「迎合」の意味とは?読み方は?使い方から対義語や類義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「迎合(げいごう)」です。

言葉の意味・「追従」がつく言葉・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「迎合」をざっくり言うと……

読み方迎合(げいごう)
意味相手の気に入るように自分の意見や態度を合わせること
類義語追従、同調など
対義語批判、反抗、反骨など
英語訳assentation(迎合)など

「迎合」の意味をスッキリ理解!

迎合(げいごう):相手の気に入るように自分の意見や態度を合わせること

「迎合」の意味を詳しく


「迎合(げいごう)」とは、相手の気に入るように自分の意見や態度を合わせることを意味する熟語です。

自分の意見を曲げてでも、相手のごきげん取りをすることを言います。

「迎合(あど)」の意味

「迎合(あど)」とは、狂言において、主役に対するわき役のことを指します。

また、「あいづち」という意味もあります。

「迎合」がつく言葉

「迎合」がつく言葉には以下のようなものが挙げられます。

  • 迎合主義(げいごうしゅぎ)
  • 阿附迎合(あふげいごう)
  • 迎合(あど)を打つ
  • 迎合的

それぞれの言葉の意味について詳しく見ていきましょう。

迎合主義(げいごうしゅぎ)

「迎合主義」とは、「相手の意見に合わせようとする考え方」のことです。

特に「大衆迎合主義」と言った場合には、「大衆に調子を合わせて、気に入られようとする政治のやり方」のことを指します。

「大衆」とは、「多くの人々」という意味です。

「大衆迎合主義」は英語では “Populism(ポピュリズム)” と言います。

阿附迎合(あふげいごう)

「阿附迎合(あふげいごう)」とは、「相手に気に入られようとして、機嫌を取ること」という意味の四字熟語です。

「阿付迎合」を構成する2つの熟語にはそれぞれ以下のような意味があります。

「阿附迎合」を構成する熟語の意味
  • 阿附:相手に気に入られようとご機嫌を取ること
  • 迎合:相手の言うことを何でも聞くこと

迎合(あど)を打つ

「迎合(あど)を打つ」とは人の調子に合わせることです。

ここで言う「迎合」は狂言用語で「あいづち」のことを表します。

迎合的

「迎合的」とは、相手が気にいるように自分の意見を変えるような性質のことを表します。

「迎合」に「その性質がある」などの意味がある「的」をつけた言葉です。

「迎合」の使い方

  1. 彼は上司に迎合して気に入られることに必死だ。
  2. 政府が一般市民の意見に迎合しようと努める。
  3. 大衆迎合主義は国内の混乱を招く恐れがある。

上記の例文のように、「迎合」は「迎合する」という形で用いられることが多いです。

❶の例文では「相手の機嫌を取る」という意味で「迎合」が使われています。

❷の例文では、「相手の意見に合わせる」という意味で「迎合」が使われています。

そして❸の例文では、「大衆迎合主義」という言葉の中で「迎合」が使われています。

「迎合」の類義語

「迎合」には以下のような類義語があります。

  • 追従(ついしょう):自分の意見と異なっても、相手の気に入るように調子を合わせること
  • 同調(どうちょう):相手と調子を合わせること
  • 協調(きょうちょう):互いに協力すること
  • 共感(きょうかん):他人の考えや感情にそのとおりだと感じること
  • へつらう:人に気に入られるようにふるまうこと
  • ゴマをする:目上の人に気に入られようとこびへつらうこと
  • 歓心(かんしん)を買う:人に気に入られるように行動すること
  • 色目(いろめ)を使う:異性の気を引くようなそぶりをすること
  • お先棒を担ぐ(おさきぼうをかつぐ):人の手先になって軽はずみに振る舞うこと
  • おべっかする:上の者のごきげんを取ること
  • しっぽをふる:目上の人に気に入られるようにふるまうこと
  • 太鼓(たいこ)持ちをする:人にこびへつらって気に入られようとすること
  • 顔色(かおいろ)をうかがう:相手の機嫌をうかがうこと

「迎合」と「協調」の違い

「協調」とは、「お互いに協力し合うこと」を意味する熟語です。

「迎合」と「協調」には以下のような違いがあります。

  • 迎合:自分が納得してなくても相手に合わせる
  • 協調:自分が納得して相手に協力する

「迎合」が表面上だけ相手と一致しているのに対して、「協調」では心から相手と一致しているのです。

「迎合」と「共感」の違い

「共感」は「他人の考えや感情にそのとおりだと感じること」という意味です。

「迎合」と「共感」には以下のような違いがあります。

  • 迎合:相手と同じように感じなくても、相手に合わせて振る舞う
  • 共感:他人の考えや感情をまるで自分が体験したかのように感じる

「迎合」は表面上だけ同じように感じているように振る舞う、という意味なので、本当に相手と同じように感じる「共感」とは意味が異なるのです。

「迎合」と「同調」の違い

「同調」とは、「ほかのものに調子を合わせる」という意味です。

「迎合」と「同調」には以下のような違いがあります。

  • 迎合:納得せずとも自分の意見を変えて相手に合わせる
  • 同調:納得して自分の意見を相手に合わせる

「迎合」と「同調」では、自分の意見を相手に合わせる点は同じですが、納得しているかどうかが異なるのです。

「迎合」の対義語

「迎合」には以下のような対義語があります。

  • 批判(ひはん):物事の間違いを指摘(してき)し、否定的に評価すること
  • 反抗(はんこう):さからうこと
  • 反骨(はんこつ):簡単に従わないこと
  • 排斥(はいせき):受け入れられないとして、押しのけ、しりぞけること

「迎合」の英語訳

「迎合」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • cater to~
    (〜に迎合する)
  • pander to~
    (〜に迎合する)
  • assentation
    (迎合)
  • go along with
    (賛成する)
  • flatter
    (お世辞を言う)

まとめ

以上、この記事では「迎合」について解説しました。

読み方迎合(げいごう)
意味相手の気に入るように自分の意見や態度を合わせること
類義語追従、同調など
対義語批判、反抗、反骨など
英語訳assentation(迎合)など

気に入られるために、自分の意志を貫(つら)ぬかずに、相手の意見に合わせる、というのは時には必要なことかもしれません。

しかし、その「迎合」をずっと続けていると、自分自身を見失ってしまうのではないでしょうか。自分がなくなっていく感覚にそのうち気付くかもしれません。

時には「迎合」してもよいかもしれませんが、ここぞという場面のみにしておいた方がよいでしょう。