故事成語「伐木の契り」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「伐木の契り(ばつぼくのちぎり)」です。

言葉の意味・例文・由来・英語訳について、わかりやすく解説します。

☆「伐木の契り」をざっくり言うと……

読み方伐木の契り(ばつぼくのちぎり)
意味とても深い友情
由来詩経の『伐木」より、鳥が仲間を呼ぶ声を聞いて人も仲間を求めることから
英語訳A strict friendship

「伐木の契り」の意味

伐木の契り(ばつぼくのちぎり)とても親密な友情のこと

「伐木の契り」の意味をさらに詳しく


「伐木の契り」とは、仲間を求めて鳴く鳥のように、人も友人・仲間を求めることから、とても深い友情を指す言葉です。

似た意味を持つものとして、以下のような表現もあります。

  • 断金の契り:金を断ち切るほどの固い友情
  • 金蘭の契り:蘭のように美しく、厚い友情
どちらも、「伐木の契り」と同じく、強い友情を表しています。

「伐木の契り」の例文

「伐木の契り」は、文中では以下のように使われます。

  1. 彼女たちは、昔から伐木の契りで結ばれている。
  2. あの二人は、伐木の契りのような仲の良さだ。

「伐木の契り」の由来

中国の詩集である「詩経」にのっている、『伐木』という題名の詩が由来になっています。

この詩は長いので、由来になっている部分が含まれている第一章のみを、以下で見ていきます。

木を伐ること了了たり

鳴くこと嚶嚶たり

幽谷より出でて

喬木に選る

嚶として其れ鳴き

其の友を求むる聲

彼の鳥を相(み)れば

猶ほ友を求むる聲

矧(いはん)や伊れ人は

友生を求めざらんや

これを現代語訳すると、以下のようになります。

木を切る音が森の中に響き渡っている。こんなにも騒がしい伐木の音の中でおう、おう、と鳥の鳴く声が聞こえてくる。深い谷から高い木へと遷りおう、と鳴いては、友を呼んでいる。

あの鳥たちでさえこうして友を呼びあっているのだ。まして、人ならば友を求めずには生きていけないだろう。

この詩の全体を通してのテーマは、「親戚が集まって楽しく食事することを祝う」です。

その中で、「鳥は仲間を求めて鳴き、それを聴いて人も友人を求める」と書かれている場所があります。現代語訳の「あの鳥たちでさえ」から後ろの部分ですね。

この部分は、鳥の鳴き声から連想されるほどに、人が友人を求める思いは強い、という意味を含んでいます。

ここから、「伐木の契り」はとても親密な友情を指す言葉になりました。

ちなみに、この詩がのっている『詩経』は、中国で最も古い詩集だと言われています。これは儒教(じゅきょう)の経典として、中国で尊重されている『五経』のひとつです。他には『易経』『書経』『礼記(らいき)』『春秋』があります。

「伐木の契り」の英語訳

「伐木の契り」は、英語ではこのように表されます。

  • A strict friendship
    (固い友情)

まとめ

以上、この記事では「伐木の契り」について解説しました。

読み方伐木の契り(ばつぼくのちぎり)
意味とても深い友情
由来詩経の『伐木」より、鳥が仲間を呼ぶ声を聞いて人も仲間を求めることから
英語訳A strict friendship

簡単な表現でも、故事成語を使って表すと、より一層気持ちを伝えることができるのではないでしょうか。ぜひ使ってみてください。