「源泉徴収」と「確定申告」の違いとは?わかりやすく解説

違いのギモン

皆さんは「源泉徴収」と「確定申告」の違いは知っていますか。仕事をしている人は年末になると、税金に関する様々な申告を行うと思います。

この記事では、知っておくべき「源泉徴収」と「確定申告」の違いについて解説します。

結論:「源泉徴収」は会社が行い、「確定申告」は個人が行う

「源泉徴収」は、会社が給料から事前に税金を差し引くことを言います。

「確定申告」は、個人の1年間の所得を計算し、納税額を申告する手続きのことです。

「源泉徴収」をもっと詳しく

「源泉徴収」とは個人に代わって、会社が給料から税金を差し引いて納税する仕組みのことです。現在の日本の納税方法は、個人で計算して納税額を申告する「申告納税方式」です。しかし、以下の理由から「源泉徴収制度」が導入されました。

  1. 税務署職員の負担軽減
  2. 払い過ぎ・不足の防止
  3. 未納の防止

日本で源泉徴収制度が始まったのは、1940年(昭和15年)4月1日です。第二次世界大戦中、戦費を効率的に集める目的で行っていたナチス・ドイツに習い、各国が導入しました。

源泉徴収の制度について、国税庁は以下のように説明しています。

  1. 給与や報酬などの所得を支払うものが
  2. その所得を支払う際に、所定の方法で所得税額を計算し
  3. 支払い金額から所得税額を差し引いて、国に納税する

ただし、この場合の税金は正確な金額ではないため、「年末調整」で再度計算します。

「確定申告」をもっと詳しく

「確定申告」とは、個人で1年間の所得を計算し、税務署に納税額を申告する手続きのことです。年収が2000万円以下、もしくは収入源が1箇所の会社員は、会社が年末調整を行うため確定申告をする必要はありません。

しかし、年収が2000万円以上の会社員やフリーランス・副業を行なっている人は、個人で1年間の納税額を申告しなければいけません。

また確定申告をする必要がない人でも、確定申告を行うことにより税金の一部が戻ってくる場合があります。例は以下の通りです。

住宅ローン減税(1年目)

「住宅借入金等特別控除」という制度で、ローンを利用して自宅の新築・購入、増改築などを行った場合に受けることができます。ただし、2年目以降は年末調整で行います。

医療費の控除

自分または同一生計の配偶者、もしくは親族の年間医療費が10万円を超えた場合は、医療費控除を受けることができます。医療機関が発行したレシートと、給与所得者の場合は「源泉徴収票」が必要です。また所得によっては、10万円に満たない場合でも控除の対象になる場合があります。

災害や盗難、寄付による控除

災害や盗難にあった場合は「雑損(ざっそん)控除」、特定の団体に寄附をした際には「寄附金控除」を受けることができます。しかし、いくつかの条件を満たす必要があるため、受けたい場合は税務署に確認しましょう。

退職後年末までに再就職していない人

年の途中で退職後、年末までに再就職をしていない人は確定申告が必要です。多くの場合、税金が戻ってきます。

退職後の確定申告

退職金を受け取る際に「退職所得(退職金)の受給に関する申告書」を提出していない人は、税金が戻ってきます。

まとめ

以上、この記事では、「源泉徴収」と「確定申告」の違いについて解説しました。

  • 源泉徴収:会社が給料から事前に税金を差し引くこと
  • 確定申告:個人の1年間の所得を計算し、納税額を申告する手続きのこと

「源泉徴収」と「確定申告」の違いは、いかがだったでしょうか。申告漏れが起きないよう、事前に適用する控除などを確認しておきましょう。