今回ご紹介する言葉は、故事成語の「牛耳を執る(ぎゅうじをとる)」です。
意味や使い方、由来、英語訳などについてわかりやすく解説します。
☆「牛耳を執る」をざっくり言うと……
読み方 | 牛耳を執る(ぎゅうじをとる) |
---|---|
意味 | 組織や団体の支配者になる、意のままに操る |
由来 | 諸侯が同盟を結ぶ時、牛の耳を切って血を回し飲みしたことから |
英語訳 | to control(操る、牛耳を執る) |
「牛耳を執る」の意味をスッキリ理解!
牛耳を執る:団体や組織の支配者になる、意のままに操るという意味
「牛耳を執る」の意味を詳しく
「牛耳を執る」とは、ある組織や団体の支配者になる、または組織を意のままに操るという意味です。
現代でよく使う「牛耳る(ぎゅうじる)」という言葉のもとになった言葉です。
「牛耳」とは、その漢字の通り牛の耳のことです。「執る」は、ここでは「手に取る」という意味で使われています。
「牛耳を執る」の使い方
- あの男性は著名な教授で、学会の牛耳を執る人物です。
- 彼はかつて事業に失敗したが、立て直して今や業界の牛耳を執る人物になりました。
- この部活の部長は彼ですが、実質牛耳を執っているのはマネージャーの女性です。
どの例文でも「仕切っている」や「指揮を執っている」などの言葉に置き換えることができます。
「牛耳を執る」の由来
「牛耳を執る」は『春秋左氏伝』の中に出てくる、ある儀式に由来します。
その儀式は諸侯たちが同盟を結ぶ際に行われていました。
ちなみに、諸侯とは日本でいう戦国武将のような人たちで、地域の有力者です。
そして、その儀式は変わったものでした。
まず牛や羊などの生贄(いけにえ)を殺して上帝に供え、牛の耳を切り割きます。
そして、出てきた血をお互いに啜りながら盟約の条項を一ヵ条ずつ読み上げ、それが終わると生贄と盟約書を一緒に穴に埋めるという儀式です。
そこから「牛の耳」を「執って」切り裂いたという部分をとって「牛耳を執る」という故事成語が生まれました。
「牛耳を執る」の英語訳
「牛耳を執る」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- to take the lead in
(指揮を執る、牛耳を執る) - to be the leader
(指揮を執る、牛耳を執る) - to control
(指揮を執る、牛耳を執る)
まとめ
以上、この記事では「牛耳を執る」について解説しました。
読み方 | 牛耳を執る(ぎゅうじをとる) |
---|---|
意味 | 組織や団体の支配者になる、意のままに操る |
由来 | 諸侯が同盟を結ぶ時、牛の耳を切って血を回し飲みしたことから |
英語訳 | to control(操る、牛耳を執る) |
「牛耳を執る」という故事成語は、そこまで使わないかもしれません。
しかしそこから派生した「牛耳る」という言葉は非常によく使うと思います。
しっかりと理解して、使いこなせるようになりましょう!