「停滞前線」と「梅雨前線」と「秋雨前線」の違いとは?前線も解説

違いのギモン

皆さんは天気予報は毎日見ていますか。天気予報ではよく「停滞前線」「梅雨前線」「秋雨前線」という言葉が出てきますが、これらは一体何なのでしょうか。

今回は、「停滞前線」「梅雨前線」「秋雨前線」の意味や違いについて解説します。

結論:「梅雨前線」と「秋雨前線」は「停滞前線」の一つで、時期が違う

「停滞前線」は、ほとんど移動しない前線のことです。

「梅雨前線」は、5月から8月にかけてできる、「停滞前線」の一つです。

「秋雨前線」は、8月から10月にかけてできる、「停滞前線」の一つです。

そもそも「前線」とは

南にある暖かい空気と、北にある冷たい空気がぶつかり合う境目が「前線」です。

暖かい空気と冷たい空気の広がり方などによって、寒冷前線、温暖前線、停滞前線、閉塞前線の4つの種類があります。

前線付近は大気の状態が不安定で、雨が降ることが多いです。

「停滞前線」をもっと詳しく

停滞前線は、ほぼ同じ勢力の暖かい空気と冷たい空気がぶつかっている前線です。同じ勢力を持った者同士がぶつかっているため、ほとんど移動しません。そのため、同じ場所がしばらく悪天候になってしまいます。

「梅雨前線」をもっと詳しく

梅雨前線は、5月上旬から8月上旬にかけて、日本で発達する停滞前線です。

暖かい空気の集まりである小笠原気団と、冷たい空気の集まりであるオホーツク気団がぶつかり合ってできています。

スピードは遅いですが徐々に北へ進んでいき、8月上旬に東北北部や北海道南部などで消滅します。このように梅雨前線は北上する停滞前線です。

比較的穏やかな雨が長い期間降ることが特徴です。また、初めより終わりの時期の方が活発です。

「秋雨前線」をもっと詳しく

秋雨前線は、8月下旬から10月下旬にかけて、日本で発達する停滞前線です。

暖かい空気の集まりである小笠原気団と、冷たい空気の集まりであるシベリア気団がぶつかり合ってできています。

梅雨前線とは逆で、秋雨前線は南下していきます。そして10月の下旬ごろ、日本の南東沖で消滅します。また、梅雨前線とは逆で初めの方が活発です。

それから、梅雨前線よりも秋雨前線のほうが雨量が少ないです。しかし秋雨前線ができる時期は台風が発生する時期でもあるため、その影響で大雨が降ることもあります。注意しましょう。

ところで、梅雨には、「梅雨入り」や「梅雨明け」がありますが、秋雨にはありません。それはなぜかというと、秋雨は梅雨ほどはっきりと現れる現象ではないからです。

まとめ

以上、この記事では、「停滞前線」「梅雨前線」「秋雨前線」の違いについて解説しました。

  • 停滞前線:ほとんど移動をしない前線
  • 梅雨前線:5月から8月にかけてできる、「停滞前線」の一つ
  • 秋雨前線:8月から10月にかけてできる、「停滞前線」の一つ

「停滞前線」「梅雨前線」「秋雨前線」が分かれば、天気予報がより理解できると思います。梅雨の時期など雨が続くと気分が落ち込んでしまいがちですが、無くならない停滞前線はありません。止まない雨はないのです。