今回ご紹介する言葉は、敬語の「ご所望(しょもう)」です。
言葉の意味・使い方・間違った使い方・敬語の言い換え表現・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「ご所望」をざっくり言うと……
読み方 | ご所望(しょもう) |
---|---|
意味 | 目上の人が、欲しいと望むこと |
語源 | ご(尊敬を表す接頭語) + 所望(欲しいと望むこと) |
類義語 | ご入用、ご希望、ご意見、ご要望、ご意向など |
英語訳 | request(頼む)、ask(頼む)、require(要求する) |
このページの目次
「ご所望(しょもう)」の意味をスッキリ理解!
「ご所望」は珍しい読み方をする言葉です。「ごしょぼう」と間違えて読まないように注意しましょう。
「ご所望(しょもう)」の意味を詳しく
「ご所望(しょもう)」は、目上の人が、欲しいと望むことを表す言葉です。
敬意を表す接頭語「ご」が付いている場合は第三者に対してのみ使うことができます。「私は○○をご所望しています」というように自分に対して使うことはできません。
「ご所望(しょもう)」の使い方
- 社長のご所望の品をお持ちいたしました。
- ご所望とあらば、ただちに連絡いたします。
- こちらがご所望にあずかりました品でございます。
- 取引先の社長にご所望賜(たまわ)る。
①の例文は「欲しいと望んでいた品」という意味を表す際の「ご所望」の使い方です。
②の例文は「もし望むのであれば」という意味を表す際の「ご所望」の使い方です。
③の例文は「望んでいただいた」という意味を表す際の「ご所望」の使い方です。「あずかる」は「目上の人から好意や恩恵を受ける」という意味で使われています。
④の例文は「相手の望みを聞く」という意味を表す際の「ご所望」の使い方です。「賜(たまわ)る」は「目上の人から物をいただく」という意味の敬語です。
「ご所望(しょもう)」の間違った使い方
「ご所望(しょもう)」には以下のような間違った使い方もあります。
- 私はこちらの品をご所望しております。
「ご所望」は尊敬語のため、自分に対して使うことはできません。
「ご所望(しょもう)」の敬語の言い換え表現
「ご所望(しょもう)」を敬語で言い換えたい時には、以下のような言葉を使うことができます。
- ご入用(いりよう):目上の人が用事のために必要としていること
- ご希望:目上の人が望んでいること
- ご意見:目上の人が持っている考え
- ご要望:目上の人が望んでいること
- ご意向:目上の人が、どうするつもりか考えていること
いずれの語も尊敬を表す接頭語「ご」を付けることで敬意を表しています。
「ご希望」「ご要望」との違い
「ご所望(しょもう)」と意味が似ている類義語に「ご希望」「ご要望」があります。
「ご所望」とこれらの言葉の違いについて以下に解説します。
- ご所望:目上の人が欲しいと望んでいること、目に見えるものを望んでいるときに使うことが多い
- ご希望:目上の人が欲しいと望んでいること、目に見えないものを望んでいるときに使うことが多い
- ご要望:その状態や物を強く望んでいること
「ご所望」と「ご希望」「ご要望」は、望む対象が目に見えるかどうか、思いの強さという点で異なります。
「ご所望(しょもう)」の英語訳
「ご所望(しょもう)」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- request
(頼む) - ask
(頼む) - require
(要求する)
いずれの語も動詞の後にto doを付けることで「~することを頼む」という意味になります。
まとめ
以上、この記事では「ご所望(しょもう)」について解説しました。
読み方 | ご所望(しょもう) |
---|---|
意味 | 目上の人が、欲しいと望むこと |
語源 | ご(尊敬を表す接頭語) + 所望(欲しいと望むこと) |
類義語 | ご入用、ご希望、ご意見、ご要望、ご意向など |
英語訳 | request(頼む)、ask(頼む)、require(要求する) |
「ご所望」はビジネスシーンにおいて頻出の敬語です。使いこなせると便利ですので、この機会にぜひ正確な意味を理解しましょう。