今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ハードボイルド」です。
「ハードボイルド」の意味・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。
☆「ハードボイルド」をざっくり言うと……
英語表記 | ハードボイルド(hardboiled) |
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意味 | 感情を交えず、客観的な文体で描写する文学の手法。そのような小説や映画。感情や状況に流されない非情な人物。 |
語源 | 英語の “hard-boiled” |
類義語 | リアリスト、ドライ |
「ハードボイルド」の意味をスッキリ理解!
「ハードボイルド」の意味を詳しく
「ハードボイルド」とは、「感情を交えず客観的な文体で描写する文学の手法や、そのような小説や映画」「感情や状況に流されない非情な人物」を指します。
「ハードボイルド」は1920年代ごろに登場した、写実主義的な文学手法です。アーネスト・ヘミングウェイという作家が、暴力的・反道徳的な内容を、感情を交えず客観的に描写したことが始まりだと言われています。
その後、レイモンド・チャンドラーらが非情で行動的な探偵を主人公としたミステリーを書きました。このような主人公が登場する小説や映画は「ハードボイルド小説(映画)」と言いわれます。
さらに、その主人公のような「感情や状況に流されない非情な人物」を「ハードボイルド」と言うようになりました。
この意味を表す場合は、「ハードボイルドだ」「ハードボイルドな男」というように使います。
「ハードボイルド」の使い方
- 俺の理想は、親父のように町のみんなから頼られるハードボイルドな男になることだ。
- 君の文体はハードボイルドチックに見えるが、この手法を採用した意味はあるのかい?
- 一時期、ハードボイルド小説に熱中してレイモンド・チャンドラーの著作はほぼ全て読破した。
- 彼女はハードボイルドな性格をしており、女子高では周りの女子たちにたいそう好かれていたようだ。
上の例文のように、「ハードボイルド」は人の性格や小説のジャンルとして使われます。
①の「ハードボイルド」は「感情や状況に流されない非情な人物」という意味で使われています。非情といっても単に冷たいだけではなく、「非情だからこそ約束を守り頼りがいのある」というような前向きな意味で使われることが多いでしょう。
②は「感情を交えず、客観的な文体で描写する文学の手法」という意味で「ハードボイルド」が使われています。
③の「ハードボイルド小説」は「非情で行動的な探偵を主人公とする小説」を指すジャンルです。
④の「ハードボイルド」は「感情や状況に流されない非情な人物」を指します。サバサバした性格と近い意味です。
「ハードボイルド」の語源
ハードボイルドの語源は英語の “hard-boiled” です。
“hard”は「固い」「厳しい」という意味を持ちます。また、“boiled” は「ゆでられた」という意味です。
“hard-boiled” は「ゆで卵が固くゆでられた状態」を意味します。固ゆでのゆで卵は白身や黄身が固まり、流れることがありません。この様子から、感情や状況に流されない文体や人物を“hard-boiled” と例えられました。
日本でも同じ意味で「ハードボイルド」が使われています。
「ハードボイルド」の類義語
「ハードボイルド」には以下のような類義語があります。
- リアリスト:現実に即して物事を考える人、写実主義者
- ドライ:乾いた、物事を割り切ったさま、情に流されない人
まとめ
以上、この記事では「ハードボイルド」について解説しました。
英語表記 | ハードボイルド(hardboiled) |
---|---|
意味 | 感情を交えず、客観的な文体で描写する文学の手法。そのような小説や映画。感情や状況に流されない非情な人物。 |
語源 | 英語の “hard-boiled” |
類義語 | リアリスト、ドライ |
「ハードボイルド」は小説や映画などでよく耳にしますが、正確な意味を知っている人は少ないでしょう。
近年はかっこいい大人の男性などに、軽率にハードボイルドと使われることも多いですが、本来の意味を理解しましょう。