「牛飲馬食」の意味とは?使い方から類義語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「牛飲馬食(ぎゅういんばしょく)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「牛飲馬食」をざっくり言うと……

読み方牛飲馬食(ぎゅういんばしょく)
意味多量に飲み食いすること
由来『史記』の、牛や馬のように身をかがめて飲み食いするという表現から
類義語鯨飲馬食、暴飲暴食、痛飲大食など
英語訳Drink like a fish and eat like a wolf(魚のように飲んで、狼のように食べること)

「牛飲馬食」の意味をスッキリ理解!

牛飲馬食(ぎゅういんばしょく):多量に飲み食いすること

「牛飲馬食」の意味を詳しく

「牛飲馬食」とは、牛が大量に水を飲み、馬が草をむさぼり食べるように、多量に飲み食いすることを表しています。

したがって、これは「非常識なほど飲み食いすること」や「必要以上に飲み食いすること」「人並み外れた量を飲み食いすること」を指すこともあります

「牛飲馬食」の使い方

  1. 人気タレントが大食い選手権に出場した時、彼女の牛飲馬食ぶりには日本中が驚いたことだろう。
  2. 接待の席で、話を聞かずに牛飲馬食をすることは非常識である。
  3. 食べ盛りの子供たちは、バイキングに行くと牛飲馬食な様子を見せた。
①の例文では、人気タレントが人並み外れた量を食べることに衝撃を受けている様子がわかります。

②の例文では、接待の席では必要以上に食べすぎたり飲みすぎたりしないことがマナーであることを説いています。

③の例文では、子どもたちが普段にも増して食欲が旺盛な様子がわかります。

「牛飲馬食」の由来

「牛飲」と「馬食」中国古来の言葉で、従来は別々の言葉として使われていましたが、のちにこれらを組み合わせて使うようになりました。

どちらも、中国の歴史家である司馬遷(しばせん)によって書かれた歴史書の『史記』に出てくる話の中から生まれた言葉です。

 

『史記』の中の『殷本紀(いんほんぎ)』の一節に、「一鼓而牛飲者三千人(一鼓して牛飲する者三千人)」という文があります。これが「牛飲」の由来です。

ここでは、「身をかがめて牛のように飲む」という意味でしたが、のちに、「牛のように大量に飲む」という意味に変化しました。

 

「馬食」は、『史記』の中の『范雎蔡沢列伝(はんしょさいたくれつでん)』の一節で、「坐須賈於堂下,置座豆其前,令两黥徒夹而馬食之(須賈を堂下に座らせ、その前に芻(まぐさ)と豆を置き、馬のように食らわせながら、責めて言った。)」という文章の中に見つけることができます。

ここでは懲罰として「馬のように口を食器に付けさせて食べさせる」という意味で使われています。

「馬食」は「牛飲」と同様に、のちに「馬のように大量に食べる」という意味に変化しました。

「牛飲馬食」の類義語

牛飲馬食には以下のような類義語があります。

  • 鯨飲馬食(げいいんばしょく):むやみにたくさん飲み食いすること。
  • 暴飲暴食(ぼういんぼうしょく):度を超えて飲み食いすること。
  • 痛飲大食(つういんたいしょく):大いに飲み食いすること。
  • 爛腸之食(らんちょうのしょく):食べすぎること。

どの類義語も「牛飲馬食」とほぼ同じ意味で使うことができます。

「牛飲馬食」の英語訳

牛飲馬食を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Drink like a fish and eat like a wolf
    (魚のように飲んで、狼のように食べること)
  • Gorging and swilling
    (腹いっぱいに食べ、流し込むように飲むこと)
  • Over-eating and over-drinking
    (過剰に食べ、過剰に飲むこと)

一つ目の英語訳は、「牛飲馬食」とは例える動物は違いますが、同じ意味をもつことがわかります。

まとめ

以上、この記事では「牛飲馬食」について解説しました。

読み方牛飲馬食(ぎゅういんばしょく)
意味多量に飲み食いすること
由来『史記』の、牛や馬のように身をかがめて飲み食いするという表現から
類義語鯨飲馬食、暴飲暴食、痛飲大食など
英語訳Drink like a fish and eat like a wolf(魚のように飲んで、狼のように食べること)

以上から、「牛飲馬食」は中国古来の意味から、現代で使われる意味へと変化したことがわかりました。

適度な量で飲食を楽しむことが、健康な体にも、良好な人間関係にも繋がる秘訣だと言えます。