「グローバル化」と「国際化」の違いとは?英語から例まで解説

違いのギモン

「グローバル化」と「国際化」。ニュースや新聞記事などで、頻繁に目にする言葉です。おそらくみなさんは、どちらも「日本が国外との関係が深くなり、より影響を受けるようになる」ということは知っているでしょう。

実際の社会においても、両者が同様のニュアンスで使われる事も頻繁にあります。しかし、厳密に言うと、両者は概念として大きく異なります。

今回は、これからの社会における重要なキーワードになるであろう「グローバル化」と「国際化」の違いについて解説していきます。

結論:「グローバル化」は地球単位で一体化、「国際化」は国単位で交流。

「グローバル化」とは、あらゆるものの移動・変化が国を超えて行われ、世界全体を通じて一体となっていくことをいいます。

一方「国際化」は自分の国が、他国と活発に交流し、深い関係になっていくことをいいます。

「グローバル化」をもっと詳しく


「グローバル化」とは、人・金・物・文化・経済・知識などが地球規模で一体となり、国という枠組みを超えて移動することをいいます。

「グローバル化」が進むと、国の内外における違いがなくなり、より便利で効率的なことが一つのスタンダードになっていきます。そして、国境はあっても、内側と外側で事実上の違いがなくなっていきます。

「グローバル化」は、「グローバリゼーション」とも言い、英語では “globalization” と書きます。 “globalization”には、 “globe” の「球、地球、地球儀」といったニュアンスが含まれています。そのため、何かしらの国家を中心に考えるのではなく、地球全体を俯瞰しているイメージになります。

 

そのため、日本人が抱く「グローバル化」のイメージと、ブラジル人が抱く「グローバル化」のイメージは同じものになります。

「グローバル化」の代表的な例として、コンピューターの発達に伴う情報革命が挙げられます。私たちは、現在インターネットを利用すれば、国境というものを意識せずに世界各国のサイトを飛び回り、地球の裏側の出来事を瞬時に知ることができます。

「グローバル化」と似た意味の言葉に「ボーダーレス化」があります。英語では “borderless” と書きますが、これは国境( “border” )が事実上なくなり( “less” )、あらゆるものの動きが国を超えて活発化することです。

 

世界全体で「グローバル」に活動している企業を「グローバル企業」と言います。具体的には、Apple、Google、Facebookなどの企業が代表的なグローバル企業です。これらの企業は、日本でも、アメリカでも、フィンランドでも、言語のみを変え、同じサービスを提供しています。

もちろん発展途上国の田舎の地域などには、未だサービスが行き届いていない場合もありますが、これから広がっていく可能性は高いです。

 

昔ながらの小さな会社であれば、現地生産・現地出荷が基本です。しかし、時代が進むにつれ、運搬コストが下がり、情報化が進みました。

その影響で、日本の会社であっても、東南アジアの人件費等が安い場所で製造を行う会社が増えました。そのような企業はグローバル化が進んでいる企業であると位置づけることができます。

「グローバル企業」の例

世界最大のブランディング会社、インターブランドは、グローバルなブランドの価値をランキング化し、「Best Global Brands 2017」として発表しました。上位の結果は次のようなものでした。

  • 1位 Apple
  • 2位 Google
  • 3位 Microsoft
  • 4位 Coca-Cola
  • 5位 Amazon
  • 6位 サムスン
  • 7位 トヨタ
  • 8位 Facebook
  • 20位 ホンダ
  • 39位 日産
  • 52位 Canon
  • 61位 ソニー
  • 75位 Panasonic

「国際化」をもっと詳しく


「国際化」とは、自国と他国の違いを前提としたうえで、活発な交流を行うことです。明確に国境をもつという点において「グローバル化」と異なります。

英語では “internationalization” と書きます。接頭辞の “inter-” は「~の間、~の中で、相互に」という意味、 “national” は「国民の、国家の、国家全体の」という意味を持ちます。このことから、「国際化」は一つ一つの国家の存在を前提として、相互の交流を活発にしていくニュアンスが強いです。

 

「国際化」という時には、自国対他国、の関係性について言います。つまり日本において「国際化」と言う時には、日本とアメリカ、日本と中国のといった関係性について使います。

そのため、日本人が抱く「グローバル化」のイメージと、ブラジル人が抱く「グローバル化」のイメージは異なるものになります。

「グローバル化」に至るためには、それ以前に一つ一つの国家同士の関わりが深い必要があります。そのため、「グローバル化」の前段階として「国際化」は必須です。ある意味では、「国際化」は「グローバル化」へ至るための一過程であるといえます。

 

また、「国際化」はあくまで自分の国を中心として、他国との関係性を深めていくことです。「グローバル化」のような地球全体を均等に見る考え方とは視点が異なります。

「グローバル」な企業と比べた際の「インターナショナル」な企業は、国籍を重要視します。例えば日本の「インターナショナル」な企業がオランダに拠点を置いた場合、従業員はオランダ人だとしても、重要な役職は日本人です。あくまでトップは日本から派遣された人が努めます。

まとめ

以上、この記事では、「グローバル化」と「国際化」の違いについて解説しました。

  • グローバル化:あらゆるものの動き・変化が地球規模で一体化すること
  • 国際化:自国と他国の交流が活発化すること

グローバル企業は、世界各国で展開しているために、資本力もあり、優秀な人材も集まります。そのため、私たちの生活に、既に当たり前のように根付き、大きな影響を与えている場合も多いです。AppleやAmazon、Facebookなどはその最たる例でしょう。

 

「グローバル化」と「国際化」は、日本で普通に暮らしていると、違いを体感することは少ないでしょう。しかし、実際には概念として大きく違います。違いは理解しておきましょう。