風貌、風格、風体、風采の違いを例文と一緒に解説!意味や類義語は?

違いのギモン

風貌、風格、風体、風采は「人の見た目から何を感じ取るか」が異なります。

どれも風という漢字が入っていて、人の見た目について使う単語です。

しかし、意味が異なるので混同しませんか。

今回はこれらの単語の意味や使い方、違いなどをわかりやすく解説します。

「風貌」「風格」「風体」「風采」の違い

風貌、風格、風体、風采には以下のような違いがあります。

何を感じるか
風貌人の見た目、またはその人の様子
風格①人の見た目から感じる品格や人格
②詩や文章などの味わい
風体身分や職業などを類推させるような人の見た目
風采容姿や服装などの人の見かけや様子

どの単語も、人の見た目について言及した言葉ですが、どの視点で人の見た目を見るか、もしくは人の見た目から何を感じ取るかが異なります。

それでは、それぞれの単語を詳しくみてみましょう。

「風貌」の意味

 風貌(ふうぼう、風丰)とは、人の見た目、またはその人の様子のことです。

ここで言う人の見た目は以下の要素から成り立っています。

  • 顔立ち
    顔のかたち
  • 体つき
    体のかたち
  • 服装
    着用している衣類
  • 態度
    考えが言葉や表情などに現れること

これらの要素を総合した人の見た目のことを風貌と言います。

たとえば、体が大きくて筋肉質な人がいたとします。

この人物について「強そうな風貌」と表現できます。

また、風貌は以下の言葉から成り立っています。

  • :姿や形
  • :姿や様子

「風貌」の使い方

風貌は以下のような例文で使用します。

  1. 彼の風貌はお父さんそっくりだ。
  2. 小柄な風貌なので気付かれない。
  3. まるで映画の主人公のような風貌だ。

また、以下のようなフレーズも使用します。

  • 風貌がある
  • 風貌をする
  • 風貌を備える
  • 風貌を持つ
  • 風貌がよい

「風貌」の類義語

風貌の類義語には、以下のような単語があります。

  • 外見
    見た目
  • 容貌
    顔の様子
  • 見かけ
    見た感じ
  • 見た目
    見た様子
  • 格好
    姿や形
  • 面子(めんつ)
    面目
  • 姿
    体つきや服装に特化した見た目
  • 身なり
    体つきや服装に特化した見た目

風貌は人の見た目全般についてですが、体つきや服装に特化した見た目は姿(すがた)、身なりと言います。

また、風貌は姿かたちなのに対して、容貌とは顔かたちを指します。

「風格」の意味

風格(ふうかく)にはふたつの意味があります。

  1. 人の見た目から感じる品格や人格
  2. 詩や文章などの味わい

特に人の容姿や態度などの見た目から感じられる品格を風格と言います。

たとえば、スーツをびっしり着こなして落ち着いたトーンで喋っているおじいさんがいたとします。

このような人物には、仕事ができそうな雰囲気や品格を感じられるので「風格がある」と表現できます。

 

一方、詩や文章の場合、文章の趣(おもむき)や味わいについて風格と言います。

たとえば、一般人がなかなか思いつかないような言い回しを使っていたり、昔の文学のフレーズを引用して文章に取り入れたとします。

このような文章には、他とは違う独特の雰囲気や味があるので、「風格のある文章」に該当します。

「風格」の使い方

風格は以下のような例文で使用します。

  1. 歳を重ねて風格が出てきた。
  2. 風格があってオーラを感じる。
  3. 独特の言い回しで文章に風格を感じる。

また、以下のようなフレーズも使用します。

  • ◯◯(王者、大人など)の風格
  • 風格がある
  • 風格が備わる
  • 風格が出る

「風格」の類義語

風格の類義語には、以下のような単語があります。

  • 威圧感
    圧迫される感覚
  • 威厳
    堂々としている様子
  • 貫禄
    体から感じる重み
  • すごみ
    すごい様子

風格と貫禄は意味合いが違います。

風格は人の様子や態度に現れる品格ですが、貫禄は体つきや態度から感じるオーラや威厳のことです。

「風体」の意味

風体(ふうたい、ふうてい)とは、身分や職業などを類推させるような人の見た目のことです。

特に、その人の身分や職業が大まかに想像できるような服装や振る舞いのことを言います。

たとえば、制服を着た坊主の男子高校生がいたら、多くの人が「野球部だな」と類推しますね。

その他にも、「頭がよさそうだな」「育ちがよさそうだな」と類推させるような見た目が風体です。

風体には「和歌の表現様式」「役柄や芸風をさす脳楽用語」という意味もありますが、ほぼ使用しません。

「風体」の使い方

風体は以下のような例文で使用します。

  1. 会社員のような風体をした人がいる。
  2. あの風体からはお金持ちだと想像できない。
  3. スラム街には怪しい風体をした人物がいる。

また、以下のようなフレーズも使用します。

  • ◯◯な風体
  • 風体がよい
  • 風体が悪い
  • 怪しい風体
  • 異様な風体

「風体」の類義語

風体の類義語には、以下のような単語があります。

  • 風姿(ふうし)
    姿、なりふり
  • うわべ
    表面
  • 身なり
    服装やファッション
  • 外見
    外から見た様子、うわべ
  • 面構え
    顔つき

「風采」の意味

風采とは、容姿や服装などの人の見かけや様子です。

特に外部から見た容姿や服装、態度といった見た目に加えて全体的な印象を指します。

たとえば、顔立ちが整っている様子や、ふてぶてしい態度も風采の一部になります。

また、風采は以下のように成り立っています。

  • :姿を表す
  • :彩り

これらを合わせて、人の容姿や姿の彩りについての印象という意味合いになります。

「風采」の使い方

風采は以下のような例文で使用します。

  1. パッとせずに風采も上がらない。
  2. 彼は本当人堂々たる風采をしている。
  3. 見栄えのしない風采でも人生に満足している。

風采は人に見た目に関してネガティブな印象を受けた時に主に使用します。

つまり、ネガティブな意味合いを持った単語です。

しかしながら、「堂々たる風采」のようにポジティブな文で使用することもあります。

男性と女性の両方に対して使用できます。

 

また、以下のようなフレーズもよく使用します。

  • 風采が上がらない
  • 〇〇な風采
  • 風采が優れている

特に「風采が上がらない」というフレーズは「容姿がパッとしない」という意味でよく使用するので覚えておきましょう。

また、「風采が上がらない」は以下のように言い換えることもできます。

  • 野暮ったい
  • みすぼらしい
  • 洗練されない
  • みじめな

ちなみに、似たような表現に「うだつが上がらない」がありますが、こちらは「出征したり金銭に恵まれたりしない」という意味です。

「風采」の類義語

風采の類義語には、以下のような単語があります。

  • 容姿
    顔つきと姿
  • 体形
    体の形
  • 外形
    外側から見える形
  • スタイル
    姿
  • プロポーション
    割合、比例

「風貌」「風格」「風体」「風采」の違いのまとめ

以上、この記事では、風貌、風格、風体、風采の違いについて解説しました。

最後にもう一度、下記の表を確認しましょう。

何を感じるか
風貌人の見た目、またはその人の様子
風格①人の見た目から感じる品格や人格
②詩や文章などの味わい
風体身分や職業などを類推させるような人の見た目
風采容姿や服装などの人の見かけや様子

これらの単語は同じ「風」という漢字が入っていて、とてもややこしい単語です。

しかし、ひとつずつ詳しくみてみると意味が異なっているのも分かりますね。

ぜひ、この記事を参考に意味を整理して覚えてみてください。