「言語道断」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「言語道断(ごんごどうだん)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「言語道断」をざっくり言うと……

読み方言語道断(ごんごどうだん)
意味言葉では表現できないほど、あまりにひどいこと。とんでもないこと
由来大乗仏教の経典である『維摩経(ゆいまきょう)』
類義語言語道過など
英語訳unspeakably(言いようのないほどに)など

「言語道断」の意味をスッキリ理解!

言語道断(ごんごどうだん):言葉では表現できないほど、あまりにひどいこと。とんでもないこと。

「言語道断」の意味を詳しく


「言語どうだん」は、「言語」と「道断」の二つの言葉から成り立つ四字熟語です。

「言語」とは、「言葉に出して表現する」という意味です。また、「道断」とは「言う方法が断たれること」を表しています。

つまり、「言語道断」は単に「言葉で表す方法がない」ということを意味しているのです。ですから、本来この四字熟語は、良い意味としても悪い意味としても用いることができるのです。

 

かつては「言葉では言い表せないほど、とても立派である様子」というポジティブな意味合いとしても使用されていました。例えば、この意味で「言語道断」を用いた文章が、平家物語の中に収録されています。

しかし、現在「言語道断」は、「言葉では表現できないほどあまりにひどいこと」「とんでもないこと」「もってのほかであること」というネガティブな意味合いで使用されることが一般的です。肯定的な意味で用いられることはほとんどありません。

 

なお、「言語道断」を「げんごどうだん」と読むことは誤りなので、注意しましょう。

「言語道断」の使い方

「言語道断」は、「〜は言語道断だ」という形で使用されます。

具体的な例を見てみましょう。

  1. 目上の人に対してそのような無礼な態度を取るとは、言語道断である。
  2. 税金を無駄遣いするような政策は言語道断である。
すでに述べたとおり、現代では「言語道断」を否定的な文脈で使うことが一般的です。上記の2つの例文も、「言葉に言い表せないほどにひどい」という意味で使用しています。

「言語道断」の由来

「言語道断」は、もともと仏教の言葉です。

仏教には、大乗仏教(だいじょうぶっきょう)という宗派が存在します。また、大乗仏教には『維摩経(ゆいまきょう)』という経典があります。この中に書かれている、「仏教の奥深い真理を説明しようとしても、どの言葉を使っても表現しきれない」というお経が「言語道断」の由来です。

そこから転じて、「言葉では言い表せないほどに、とても〜である様子」を表す言葉として使われるようになったのです。

「言語道断」の類義語

言語道断には以下のような類義語があります。

    • 言語道過(ごんごどうか)

「言語道過」は、「言語道断」と全く同じ意味を表します。

「言語道断」の英語訳

言語道断を英語に訳すと、次のような表現になります。

      • unspeakably
        (言いようのないほどに)
      • indescribably
        (口では言い表せないほどに)
      • outrageous
        (ひどすぎる)

“unspeakably” と “indescribably” は、「言葉では言い表せないほど〜である」という状態を表す副詞です。「言語道断」の「言葉で言い表せない様子」の意味を訳した表現であると言えます。

また、“outrageous” は後に名詞を伴い、「あまりにひどすぎる〇〇」という状態を意味する形容詞です。

まとめ

以上、この記事では「言語道断」について解説しました。

読み方言語道断(ごんごどうだん)
意味言葉では表現できないほど、あまりにひどいこと。とんでもないこと
由来大乗仏教の経典である『維摩経(ゆいまきょう)』
類義語言語道過など
英語訳unspeakably(言いようのないほどに)など

今回、「言語道断」には肯定的な意味でも用いられていた歴史があることをご紹介しました。ひとつの言葉でも、正反対の意味を両方もち合わせる場合があるのです。

しかし、現在は肯定的な用法は誤用と判断されてしまうので、要注意です。

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香菜
「読者を不快にさせない記事」をモットーに執筆・編集しています。有名美容ライターの元でアシスタントを経験し、その後出版社に就職。現在は著名人への取材やエンタメ記事の執筆も行っています。