今回ご紹介する言葉は、熟語の「御意(ぎょい)」です。
言葉の意味・使い方・語源・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「御意」をざっくり言うと……
読み方 | 御意(ぎょい) |
---|---|
意味 | 目上の人の意見や意向のことを敬って表現した語 |
語源 | 「目上の人のものを示す」「考え」という漢字の意味から |
英語訳 | as you wish(御意のままに)など |
「御意」の意味をスッキリ理解!
「御意」の意味を詳しく
「御意」とは、「目上の人の意見や意向」という意味です。つまり、「意見」「意向」といった言葉の尊敬語にあたります。
この意味から転じて、「御意」は「同意や肯定の意味を表す返事の言葉」としても用いられます。目上の人から命令などを受けた際に、「御意のとおりに」と言っていたのが、略されて「御意」とだけ言うようになりました。
「御意」の使い方
「御意」の使い方の例として、以下のような文が挙げられます。
- 派手好きな将軍の御意にかなうため、各地から資材と職人が集められた。
- ○○様の御意を得ることができ、光栄に存じます。
上記の例文のように、「御意」は「将軍と家臣」「社長と社員」など強い主従関係がある際に用いられます。
①の例文にある「御意にかなう」とは、「目上の人が満足する」という意味です。②の「御意を得る」は、「お目にかかる」という意味で用いられています。「御意を得る」には、文字通りに「目上の人の意見をうかがう」という意味もあります。
現代において、「目上の人の意見」と「目上の人への返事」のどちらの意味でも「御意」という言葉が用いられることは、かなり少ないです。ドラマのセリフとして登場した影響で、病院や学会においては使われていると思う人も多いようですが、それは誤解となります。
ビジネスシーンなどで上司の依頼などを受ける際は、「承知しました」と言うのが一般的です。
「御意」の語源
「御意」という熟語は、用いられている漢字に注目すると、語源からその意味をより理解しやすくなります。
まず「御」はもともと、言葉の前に付けることで、天皇に関係があることを示して尊敬の意を表す語でした。後に、天皇だけでなく広く目上の尊敬すべき人の行為や持ち物に対しても用いられるようになりました。次に「意」は、「心の中の考え」「気持ち」を意味しています。
これら2つの意味の漢字を合わせて、「御意」は「目上の人の意見」という意味を表しているのです。
「御意」の英語訳
英語には、日本語と同じような敬語の表現はありません。そのため、「御意」という言葉の意味を直接訳すことはできないのです。
以下に、「御意」が使われた言い回しと近い意味を持つ英語表現をご紹介します。
- “As you wish.” “Yes my lord.”
(御意のままに) - “Are you pleased with it?”
(御意にかないましたか?)
“lord” とは、「貴族」や「主人」のことを指します。
いずれの言い回しも、現代の日本ですら使われない表現です。映画などのセリフとして出てくることがあるので、覚えておくといいでしょう。
まとめ
以上、この記事では「御意」について解説しました。
読み方 | 御意(ぎょい) |
---|---|
意味 | 目上の人の意見や意向のことを敬って表現した語 |
語源 | 「目上の人のものを示す」「考え」という漢字の意味から |
英語訳 | as you wish(御意のままに)など |
現在「御意」は一般的に用いられている言葉でありません。「尊敬」の意味を表すからといって、ビジネスシーンなどの公式な場で使うのは避けた方がいいでしょう。親しい間柄でならば、時代劇風のユーモアのある返事として使えるかもしれませんね。
いざ「御意」という言葉を使う場面が来た時のために、しっかりと意味と使い方を理解しておきましょう。