「グローバル」と「インターナショナル」の違いとは?意味まで解説

違いのギモン

「グローバル」と「インターナショナル」。どちらもよく耳にする横文字です。なんとなく、どちらの単語にも「国際的」なイメージを持っているのではないでしょうか。

しかし、「グローバル化」という言葉はあっても、「インターナショナル化」という言葉はありません。実はこの2つの言葉には、明確な違いがあります。

今回は現代社会で生きる上で知っておきたい、「グローバル」と「インターナショナル」の違いを解説していきます。

結論:「グローバル」は地球全体。「インターナショナル」は自国と他国。

「グローバル」と「インターナショナル」は、視点が異なります。「グローバル」は地球規模で交流が行われ、地球全体として一体化されることです。一つの国家に主眼を置くことはありません。

一方「インターナショナル」は自分の国を中心として考えたときの、他国との関係性についていいます。

「グローバル」をもっと詳しく

“global” は “globe” の形容詞形です。 “globe” の日本語訳は「球、地球、地球儀」、“global” の日本語訳は「地球規模の、全世界の」となります。

「グローバル」という時には、 “globe” 、すなわち地球全体を1つの存在として捉えているになるため、外から俯瞰しているイメージになります。国家一つ一つの区別はありません。

そのため、日本人が抱く「グローバル」のイメージと、ブラジル人が抱く「グローバル」のイメージは同じものになります。

 

人間の諸活動が国境を越え、地球規模で一体となることを「グローバル化」「グローバリゼーション」といいます。コンピューターの発達に伴う情報革命などは、代表的な「グローバル化」の一例です。

「グローバル」企業とは、国籍を問わず優秀な人材を社員に採用するような企業を指します。例えば、オランダの「グローバル」企業が日本に拠点の1つを置いたとき、トップがアメリカ人であることもあり得ます。

「インターナショナル」をもっと詳しく


“international” を日本語訳すると「国際間の、国際的な」となります。接頭辞の “inter-” は「~の間、~の中で、相互に」という意味、 “national” は「国民の、国家の、国家全体の」という意味を持ちます。

“national” には「国家」というニュアンスが強く含まれるため、 “international” は一つ一つの異なる国の存在を前提とした上で、「相互に」関わっていくという意味になります。つまり「インターナショナル」は、自国を中心として他国と交流を行っている状態のことを指します。

 

「グローバル」を一つの地球という球体だとするならば、「インターナショナル」は平面の世界地図に例えることができます。

平面の世界地図は、常に自国が横長の地図の中心に来るように配置されます。日本が極東と言われたのは、西洋を地図の中心に置いたとき、地球が東の端になるためです。

世界地図のように、自分の国を中心に置き、国家間の境界を保持したうえで、他国との関係性を活発にしていくことが「インターナショナル」です。

 

つまり、日本人が抱く「インターナショナル」のイメージと、ブラジル人が抱く「インターナショナル」のイメージは、中心とする国が違うため、当然異なるものになります。

「インターナショナル」な企業とは、国籍を重要視するような企業を指します。例えば日本の「インターナショナル」な企業がオランダに拠点を置いた場合、従業員はオランダ人だとしても、重要な役職は日本人です。あくまでトップは日本から派遣された人が努めます。

まとめ

以上、この記事では、「グローバル」と「インターナショナル」の違いについて解説しました。

  • グローバル:国は関係なく、地球全体として活発な交流
  • インターナショナル:自国を中心として、他国と活発な交流

歴史をさかのぼると、日本は古来より中国や朝鮮といった周辺地域の国と交流を続けてきました。しかし徐々に西洋の文化、知識が入ってきて、日本が世界規模で見ると極東の小国であることを知ります。

現在では、情報は目まぐるしく世界中を飛び回り、ブラジル人と電話でいつでも話すことができます。TPPなどの、国家間の境界をなくし、貿易の円滑化を図ろうとする構想も実現しました。

 

このように考えると、歴史が進むにつれて、日本を中心とした「インターナショナル」から、世界規模の「グローバル」へと移り変わって来たといえるでしょう。

今後の世界がどうなるかは分かりませんが、これから先も多用されるであろう「グローバル」と「インターナショナル」をしっかり使い分けていきましょう。