「根本的」と「抜本的」の違いとは?ニュアンスが異なる?

違いのギモン

言葉にはトレンドというものがあり、今まで使われていなかった言葉が突然頻繁に使われるようになることがありますよね。

例えば、忖度(そんたく)という言葉は今まで意味を知っている人すらめったにいなかったのが、現在ではすっかり一般的な言葉になりました。

忖度は国会で議員が頻繁に使うようになったことで有名になりました。

 

ほかにも、行政の場で好んで使われるようになったことから世間一般に広まっていった言葉はいくつもあります。

そのうちの 1 つが「抜本的」という言葉でしょう。

この言葉は今でこそよく使われる言葉ですが、昔はあまり使われていなかったようです。

 

ところで、「抜本的」には似たような意味の言葉があります。

それは「根本的」です。

みなさんはこの 2 つの言葉の違いをご存知でしょうか。意外と知らないという人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は「根本的」と「抜本的」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:改めることを前提にしているかどうかが違う

まず、「根本的」は「ものごとが成り立つ基礎的なものである」という意味です。

一方、「抜本的」は「根本に立ち戻ってものごとを正す」という意味です。

つまり、「根本的」と「抜本的」では改めることを前提にしているかどうかが違うのです。

「根本的」をもっと詳しく

根本的は「ものごとが成り立つ基礎的なものである」という意味です。

ちなみに、「根本」は物事を成り立たせているおおもとや基礎になるものという意味です。

そして、「根本」の語源は木の根元です。

木の根元は木を支える一番基礎になっている部分ですから、ものごとが成り立つ基礎的なものであるという意味が生まれました。

「抜本的」をもっと詳しく

抜本的は「根本に立ち戻ってものごとを正す」という意味です。

ちなみに、「抜本」とは根「本」の原因を「抜」き去ることです。

なので、改めるという時にだけ使うことができます。

例えば、「抜本的な改革を行う」などといった使いかたが最も一般的でしょう。

 

逆に、改めるという意味あいがない時には使うことができません。

例えば、「抜本的な誤り」などと使うことはできません。「誤り」に何かを改めるという意味はありませんからね。

 

このように、「抜本的」は「根本的」に比べると使用範囲は狭めですが、改めるという場合には強い意志を表すことができるので好んで使われます。

まとめ

以上、この記事では、「根本的」と「抜本的」の違いについて解説しました。

  • 根本的:「ものごとが成り立つ基礎的なものである」という意味
  • 抜本的:「根本に立ち戻ってものごとを正す」という意味

「抜本的」というとなんだかすごいことをしているイメージがあるので、改革をしたい時によく使われます。

ただ、「根本的」と同じように使えない場面もあるので、混同しないように注意していきたいですね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。