「語彙力」の意味とは?読み方は?使い方から英語や類語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「語彙力(ごいりょく)」です。

言葉の意味・鍛え方・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「語彙力」をざっくり言うと……

読み方語彙力(ごいりょく)
意味単語や言葉を知っていて、使いこなせる能力
語源「言葉」、「集める」、「能力」という意味の漢字から
類義語語彙量、知能、学力など
英語訳“vocabulary”

「語彙力」の意味をスッキリ理解!

語彙力(ごいりょく):単語や言葉を知っていて、使いこなせる能力

「語彙力」の意味を詳しく

「語彙力」の意味は、「単語や言葉を知っていて、使いこなせる能力」です。

「語彙力」はただ単語を知っているだけでなく、それを実際に使える能力のことを表すのです。

ちなみに、外国語学習における「語彙力」は、学んでいる外国語の単語に関する知識を示します。

ネット用語の「語彙力」とは?

「語彙力」はTwitterを中心にしたSNS上で文章の後に(語彙力)という形で用いられることがあります。

これは自分の「語彙力」がないことを自虐するために用いられる表現です。

感情が高ぶって自分の気持ちを言葉にできない時に用いられることが多いです。

例文
  1. 飼い猫が可愛くてかわいくて、そしてカワイイ(語彙力)
  2. これはそういう時のあれだ(語彙力)

語彙の種類①:認知語彙 / 使用語彙

「語彙」は大きく分けて「認知語彙」「使用語彙」の2種類に分けることができます。

それぞれの意味は以下のとおりです。

  • 認知語彙
    全体の文章からなんとなく意味を推察できる程度の理解の言葉
  • 使用語彙
    意味を理解し、自分で使いこなすことのできる言葉

「認知語彙」は「意味がわかる語彙」、「使用語彙」は「自分で使える語彙」のことを指すのです。

ちなみに、「語彙力」を鍛えるためには、まずは「認知語彙」を増やす必要があります。

「認知語彙」の意味の理解を深めることで、「使用語彙」の幅が広がります。

そもそも「認知語彙」でない言葉は使うことも、相手が使っている場合に理解することもできません。

語彙の種類②:基礎語彙 / 基本語彙

「語彙」には「基礎語彙」「基本語彙」という分類もあります。

それぞれの意味は以下のとおりです。

  • 基礎語彙
    日常でよく使う基本的な単語
  • 基本語彙
    あるカテゴリでよく使う基本的な単語

「基礎語彙」は「手」「夜」など、子どもや日本語を学ぶ外国人が最初に覚えるような基本的な単語のことを指します。

一方、「基本語彙」はその分野で基本的な単語のことです。

たとえば、「ローダウン」は一般的な知名度は低い言葉ですが、競技ボウリングの選手は誰でも知っている言葉です。

この場合、「ローダウン」は競技ボウリングの「基本語彙」と言えます。

「語彙力」の鍛え方

「語彙力」を鍛える方法としては以下のようなものが挙げられます。

  1. 知らない言葉をすぐ調べる
  2. 読書をする
  3. アプリで言葉を覚える
  4. 「やばい」「わかる」などを使用禁止にする
  5. 新しいことに挑戦する
  6. 多様な人と話す
  7. 好きな文章を書き写す

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

鍛え方①:知らない言葉をすぐ調べる

「語彙力」を鍛える一番の方法は知らない言葉をすぐ調べることです。

これからさまざまな「語彙力」を高める方法を紹介しますが、どれも知らない言葉をすぐ調べる習慣がないと効果が半減してしまいます。

なぜなら、いくら知らない単語を見る機会があっても、意味を知らなければ「見たことがあるが、意味は知らない単語」になってしまうからです。

これでは語彙が増えたとは言えません。

 

具体的には知らない言葉が出てきたら、すぐにGoogleで検索したり、辞書を調べたりしましょう。

そうすれば意味を理解することができ、「語彙力」を向上させることができます。

鍛え方②:読書をする

「語彙力」を鍛える方法として一番すぐ思いつくのは読書をすることでしょう。

本には私たちが日常会話で用いない言葉も使われているため、「語彙力」を増やすことができます。

本を読んでいて知らない単語が出てきたら、すぐ調べるようにするとさらに「語彙力」が上がります。

 

ちなみに、読書はひとつの分野を掘り下げるのも大切ですが、この方法ではある程度で知らない単語がほとんどなくなってしまいます。

そのため、「語彙力」を増やしたい場合はさまざまな分野の本を分け隔てなく読むのが大切です。

また、「大人の語彙力ノート」のように、「語彙力」の向上を目的とした本を読むのもおすすめです。

鍛え方➂:アプリで言葉を覚える

アプリで言葉を覚えるという方法もあります。

スマホのアプリの中には、自分の語彙力をチェックしたり、単語帳のように語彙力を鍛えることができるものがあります。

たとえば、「知らないと恥ずかしい大人の語彙力」というアプリではクイズ形式で語彙を学ぶことができます。


[出典:Google Play Store]

