かを決断したり行動したりする」ときに使う言葉です。

具体的には、以下のような場面で使われます。

  • 苦しい選択を迫られ、辛いのは承知でどちらかを選ぶこと
  • 進めていた物事をあえなく断念するとき

何かを辞めたり、あきらめたりするときに使われる言葉です。

「断腸の思い」の由来

「断腸の思い」という故事成語は、以下のようなエピソードが由来になっています。

中国に、垣温(かんおん)という武将がいました。従者と一緒に船に乗って川を渡っていました。

すると、従者がどこからか子供の猿をとらえてきました。子猿を船に乗せて船を出発させると、母親の猿は、子猿を追いかけてずっと岸伝いを走ってきました。

やっとの思いで船に追いつき、母猿は船に乗り込みました。子猿と再会できましたが、間もなく母親は死んでしまいました。

従者が、死んだ母猿の腹を裂いて覗いてみると、腸がズタズタに切れていたのです。

この話から、「腸がちぎれてしまうほどの悲しさ」を表す言葉になりました。

「断腸の思い」の類義語

「断腸の思い」には以下のような類義語があります。

  • 胸が張り裂ける思い:悲しみや苦しみなどで心がいっぱいになる
  • 身を切る思い:どうしようもなく悲しく、残念な心持ち
  • 胸をえぐられる思い:どうしようもなく悲しく残念な心持ち
  • 胸がつぶれる思い:どうしようもなく悲しく残念な心持ち

「断腸の思い」の英語訳

「断腸の思い」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • heartbroken thoughts
    (胸が張り裂けるような気持ち)
  • heartrending grief
    (胸が張り裂けるような深い悲しみ)
  • overwhelming sorrow
    (抵抗できない悲しみ)

まとめ

以上、この記事では「断腸の思い」について解説しました。

読み方断腸の思い(だんちょうのおもい)
意味腸がちぎれるほど、悲しくて辛い思い・深い悲しみ
語源「はらわたが切れる」という意味の漢字から
由来子猿と離れ離れになった親猿の腸がボロボロになっていた話から
類義語胸が張り裂ける思い、身を切る思い、胸をえぐられる思い、胸がつぶれる思い
英語訳heartbroken thoughts(胸が張り裂けるような気持ち)
heartrending grief(胸が張り裂けるような深い悲しみ)
overwhelming sorrow(抵抗できない悲しみ)

「断腸の思い」は、日常生活の中でも使うことのできる言葉です。小説などで目にする人も多いのではないでしょうか。

この機会にしっかりと理解しておきましょう。