今回ご紹介する言葉は、熟語の「下馬評(げばひょう)」です。「下馬評をくつがえす」などのフレーズを聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。
以下では、「下馬評」の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「下馬評」をざっくり言うと……
読み方 | 下馬評(げばひょう) |
---|---|
意味 | 直接関係のない第三者がするうわさ |
語源 | 江戸時代、下馬先で従者たちがうわさ話をしていたことに由来する。 |
類義語 | 評判、うわさ、予想など |
対義語 | 結果 |
英語訳 | rumor(うわさ) |
「下馬評」の意味をスッキリ理解!
「下馬評」の意味を詳しく
「下馬評」とは、第三者が根拠なく言ううわさや評判のことを指します。うわさや評判の中でも、「下馬評」とは、根拠のあるものではなく、面白半分でするものという意味合いが強くあります。
「下馬評」の使い方
- 今夜のサッカーの試合は、下馬評では日本が勝利すると言われている。
- 下馬評は、でたらめなことが多いから、気にしない方が良い。
- 落選確実と言われていた候補者が、下馬評を覆して当選した。
①の例文で、「下馬評」は、「前評判」に近い意味で用いられており、「予想」や、「事前の評判」という意味で用いられています。この意味では、スポーツ等の場面でよく用いられます。
②の例文で、「下馬評」は、第三者が面白半分でするうわさや評判という意味で、用いられています。この意味の「下馬評」は、否定的な文章で用いられることが多いです。
③の例文で、「下馬評」は、「下馬評を覆す」という形で用いられています。「下馬評」は、「根拠のないうわさや評判」という意味があるため、「下馬評を覆す」という形で用いられることも多くあります。
「下馬評」の語源
「下馬評」の語源は、江戸時代に由来します。
「下馬評」の「下馬」とは、当時「馬から降りること」を指しました。そして、「お城等の前で、馬から降りる場所」を「下馬先(げばさき)」と呼びます。江戸時代には、その「下馬先」で主人に付き従う従者たちが、主人を待つのが日常でした。
その待ち時間に、従者たちの間で、主人や城内のうわさ話をしていたことが、現代の「下馬評」の由来になったと言われています。
「下馬評」の類義語
下馬評には以下のような類義語があります。
- 評判(ひょうばん):世間の評価
- うわさ:世間で言われている話
- 予想(よそう):これから起こることについて予測すること
- 世評(せひょう):世の中の評判
- 外聞(がいぶん):世間の評判
- 前評判(まえひょうばん):あることが起こる前にする予想
前評判
「下馬評」と似た熟語に、「前評判」があります。「下馬評」と「前評判」は、どちらも「第三者がするうわさや評判」という点で、似ています。
しかし、「前評判」は、「ある物事が始まる前に流れてくるうわさや評判」という意味であるのに対し、「下馬評」は、「第三者が面白半分でするうわさや評判」という意味をもちます。
そのため、「前評判」より、「下馬評」の方が、悪いイメージを伴います。
「下馬評」の対義語
下馬評には以下のような対義語があります。
- 結果(けっか):ある物事を行った後に生じた現象
「結果」は、「下馬評」の「予想」や「事前の評判」という意味に対する対義語となっています。
「下馬評」の英語訳
下馬評を英語に訳すと、次のような表現になります。
- rumor
(うわさ) - scuttlebutt
(伝聞) - irresponsible criticism
(下馬評)
まとめ
以上、この記事では「下馬評」について解説しました。
読み方 | 下馬評(げばひょう) |
---|---|
意味 | 直接関係のない第三者がするうわさ |
語源 | 江戸時代、下馬先で従者たちがうわさ話をしていたことに由来する。 |
類義語 | 評判、うわさ、予想など |
対義語 | 結果 |
英語訳 | rumor(うわさ) |
何事にも、予想を立て、結果を想像することは、楽しいことです。
しかし、あまりにも根拠のない予想やうわさは、他者を不快にさせることにもつながるため、気をつけましょう。