日本語には、似たような意味を持っていたり、読み方が似ていたりする言葉が沢山あります。知らないうちに、間違った意味で使っていることもあるかもしれません。しかし、自分で間違いに気付くことは難しいですよね。
今回は、そんな間違えやすい言葉の 1 つである「遺恨」「禍根」について、違いと意味を解説していきます。
結論:「遺恨」は晴らす、「禍根」は断つ
「遺恨」は、深い恨みや後悔が残っていることです。
「禍根」は、わざわいに繋がる原因のことです。
それぞれ意味が違うため、使い方も異なっています。「遺恨」は晴らすもの、「禍根」は断つものです。
「遺恨」とは
「遺恨」とは、デジタル大辞泉には「忘れがたい深い恨(うら)み。また、残念に思うこと」と書かれています。
「遺」という字は「残る、置き忘れる」という意味を持っています。「遺産」「遺言(ゆいごん)」というように使われています。「遺産」は「財産を残すこと」、「遺言」は「言葉を残すこと」です。
「遺」は、「残」という漢字よりも、簡単には取りに戻れないというニュアンスが強く伝わります。
また、「恨」は「うらみ」のことです。
つまり、「遺恨」とは「後悔や恨みが忘れられず、後に残る」ことです。
「遺根」ではなく、「遺恨」なので注意しましょう。
用例
「遺恨」という言葉は、このような場面で使われます。
- 一年前の遺恨を晴らす機会を得た
- あの事件のことを、ずっと遺恨に思っている
「禍根」とは
「禍根」とは、デジタル大辞泉には「わざわいの起こる元や原因」と書かれています。
「禍」は「わざわい」と読む漢字で、人に不幸をもたらす出来事のことを表しています。
つまり「禍根」とは、「不幸の根っこ(原因)になることがら」のことです。何かが起こった後に、回収しきれず残ってしまった問題のことを指します。何もしていないのに、突然発生したわざわいの原因は、禍根とは言いません。
また、「恨」ではなく「根」です。間違えないように気を付けましょう。
用例
「禍根」は文中では以下のように使われます。
- 先日のケンカが、二人の間に禍根を残してしまう
- 後のことを考えて、ここで禍根を断つ
まとめ
以上、この記事では「遺恨」と「禍根」の違いについて解説しました。
- 遺恨:恨みや後悔が残っていること。
- 禍根:わざわいの原因になる物事。
「恨」と「根」を間違えてしまうことも多いと思います。しかし、言葉の意味がわかっていれば、どちらを使うのかすぐに判断できますよね。
しっかり使い分けていきましょう。