今回ご紹介する言葉は、熟語の「逆境(ぎゃっきょう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「逆境」をざっくり言うと……
読み方 | 逆境(ぎゃっきょう) |
---|---|
意味 | 不運な状況にあること |
類義語 | 苦境、危地 |
対義語 | 順境 |
英語訳 | adversity(逆境) |
「逆境」の意味をスッキリ理解!
「逆境」の意味を詳しく
「逆境」とは、 物事が思い通りにいかず、苦労の多い不運な状況にあること です。
「逆」は「正」に対し、反対という意味になります。「正」の状況とは、自分の想定していた通りに物事が進んでいる場合にあたります。
つまり、自分の想定とは反対の事態になることが「逆境」の意味になるのです。
ただ思い通りにいかないだけでなく、運も絡んで苦しい状況にあるというニュアンスがあります。
「逆境」の使い方
- 彼は怪我での長期離脱という逆境に打ち勝って、今ではチームのエースだ。
- 逆境の中にあっても、彼女は決して笑顔を忘れない。
- 私は今まさに、逆境に立たされている。
上記の例文のように、「逆境」は「勝つ」「乗り越える」などの言葉や、「立たされる」などの表現とともに使われます。
①の例文では、怪我という苦しい状況にあった「彼」が、それを乗り越えて成長した様子を「逆境に打ち勝って」と表現しています。
「逆境」とは倒すべきもの、乗り越えるものというイメージが強く、この例文のように、最終的によい結果を得た場合によく使われます。
逆境を乗り越える、逆境に打ち勝つ、逆境を力に変えるなど
②や③の例文は、①の例文のような状態に至る一方手前の状況を表しています。
現時点でまだ苦しい状況を乗り越えられていない場合、「逆境の中」「逆境に立たされる」といった表現になります。
逆境の真っただ中、逆境に立つ、逆境に立たされる、逆境に立ち向かう、逆境にいる、逆境に沈む、逆境にめげずなど
「逆境」の類義語
逆境には以下のような類義語があります。
- 苦境:苦しい状況
- 危地(きち):危険な立場であること
「苦境」は、思い通りにいかず苦しい状況にあるという意味で「逆境」と共通します。
ただし、「逆境」が長い期間の苦しみを表す一方、「苦境」はその場限りの比較的短い期間である傾向があります。
運が悪く「苦境」が長引いてしまうのが「逆境」になります。「苦境」の方が「逆境」よりも苦しい、という使い分けをするわけではないので注意しましょう。
「危地」は、ただ苦しい状況であるだけでなく、危険が伴っている場合に使われます。
また、実際に危険のある場所自体のことも「危地」と言います。
危険な状況の比喩に「崖っぷち」などの言葉がありますが、それと同様に生命の危機にある状況に例えているイメージです。
そのため、「危地」は「危険な場所にいる」という意味が、「危険な状況にある」というイメージと重なった言葉になります。
「逆境」の対義語
逆境には以下のような対義語があります。
- 順境(じゅんきょう):物事が思い通りに進んでいること
「順境」とは、物事が順調に進んでいる状況のことです。
想定した流れに逆らうことなく、そのまま物事が運ぶさまを表す言葉です。
「逆境」の英語訳
逆境を英語に訳すと、次のような表現になります。
- adversity
(逆境)
adversityは、「逆境」「不運」などの意味をもつ英単語です。
不可算名詞として扱うと、「苦しい状況」の意味になります。一方で、可算名詞として扱うと「不幸な出来事」という、具体的な出来事を表します。
一つひとつの出来事は数えることができますが、状況というものは変化し続けるものであるため、数えることができないのです。
「逆境」の意味で使う場合には、不可算名詞として表現するようにしましょう。
まとめ
以上、この記事では「逆境」について解説しました。
読み方 | 逆境(ぎゃっきょう) |
---|---|
意味 | 不運な状況にあること |
類義語 | 苦境、危地 |
対義語 | 順境 |
英語訳 | adversity(逆境) |
「逆境」は誰にとっても嬉しくない状況ですが、乗り越えることで価値の生まれるものでもあります。よく使う言葉なので、細かいニュアンスも理解しましょう。