今回ご紹介する言葉は、熟語の「議論(ぎろん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「議論」をざっくり言うと……
読み方 | 議論(ぎろん) |
---|---|
意味 | 意見を論じ合うこと |
類義語 | 討議、弁論、討論など |
英語訳 | discussion(議論) |
「議論」の意味をスッキリ理解!
「議論」の意味を詳しく
「議論」は、「議」と「論」という2つの漢字から構成されています。
「議」は、「ぎ」「はかる」と読み、「相談する」「意見」という意味をもちます。「議論」において、「議」は「相談する」という意味で用いられます。この意味で用いられる熟語には、「会議」「閣議」などがあります。
「論」は、「ろん」「あげつらう」と読み、「あげつらう」「考え・見解」という意味をもちます。「議論」において、「論」は「考え・見解」という意味で用いられます。この意味で用いられる熟語には、「論文」「理論」などがあります。
この2つの漢字の意味から、「議論」は考えを相談する・交換するという意味を表します。
「議論」「討論」「論議」の違い
「議論」と似た意味をもつ熟語に、「討論」や「論議」があります。この3つの熟語は、どれも「論じ合うこと」という点で共通していますが、それぞれ使い方が異なります。
「議論」は、ある集団で意見を交わし、その中で1つの結論を出すことを意味します。この場合、特に意見を戦わせるというニュアンスはなく、勝敗はありません。
一方で、「討論」は、異なる意見を持つ者が、それぞれ意見を戦わせることを意味します。この場合、勝敗が生じます。
「論議」は、互いの意見を述べ、解決策を見出すために行われる話し合いを意味します。そのため、勝敗はなく、平和的なニュアンスで用いられます。
まとめると、どの熟語も「意見を述べ合う」という意味で用いられますが、「議論」は「結論を見出すために、論じる」という意味、「論議」は平和的に話し合うというニュアンスをもちます。一方で、「討論」は、意見を戦わせ、決着をつけるという攻撃的なニュアンスが含まれています。
「議論」の使い方
- 新商品の開発のため、毎日議論が行われている。
- 真剣に議論した結果、より良い案が生まれた。
- 議論が行き詰まってきたため、一度休憩をはさむ。
①の例文で、「議論」は、「議論が」という形で用いられ、名詞として使われています。この形で用いられる場合、「議論」は、「議論を行う」などの形で用いられます。
②の例文で、「議論」は、「議論した」という形で用いられ、「議論する」という動詞として使われています。
③の例文で、「議論」は、「議論が行き詰まって」という形で用いられています。「議論が行き詰まる」とは、議論が困難にあたり、それ以上進展しないことを言います。
「議論が行き詰まる」と混同されやすい慣用句に、「議論が煮詰まる」があります。しかし、これらの2つの慣用句は全く別の意味を表しています。「議論が煮詰まる」とは、議論を重ね、結論を出す段階になることです。注意しましょう。
「議論」の類義語
議論には以下のような類義語があります。
- 討議(とうぎ):ある事柄について意見を述べ合うこと
- 弁論(べんろん):論じ合うこと
- 討論(とうろん):ある問題について議論すること
- 論議(ろんぎ):問題の点について、議論を戦わせること
- 論争(ろんそう):互いに言い争うこと
「論議」「論争」は、ただ意見を述べ合ったり論じ合うだけでなく、お互いの意見を戦わせるという意味があります。そのため、「討議」「弁論」より、「討論」「論争」は攻撃的なニュアンスで用いられます。
「議論」の英語訳
議論を英語に訳すと、次のような表現になります。
- discussion
(議論) - argument
(論争) - controversy
(論争)
argumentやcontroversyは、「論争」と訳され、意見を戦わせるという意味をもちます。
まとめ
以上、この記事では「議論」について解説しました。
読み方 | 議論(ぎろん) |
---|---|
意味 | 意見を論じ合うこと |
類義語 | 討議、弁論、討論など |
英語訳 | discussion(議論) |
「議論」は、メディアやビジネスにおいてもよく用いられる言葉です。
「議論」には音が似ている語や意味が似ている語が多く、混同しやすいため、細かいニュアンスまでしっかり理解して正しく使えるようにしましょう。