今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ハレーション」です。
「ハレーション」の意味、使い方、語源、類義語、対義語についてわかりやすく解説します。
このページの目次
「ハレーション」の意味をスッキリ理解!
「ハレーション」の意味を詳しく

▲「ハレーション」の例
「ハレーション」とは、光が強く当たりすぎて画像が白くぼやける現象という意味のカメラ用語です。
「ハレーション」は銀塩写真に特有の現象であり、デジタル写真で起こることはありません。
「ハレーション」は上記のようなカメラ用語から派生して、以下の4つの分野でも用いられています。
- ビジネス
- IT
- デザイン
- 医療
- アート
- 美容師
それぞれの分野での「ハレーション」の意味を詳しく見ていきましょう。
ビジネスにおける「ハレーション」の意味
ビジネスにおける「ハレーション」の意味は、「周囲に悪い影響を及ぼすこと」です。
ある人がしたミスが周囲の人を巻き込んで大きな悪影響を与えてしまうことを表します。
また、まれに「強い影響」という意味で用いられることもあります。
ビジネス用語の「ハレーション」は「強い光によって写真がダメになる」という意味から派生した意味合いだと考えられます。
IT分野における「ハレーション」の意味
IT分野における「ハレーション」は「ひとつの操作や作業のミスが全体に大きな悪影響を及ぼすこと」という意味です。
デザインにおける「ハレーション」の意味
デザインにおける「ハレーション」の意味とは、「明るい色同士の組み合わせ」のことです。
彩度が高い色が多く使われていて、目がチカチカするような色の使い方を表します。
インパクトがあり、目を引き付けやすいですが、やりすぎると見づらくなってしまうので注意が必要になります。
医療における「ハレーション」の意味
医療における「ハレーション」の意味とは、エックス線を用いたCTや、磁石と電磁波を用いたMRIで光が反射して画像が写らない現象のことです。
このような医療の装置では、金属があると光が反射してしまい、その周りが白くなり、画像が写りません。
そのため、腕時計やアクセサリーは外すのですが、体内に入っている金属にも装置は反応します。
そのため、歯の矯正器具やボルトの周りでは「ハレーション」が起きてしまうのです。
アートにおける「ハレーション」の意味
アートにおける「ハレーション」の意味は、「風景の光の表現」もしくは「作品内の人物の神々しさや、眩しさの表現」です。
美容師における「ハレーション」の意味
美容師用語では「ハレーション」は「施術後に髪の毛がチリチリになってしまう現象」のことです。
具体的には、縮毛矯正やデジタルパーマなどの施術をした後に髪の毛がチリチリになることがあります。
基本的には「ハレーション」を直すことはできないので、髪が伸びるのを待ってカットするしかありません。
「ハレーション」の使い方
「ハレーション」には以下のような使い方があります。
- この写真はハレーションが起きているから失敗作だね。
- ささいなミスがハレーションを引き起こした。
- 彼の作品では、ハレーションが使われているのが特徴です。
➊の「ハレーション」は、「光が強く当たりすぎて画像が白くぼやける現象」という意味で使われています。
➋の「ハレーション」は、「周囲に悪い影響を及ぼすこと」という意味で使われています。
➌の「ハレーション」は、「明るい色同士の組み合わせ」という意味で使われています。
ちなみに、上記の例文からもわかる通り、「ハレーション」は以下のような言い回しで用いられることが多いです。
- ハレーションになる
- ハレーションが生じる
- ハレーションが起こる
- ハレーションを起こす
- ハレーションを引き起こす
「ハレーション」の語源
「ハレーション」の語源は英語の “halation” です。
英語の “halation” の意味は「強い光が当たった部分の白いぼやけ」です。
ビジネスにおける「ハレーション」の意味などは、カタカナ語特有の意味なので注意しましょう。
もしビジネス用語における「悪い影響」という意味を英語で表現したい時には “bad influence” などの表現を用いると良いでしょう。
「ハレーション」の類義語
カメラ用語としての「ハレーション」には以下のような類義語があります。
- 光暈(こううん):強い光の周辺にできる淡い光の輪
- 光滲(こうしん):強い光によって画像が不鮮明になること
- 暈影(うんえい):強い光で画像が白くにじむこと
また、ビジネス用語として「悪い影響」という意味で使われる「ハレーション」には以下のような類義語があります。
- 悪影響(あくえいきょう):良くない影響のこと
- 副作用(ふくさよう):目的とする作用に伴って起こる別の作用のこと
- 逆効果(ぎゃくこうか):期待とは逆の結果が出ること
「ハレーション」と似た現象との違い
カメラ用語として使われる「ハレーション」には以下のような似た現象があります。
- (レンズ)フレア
- ゴースト
- イラジエーション
それぞれの現象との違いについて詳しく見ていきましょう。
「ハレーション」と「(レンズ)フレア」の違い
「(レンズ)フレア」は「レンズの中に強い光が入ってしまい、カメラ内部で反射して画面が白くぼやけること」という意味です。
下の画像のように、「フレア」が生じると画面が白くぼやけ、強く光っているものが実際よりも大きく映り込みます。

▲フレアの例
「強い光」が原因になるところは「ハレーション」と同じです。
しかし、「ハレーション」と「(レンズ)フレア」には以下のような違いがあります。
- ハレーション:感光乳剤の層を通った光が反射し、再び感光層に作用するのが原因
- (レンズ)フレア:光がカメラ内部で反射するのが原因
「ハレーション」と「(レンズ)フレア」では原因が異なるのです。
「ハレーション」と「ゴースト」の違い
「ゴースト」は「レンズの中に強い光が入り、カメラ内部で反射して光の玉が写ってしまうこと」という意味です。
下の画像のように、光から少し離れたところにある、実際には存在しない虹色の光がゴーストです。

▲ゴーストの例
「ハレーション」と「ゴースト」は強い光が原因であることは同じです。
しかし、以下のような違いがあります。
- ハレーション:感光乳剤の層を通った光が反射し、再び感光層に作用するのが原因
- ゴースト:光がカメラ内部で反射するのが原因
「ハレーション」と「ゴースト」は原因が異なるのです。
「ハレーション」と「イラジエーション」の違い
「イラジエーション」とは「フィルムに強い光が当たって写真の周りが黒くなって不鮮明になってしまうこと」です。
「ハレーション」と同じように、感光膜の中の銀粒子の結晶表面で光が乱反射することが原因です。
「ハレーション」と「イラジエーション」には以下のような違いがあります。
- ハレーション:画像が白くぼやける
- イラジエーション:画像の周囲が黒くなる
「ハレーション」と「イラジエーション」では変化する色が異なるのです。
「ハレーション」の対義語
「ハレーション」には以下のような対義語があります。
- 好影響(こうえいきょう):好ましい影響のこと
- 好都合(こうつごう):都合が良いこと
- シナジー効果:ある要素とある要素が組み合わされることによって単体以上の結果が得られること
- プラスの効果:良い効果のこと
まとめ
以上、この記事では「ハレーション」について解説しました。
英語表記 | ハレーション(halation) |
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意味 | 光が強く当たりすぎて画像が白くぼやける現象 |
語源 | 「光によるぼやけ」という意味の英単語 “halation” |
類義語 | 光暈、光滲、暈影、など |
対義語 | 好影響、好都合、シナジー効果、など |
「ハレーション」はもとの意味から複数の意味が派生して生まれています。
言葉のイメージをつかんで覚えていきましょう。