シンプルなアプリですが、効率的に「語彙力」を上げることができます。

鍛え方④:「やばい」「わかる」などを使用禁止にする

意味を知るだけでなく、自分で使える語彙を増やしたいなら、「やばい」「わかる」などの便利な言葉を使用禁止にするのがおすすめです。

具体的に使用禁止にすると表現の幅が広がる言葉は以下のとおりです。

  • やばい
  • わかる
  • すごい
  • 好き
  • 幸せ
  • 頑張る
  • おいしい
  • 面白い など

これらの言葉を他の言葉で言い換えて使えば「語彙力」を鍛える訓練になります。

たとえば、「おいしい」は「頬が落ちそう」「この食べ物を食べるように生まれたようなもの」など、さまざまな言葉で言い換えられます。

鍛え方⑤:新しいことに挑戦する

「語彙力」を鍛えるためには、新しいことに挑戦するのも大切です。

新しいことに挑戦すれば、今まで知らなかった言葉をたくさん覚えることができるからです。

たとえば、新たにスポーツを始めれば、そのスポーツで使われている言葉をたくさん知ることができるでしょう。

鍛え方⑥:多様な人と話す

「語彙力」を鍛えたい時には、多様な人と話すのも重要です。

年齢、地域、性別、職業などが違えば、使う言葉も変わってきます。

そのため、多様な人と話せば、これまで自分が知らなかった言葉を知ることができるのです。

その上、人は自然に会話相手が使っている言葉を自分も使ってしまう性質があるので、「語彙力」を身につけるのに大きく役立ちます。

鍛え方⑦:好きな文章を書き写す

「語彙力」を高める方法として、好きな文章を書き写す方法も有効です。

読むだけでなく、文章を書き写せば学習効果がさらに高まるからです。

また、好きな文章の内容をそのままに言葉だけ変えて書き写すのもおすすめです。

内容を変えずに言葉だけを変えるのは、文章に書かれている言葉の意味を知らないとできないことだからです。

「語彙力」の使い方

  1. 彼は語彙力が高いので、話していると勉強になる。
  2. もっといい表現をしたいが、語彙力が足りないので難しい。
  3. 語彙力を上げるために、毎日読書をしている。

上記の例文で使われているものを含めると、「語彙力」は以下のような言い回しで用いられることが多いです。

「語彙力」のよくある言い回し
  • 語彙力がある / ない
  • 語彙力が高い / 低い
  • 語彙力が豊富だ / 貧弱だ
  • 語彙力に富む / 乏しい
  • 語彙力が豊か / 貧しい
  • 語彙力の向上 / 低下
  • 語彙力アップ / ダウン
  • 語彙力を伸ばす
  • 語彙力を鍛える
  • 語彙力を養う
  • 語彙力を育む

「語彙力」は自分や他人の語彙に関する能力を評価するために用いられることが多いのです。

「語彙力が 多い / 少ない」とは言えない

「語彙力」は「多い」「少ない」と言うことはできません。

力の大きさを「多い / 少ない」で表現することはできないからです。

「語彙が多い」「語彙が少ない」と言うことはできます。

「語彙力」の語源

「語彙力」の漢字の意味は、それぞれ以下の通りです。

  • :言葉
  • :集める、仲間
  • :能力、実力

上記のように、「語彙力」は「言葉を集める能力」という意味になります。

言葉を集める能力が高ければ、多くの単語や言葉を知り、使いこなせるようになることから「語彙力」という言葉が生まれました。

「語彙力」の類義語

「語彙力」には以下のような類義語があります。

  • 語彙量:知っている言葉や単語の量
  • 知能:物事を理解したり、判断する力
  • 学力:主に学校の教育で習得する能力
  • 成績:仕事・学業のできばえの評価内容
  • 読解力:文章を読んで、その内容を理解する能力
  • ボキャブラリー:言葉を知り、活用する能力
  • イディオム:特殊な意味を持つ習慣的な言い回し

「語彙力」と「語彙量」の違い

「語彙量」とは、知っている言葉や単語の量のことです。

「語彙力」と「語彙量」には以下のような違いがあります。

  • 語彙力:言葉を知っていて、なおかつ使いこなせる能力
  • 語彙量:言葉を知っている量のこと

「語彙量」は「語彙力」と違って使いこなせる必要はないのです。

つまり、厳密に言えば「語彙量」には「認知語彙」は含まれていますが、「使用語彙」は含まれてないのです。

「語彙力」と「知能」「学力」の違い

「知能」とは、物事を理解し、判断する力のことです。

「学力」とは、主に学校で習得される知的適用能力のことです。

「語彙力」と「知能」「学力」には以下のような違いがあります。

  • 語彙力:言葉に関する能力のみを指す
  • 知能・学力:さまざまな分野における能力を指す

「知能」「学力」は「語彙力」より幅広い分野の能力を表すのです。

ちなみに、「学力」は学校で習う能力のみに限定されるので、「知能」と「学力」では「知能」のほうが幅広い能力を表します。

「語彙力」の英語訳

「語彙力」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • vocabulary
    (語彙、用語数)

「語彙力」、「語彙」はいずれも英語では “vocabulary” です。

例文は以下の通りです。

例文
”I want to build up my vocabulary.”
(私は語彙力を増強したい。)

まとめ

以上、この記事では「語彙力」について解説しました。

読み方語彙力(ごいりょく)
意味単語や言葉を知っていて、使いこなせる能力
語源「言葉」、「集める」、「能力」という意味の漢字から
類義語語彙量、知能、学力など
英語訳“vocabulary”

「語彙力」は日常会話でもよく使用される単語ですが、言葉を知っているだけでなく、使いこなす力を総称して言うことは知らない人も多いのではないでしょうか。

ぜひこの機会に正しい使い方を覚えましょう。