「氾濫」と「決壊」の違いとは?定義までわかりやすく解説

違いのギモン

日本には台風がよく来ますし、最近ではゲリラ豪雨なども増えてきましたから、ニュースで「氾濫」や「決壊」などという言葉を聞くことも多いのではないでしょうか。

そして、「氾濫」と「決壊」を同じようなものとして考えている人も多いのではないでしょうか。

しかし、実はこの2つの言葉にはきちんと違いがあるのです。

 

そして、この2つの言葉の違いをきちんと認識していないと、思わぬ間違いをしてしまうこともあるかもしれません。

そこで、今回は「氾濫」と「決壊」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:「決壊」は「氾濫」の一種

まず、「氾濫」とは雨などによって水があふれかえることを指します。

一方、「決壊」とは堤防やダムなどが切れて崩れることです。

そして、「決壊」は水があふれかえることによって起こるので、「決壊」は「氾濫」の一種です。

「氾濫」をもっと詳しく

氾濫とは雨などによって水があふれかえることを指します。

ちなみに、氾濫は堤防が決壊して起こることもありますが、決壊しなくても水があふれかえってしまうことはあります。

そのため、「氾濫」は「決壊」よりも広い意味を表している言葉です。

 

ちなみに、氾濫は大きく2つにわけることができます。

まず1つめは外水氾濫(がいすいはんらん)です。これは川の水があふれ出てしまうことです。氾濫といえば外水氾濫のことを指している場合が多いでしょう。

次に、2つめは内水氾濫(ないすいはんらん)です。これは排水溝や下水道などが雨水などを処理しきれなくなって、水があふれ出てしまうことです。

ちなみに、内水氾濫はゲリラ豪雨などで短時間に大量の水が排水溝や下水道になだれ込んだ時に起こります。

 

そして、都市化が起こる前、内水氾濫はほとんど起こることがありませんでした。

なぜなら、都市化が起こる前は土や森や水田などが雨水を吸収していたからです。

 

しかし、都市化が進んで地面がアスファルトで覆われると水はけは悪くなり、内水氾濫が起こるようになりました。

ちなみに、都市部の下水道には一時間当たり50mmほどの雨水処理能力しかありません。

そのため、短期間豪雨に弱く、50mm以上の雨が短期間のうちに降ると内水氾濫のリスクが高くなります。

ちなみに、水はより低い場所へ移動していくので、地面が低いところほど大きな被害が生じる傾向があります。

例えば、地下鉄や地下街の多い都市では内水氾濫により一層の注意が必要でしょう。

 

また、「氾濫」は「事物があふれるほど出回る」という意味も持っています。

例えば、「情報が氾濫する」などのように使います。

そして、好ましくないニュアンスで使われることが多いでしょう。

「決壊」をもっと詳しく

決壊とは堤防やダムなどが切れて崩れることです。

ちなみに、堤防は土手とも呼ばれ、人家がある地域に河川や海の水が浸入しないように河岸、海岸にそって土砂を盛り上げた場所のことです。

みなさんの周りにも川があれば見てみてください。川が流れている場所のすぐ横には河川敷があり、その外側は盛り上がっていますよね。その盛り上がっている部分が堤防です。

ちなみに、土手は昔は土砂や石などで作るのが主流でしたが、現在ではコンクリートで作るのが一般的です。

そして、これらの土手が水の圧力によって崩れると決壊になります。

まとめ

以上、この記事では、「氾濫」と「決壊」の違いについて解説しました。

  • 氾濫:雨などによって水があふれかえること
  • 決壊:堤防やダムなどが切れて崩れること

このように、「決壊」を「氾濫」と言っても間違いではありませんが、「氾濫」を「決壊」と呼ぶと間違いになります。

間違えないように使っていきたいですね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。