「起こす」と「興す」の違いとは?意味から使い分けまで解説

違いのギモン

漢字の使い方は大切ですが、同じ読み方で違う漢字が複数あると、迷ってしまいますよね。

起こすと興すも、それぞれどのように使うのか気になったことは、ありませんか。この記事では、「起こす」と「興す」の違いについて解説します。

結論:事業を「おこす」では、両方使える

「起こす」と「興す」は、会社や事業を始めるという意味では共通しています。

そのため、事業を「おこす」の場合、「起こす」と「興す」の両方を使うことができます。

「起こす」は、倒れているものを立てること、ものごとを発生させることです。

一方で、「興す」は、再び盛り上げることです。

「起こす」をもっと詳しく


「起こす」は、倒れているものを立てること、ものごとを発生させることです。そのほかにも、寝ている人の目を覚まさせる意味があります。「起こす」は、「起きる」という自動詞の形に変えることができます。

自動詞とは、「を」の前にある目的語を、必要としない言葉のことです。「行く」「住む」「消える」なども自動詞です。

 

また、起こすは、人がものごとを発生させる意味もあります。例えば、「火を消し忘れて、火事を起こす」と使うことができます。

例を挙げると、「倒れたペットボトルを起こす」という文の場合には、横になっているペットボトルを立たせることです。ちなみに、起こすは、送り仮名を省略しても良い言葉なので、「起す」と書いても問題ありません。

熟語では、起床、起源、起業などがあります。起源は、あるものが始まったことを表す熟語です。また、起業は、自ら新しい事業を始めることです。起床、起源、起業のいずれも、一番最初に書いた意味に当てはまります。

「起こす」の使い方の例

  • 朝に子供を起こすのは、大変だ。
  • 事件を起こした犯人が捕まった。
  • 新しい会社を起こす。

「興す」をもっと詳しく


「興す」は、再び盛り上げることです。「興す」の場合は、自動詞に変えることはできません。

会社や事業を始めるという意味で使う場合、起こすと興すの両方を使うことができます。また、再び盛り上げるという意味では、起こすを使うことはできません。

送り仮名は、興すの場合、「興す」とだけ書くことができます。「興こす」と書くことはできないので、注意しましょう。

 

熟語では、新興、興業、復興などがあります。新興とは、新しくできた組織のことです。興業は、新しく事業を始めることです。

復興は、衰退してしまったものを、再び盛り上げること、もとの活気のある状態にすることです。

「興す」の使い方の例

  • 新たな事業を興す。
  • 衰退した村を興す。

まとめ

以上、この記事では、「起こす」と「興す」の違いについて解説しました。

  • 起こす:倒れているものを立てること、ものごとを発生させること
  • 興す:再び盛り上げること

「起こす」と「興す」は、会社を作るという意味では、どちらも使えることが分かりましたね。これを意識することで、もう迷うことはありません。