今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「外柔内剛(がいじゅうないこう)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「外柔内剛」をざっくり言うと……
読み方 | 外柔内剛(がいじゅうないごう) |
---|---|
意味 | 外見は穏やかで大人しそうに見えても、中身はしっかりしていて強い意志があるということ |
由来 | 『晋書』の一節、「卓は、外柔らかく、内剛く、政を為すに簡恵なり。」から |
類義語 | 内剛外柔 |
対義語 | 内柔外剛 |
英語訳 | Gentle on the outside,but tough on the inside.(見た目は優しそうで穏やかだが、精神は強い人) |
このページの目次
「外柔内剛」の意味をスッキリ理解!
「外柔内剛」の意味を詳しく
「外柔内剛」とは、見た目は穏やかそうに見えても、中身はしっかり自分の軸があるということです。
「外柔内剛」は、良い意味で使われることが多い言葉です。相手が外見の印象とは異なって、芯の通った行動をし、その人にギャップを感じた場合に使用します。
物腰は柔らかいけれど、行動には芯が通っているということなので、仕事においても重宝される人物です。
「柔(じゅう)」は、「優しいこと」「穏やかなこと」などを意味します。「剛」は、「芯がしっかりしていること」「固いこと」を意味します。
これらの言葉の意味から、外は「柔」らかく、内は「剛」と書く、「外柔内剛」の意味が成立します。
「外柔内剛」の使い方
- A子さんは優しくて穏やかに見えるが、芯は強い。外柔内剛な人物だ。
- 外柔内剛な人柄に惹かれて、彼との結婚を決めた。
- 新しい上司は、外柔内剛という言葉がぴったりの、素晴らしい方だ。
- 普段は大人しい父が、ある時、痴漢(ちかん)した者を捕まえた。その勇敢な行動で、父は外柔内剛だということが分かった。
「外柔内剛」の由来
「外柔内剛」の由来は、『晋書(しんじょ)』の一節です。
『晋書』とは、中国の唐時代(618年–907年)に、太宗(たいそう)の命令によって書かれた晋時代(265年–420年)の正史です。
この『晋書』の中の「甘卓伝(かんたくでん)」に、由来となった文があります。
原文は、「卓は、外柔らかく、内剛(つよ)く、政を為すに簡恵(かんけい)なり。」というものです。
これ現代語訳にすると、「卓(人物の名前)は、外見は穏やかだが内心は強く、政治ははっきりしていて慈悲(じひ)深い。」になります。卓とは、甘卓(かんたく)のことで、中国の晋時代の官僚(かんりょう)・軍人であった人物です。生年は不明ですが、322年に亡くなりました。
この文が「外柔内剛」の由来となりました。
「外柔内剛」の類義語
「外柔内剛」には以下のような類義語があります。
- 内剛外柔:見た目は穏やかそうに見えても、中身は芯が通っていてしっかりしていること
「外柔内剛」の対義語
「外柔内剛」には以下のような対義語があります。
- 内柔外剛:内面は気が弱いのに、見た目は強く見えること
「外柔内剛」の英語訳
「外柔内剛」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- A man who is gentle and mild in appearance,but tough in spirit.
(見た目は優しそうで穏やかだが、精神は強い人) - Gentle on the outside,but tough on the inside.
(外見は穏やかだが、内面は強い) - Being gentle in appearance,but study in spirit.
(見た目は優しそうだが、中身はしっかりしている)
まとめ
以上、この記事では「外柔内剛」について解説しました。
読み方 | 外柔内剛(がいじゅうないごう) |
---|---|
意味 | 外見は穏やかで大人しそうに見えても、中身はしっかりしていて強い意志があるということ |
由来 | 『晋書』の一節、「卓は、外柔らかく、内剛く、政を為すに簡恵なり。」から |
類義語 | 内剛外柔 |
対義語 | 内柔外剛 |
英語訳 | Gentle on the outside,but tough on the inside.(見た目は優しそうで穏やかだが、精神は強い人) |
外柔内剛な人物は、どの環境においても慕われる存在でしょう。
「内柔外剛」ではなく、「外柔内剛」な人物になれるように努力しましょう。