「言質(げんち)」とは?意味や使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「言質(げんち)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「言質」の意味をスッキリ理解!

言質(げんち)後の証拠となる言葉

「言質」の意味を詳しく

「言質(げんち)」とは、「後の証拠となる言葉」を意味します。

言質には、「言」と「質」で構成されています。

それぞれの漢字の意味は以下のとおりです。

「言質」の漢字の意味
  • :「言葉・言う」
  • :「それに釣り合うだけの金や物」

ちなみに、「質」について分解すると、「斦」は、「左右が釣り合うこと」を意味し、その下の「貝」は、「お金など価値のあるもの」を表しています。

要するに、「言質」とは、「保障として相手に預けておく言葉、証拠となる言葉」という意味なのです。

「言質」の読み方

「言質」の読み方は以下のとおりです。

正しい読み方げんち
慣用読み※げんしち
げんしつ
誤った読み方ことじち
ことしち

ちなみに、慣用読みとは、本来は間違いであるものの、一般的に広く浸透・定着したためにあながち間違いと言えなくなってしまった読み方のことです。

「言質」の使い方

  1. 弁護士は、言質を取られないように弁護しなくてはならない。
  2. 政治家が苛立ちを隠せず、言質を与える発言をしてしまった。
  3. 言質を残しておくため、ボイスレコーダーを使う。

上記の例のように、「言質」はビジネスや政治の場面で使われることが多いです。

主に、「言質を取る」「言質を与える」といった表現で使われます。

「言質を取る」とは、「相手から証拠となる言葉を引き出す」という意味です。

反対に「言質を与える」とは、「相手に証拠となる言葉を与えること」を言います。

 

そのほかにも、「言質」は以下のような言い回しで用いられることがあります。

「言質」のよくある言い回し
  • 言質を得る
  • 言質を引き出す
  • 言質を残さない
  • 言質を取り付ける
「言質をいただく」は誤り

「言質を取る」を敬語にしようとして「言質をいただく」と表現するのは誤りです。

「言質を取る」は慣用句としても用いる表現であり、慣用句は別の言葉に変換すると意味が通じなくなってしまうからです。

目上の人に使う時でも「言質を取る」で問題ありません。

「言質(げんち)」となぜ読むのか?

なぜ、言質は「げんしち」や「げんしつ」とは読まず、「げんち」と読むのでしょうか?その理由を歴史と共に解説します。

 

「質」という字は、表す意味によって読み方が異なります。

「うまれながらに持っている性格や才能を表す場合」は、「しつ」と読みます。

「そのものの重さや価値にバランスが取れている、それだけの価値がある」という意味で使う場合は、「ち」と読みます。

「言質」とは、証拠となる価値のある言葉であるため「げんち」という読み方になるのです。

 

しかし現在では、「人質」は「ひとち」ではなく「ひとじち」と読みます。

「人質」とは、「交渉を有利にするために、担保として身柄を拘束されている価値のある人のこと」です。

「価値のある人」ということは、「ち」と読むべきだと思いませんか?

 

実際、古くは「人質」のことを「じんち」と読んでいました。

秦の始皇帝時代(紀元前221年頃)、相手の人質として自分の子どもを差し出すことを中国の歴史書である「史記」では「質子(ちし)」と表記されています。

それがいつしか、「人質」を「ち」と読むべき読み方が「しち」に代わったのです。

そしてそれが慣例的な読み方となり広く浸透していきました。

「言質」の類義語

言質には以下のような類義語があります。

  • 証言(しょうげん):事実を証明すること
  • 確言(かくげん):はっきり言い切ること
  • 確約(かくやく):必ず実行するという約束をすること
  • 供述(きょうじゅつ):取り調べに対して事実を述べること
  • 陳述(ちんじゅつ):意見や考えを述べること
  • 言葉質(ことばじち):のちの証拠となる言葉

「言葉質(ことばじち)」とは、「のちの証拠となる言葉」という意味です。言質(げんち)と同じ意味になります。

この言葉質は、「ことばじち」と読むため、同じ意味を持つ「言質」を「ことじち」と誤読してしまう人が多いです。注意しましょう。

「言質」の英語訳

言質を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • promise
    (誓約、約束、契約)
  • get a one’s pledge
    (言質を得る)
  • contract
    (契約、請負、契約書)
例文
I promised you that I won’t cry anymore.
(私はもうこれ以上泣かないと約束した)

He got a person’s pledge from politician.
(彼は政治家から言質を得た)

I draw up a contract.
(私は契約書に署名をする)

欧米は書類で契約をするため、「言質」という概念がありません。

口約束でも、書類で契約をしていないと意味をなさないです。

まとめ

以上、この記事では「言質」について解説しました。

読み方言質(げんち)
意味後の証拠となる言葉
類義語証言、確言、確約、供述など
英語訳promise(誓約)、get one’s pledge(言質を得る)、contract(契約)

「言質」は、言葉を人質にとるようなものだと覚えておくと良いでしょう。

「言質を取る」などのよく使われる表現も、あわせて覚えてみてください。