「寝る」と「眠る」は、一見するとニュアンスが同じであり、違いを意識せずに使っている人が多いかもしれません。しかし、この 2つはそれぞれ少し違った意味を持っているのです。
今回は「寝る」と「眠る」の違いについて解説します。
結論:「寝る」は横たわること、「眠る」は目を閉じて無意識になること
一方、「眠る」は、目を閉じた状態で無意識の状態になることを指します。
「寝る」をもっと詳しく
「寝る」とは、体を横たえることです。対義語は「起きる」です。横たわっている状態であることに意味の重点があるため、「立ったまま寝る」や「座ったまま寝る」などの表現は不自然であり、また、そもそも睡眠状態にあるとは限りません。
例えば、「寝転がって本を読む」と言う場合、当然その人は睡眠状態にはありません。このように、必ずしも心身の活動は休止しているわけではないというのが「寝る」の特徴です。
一般に想像される英語の表現では “go to bed” や “go to sleep” という言い回しがありますが、これらは睡眠するための前段階として体を横たえるというニュアンスです。単に寝転がるという意味合いを示す英語としては “lie” があります。
「寝る」の使い方の例
- 私は毎日 10時に寝る。
- 具合が悪いなら寝ていなさい。
- 髪の毛が寝ている。
どれも、横たわっている状態に意味の中心があります。
「眠る」をもっと詳しく
「眠る」とは、目を閉じた状態で、心身の活動が休止し、無意識の状態にあることを指します。対義語は「覚める」です。英語では “sleep” と言います。「寝る」と違い、体勢は問わず、目を閉じた状態で意識が無いことに意味の重点があります。
他にも、「眠る」には、活動していないということから派生して、死んでいるという意味もあります。また、人間や動物に限らず、物や能力が活用されていないことに対しても「眠る」を使うことが出来ます。
「眠る」の使い方の例
- 彼は立ったまま眠っていた。
- 人にはそれぞれ何かしらの才能が眠っている。
- 昨年、私の叔父は永遠の眠りについた。
まとめ
以上、この記事では、「寝る」と「眠る」の違いについて解説しました。
- 寝る:体を横たえること
- 眠る:目を閉じた状態で意識が無いこと
睡眠状態にある人がいた時、「寝る」と「眠る」は両方使えることが多いですが、体勢に意味の重点を置きたいのか、それとも意識が無い状態であることに重きを置きたいのかを意識して使い分けてください。