「有る」と「在る」の違いとは?意味から使い分けまでわかりやすく解説

違いのギモン

世界にたくさん「ある」言葉の違い。

今回は、その違いの中から「有る」と「在る」の違いについて解説していきます!

結論:「有る」は所有を表す。「在る」は存在を表す。

「有る」は権利・財産・資格・品格など、何かを所有していたり、備わっていることを表します。

一方、「在る」は環境・場所・地位における事物の存在を表します。

しかし、二語を正しく使いわけることは難しく、実際、漢字で表記されていることのほうが珍しいと思います。

そのため、どちらを使えばいいかが明確でないときには、ひらがなで表記することをおすすめします。

「有る」をもっと詳しく

「有る」は、権利・財産・資格・品格など、何かを所有していたり、備わっていることを表します。

たとえば、「彼女には品格がある」「私たちはだれでも幸福になる権利がある」「彼には弁護士の免許がある」などの場合には、いずれも「有る」を使います。

「私たちはだれでも幸せになる権利が有る」は「私たちはだれでも幸せになる権利を持っている」とすることができ、「彼には弁護士の免許が有る」は「彼は弁護士免許を持っている」とすることができます。

つまり、所有を表す有るの場合には、「持っている」で置き換えが可能なので、本当に「有る」で正しいのか不安なときには、置き換えて確認してみるのも良いでしょう。

「在る」をもっと詳しく

「在る」は、環境・場所・地位における事物の存在を表します。

たとえば、「私という人間がある」「言論の自由がある」「日本がある」などの場合には、「在る」を使います。

いずれも、「私という人間」の存在、「言論における自由」の存在、「日本」という国の存在を表しています。

目に見えるかどうかは問題ではなく、モノや事実の存在を指したいときに使うことができます。

 

しかし、「私たちには言論の自由がある」のように、言論の自由そのものを指すのではなく、「私たち」が『言論の自由=自由に意見を述べる権利』を持っていると言いたい場合には、権利の所有を表す「有る」を使います。

また、「日本には東京という都市がある」は「日本は東京という都市を所有している」「日本には東京という都市が存在する」のいずれも日本語的には間違っていないので、どちらの「ある」を使えばいいかがハッキリとはしていません。

このように、「ある」は微妙な意味やニュアンスの違いによって、どちらを使うべきかが曖昧な言葉ですので、無理に漢字を用いなくても良いでしょう。

まとめ

以上、この記事では「有る」と「在る」の違いについて解説しました。

  • 有る:権利・財産・資格・品格など、何かを所有していたり、備わっていること
  • 在る:環境・場所・地位における事物の存在を表す

このふたつを完全に使い分けることは難しいかもしれませんが、いくつかわかりやすい例もありましたね。

そんな風に、いっぺんに ではなく 少しずつ日本語を細かく使い分けてくことが、正しい日本語を身につける第一歩です。