物事のステップアップを意味する言葉として、「発達」と「発育」があります。みなさまは、この「発達」と「発育」の違いをはっきり区別することができるでしょうか。どちらも成長することですが、使われ方や意味は少し違います。
この記事では、2つの言葉の違いを詳しく説明していきます。この記事を通して、2つの言葉の違いをはっきりと理解し、正しい日本語を身に着けてください。
結論:意味の広さが違う
一方で、発育は生物が育って大きくなることを表します。
「発達」をもっと詳しく
「発達」には3つの使い方があります。
- 体や精神の成長
- 機能が発展すること
- 規模が大きくなること
③は、低気圧の度合いが強くなってやがて台風となるように、そのもののスケールが大きくなることを表しています。
つまり、人間の内部の目に見えない機能の成長、文明などの社会の成長、台風の規模が大きくなることの3種類の使われ方をします。
「発達」の使い方の例
- 精神が発達する
- 人工知能が発達する
- 台風が発達する
②では、人工知能というツールが、その機能を高めていくさまを「発達」と言っています。
③では、台風がさらに勢力を強めている様子を「発達」と表現しています。
「発育」をもっと詳しく
発育は生物が育って大きくなることです。
発達とは違い、身長や体重のような目に見える成長を表すときに使われます。「赤ちゃんが発育する」や「発育段階」など、生物の成長を意味して使うことが多いです。
「発育」は生物の成長の中でも、赤ちゃんや幼児など幼い子供に対して使われることが多いです。また植物などに使うときも同様に、「芽が発育する」のように若い植物に使います。
「発育」の使い方の例
- 赤ちゃんが発育する
- 子供の発育段階
- 発育不良
- 芽が発育する
「発達」の英語訳
「発達」は英語で”development”です。
たとえば、”Economic development”(経済発達)や”Cultural development”(文化的発達)などが使用例です。このように、発達は経済や文化などの社会的な成長を表す使い方になります。
「発育」の英語訳
「発育」は英語で”growth”です。
例文は、”Child growth”(子供の発育)などです。ちなみに英語では「発育」を使うときにも”development”を使うこともありますが、生物の成長には必ず”growth”が使われます。
「発展」との違い
「発達」や「発育」と似た意味の言葉に「発展」があります。どれも、上の段階へ進むことを指しますが、どのように違うのでしょうか。
「発展」は、物事の勢いが更に増し、スケールが大きくなることを言います。
「発達」のように物理的な意味では用いません。また、「発育」のように生物の成長を指すわけでもありません。
「文化が発展する」や「大きな事件に発展する」など、形のない概念が、1つ上の段階へと規模を大きくすることが「発展」です。
まとめ
以上、この記事では、「発達」と「発育」の違いについて解説しました。
- 発達:機能の成長と規模が大きくなること
- 発育:生物が大きくなること