今回ご紹介する言葉は、熟語の「語弊(ごへい)」です。
言葉の意味・使い方・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「語弊」をざっくり言うと……
読み方 | 語弊(ごへい) |
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意味 | 誤解を招きやすい、適切でない言い方のこと |
英語訳 | be misleading(語弊がある) |
「語弊」の意味をスッキリ理解!
「語弊」の意味を詳しく
「語弊」とは、誤解を招きやすい、適切でない言い方のことです。
「誤解」と混同して「誤弊」と書くのは誤りです。「言葉に弊害がある」という意味で「語」という漢字が使われるため、意味と一緒に覚えましょう。
「語弊」と「誤解」
「語弊」と似た場面で使われる言葉に「誤解」があります。
- 誤解:相手の言動や事実について、間違って認識すること
「誤解」は、事実や、相手の発言・行動の意図を誤って認識することです。
「語弊」は発言についての誤解に関わる言葉ですが、「誤解」は相手の発言だけでなく、行動やもともとの事実についても使うため注意が必要です。
「語弊」は「ある」と表現するのが一般的で、もともとあるかないかの二択で考えられる言葉です。一方、「誤解」は「誤解がある」だけでなく「誤解を招く」と表現されることがあります。
「誤解」は「誤った理解」そのものだけでなく、「誤った理解に導く原因」というニュアンスで使え、「誤解を招く表現」などと言うことができます。
それに対して「語弊」は、言葉が発された時点で「すでに弊害がある」というニュアンスになります。そのため、「語弊を招く」という表現をするのはなるべく避けた方がよいでしょう。
「語弊」の使い方
- こう言っては語弊があるかもしれないが、私は平和が一番だとは思っていない。
- 語弊がある言い方はよしなさい。
上記の例文のように、「語弊」は「語弊がある」という形でよく使われます。
①の例文では、「平和が一番だとは思っていない」ということをあえて言うときに「語弊がある」という言い回しを使っています。
このように「語弊があるかもしれないが」と前置きをすることで、一般的には批判されるようなことを発言する際、必ずしも言葉通りの意味ではないと強調することができます。誤解を招きやすい言葉であることを自覚したうえで、あえてその言い方をしたいときに、この言い回しが有効になります。
②の例文は、「語弊がある言い方」をした本人ではなく、周囲にいる人がたしなめるために言う言葉です。誤解を生みそうな発言に対し、フォローを入れる場合にも使われます。
「語弊」の英語訳
語弊を英語に訳すと、次のような表現になります。
- be misleading
(語弊がある)
「語弊がある」に相当する英語表現に、 “be misleading” があります。
misleadは日本語でも「ミスリード」と呼ばれ、相手に誤解をさせたり相手を騙したりすることを表します。
misleadが指すのが、必ずしも言葉に関係する誤解である必要はありません。
ただし、日本語の「ミスリード」は主に言葉に関係する誤解を指します。言葉遊びや、「普通ならこの言葉はこういう意味だろう」という一般観念などを利用してわざと誤解をさせるときなどに「ミスリード」と呼ばれる傾向があります。
“be misleading” も英語のmisleadと同様、言葉以外で相手を騙す場合に使われることがあります。この場合、本人に誤解させようという意図があったかどうかは関係なく、誤解があったかどうかで判断されます。
“The word is misleading.” という場合は「語弊がある」、言葉に関係する単語が文章に含まれない場合は「誤解を招くような」といった意味で捉えるとよいでしょう。
まとめ
以上、この記事では「語弊」について解説しました。
読み方 | 語弊(ごへい) |
---|---|
意味 | 誤解を招きやすい、適切でない言い方のこと |
英語訳 | be misleading(語弊がある) |
「語弊」は日常生活でよく使われる言葉ですが、「誤解」と使い方を混同しやすく、ややこしい言葉でもあります。意味を誤解せずしっかりと正しく覚えましょう。