フレームワークとは?ビジネスやIT業界など、分野別の意味を解説!

言葉

フレームワークとは「枠組み」という意味です。

ビジネスやプログラミングなどの分野で目にすることの多い用語です。

仕事の場でよく使われるため、知らなくて焦ってしまった方も多いのではないでしょうか。

この記事では、フレームワークの分野別の意味や、ビジネスにおけるフレームワークの種類、さらにはIT業界でフレームワークを活用することのメリットとデメリットなども説明します。

☆「フレームワーク」をざっくり言うと……

英語表記フレームワーク
語源framework(枠組み)
ビジネスでの例ロジックツリーなど
メリットとデメリット開発工程の大幅な短縮など

「フレームワーク」の意味

フレームワーク

枠組み

例:考え方のフレームワークを学ぶとビジネスの役に立つ。

フレームワークとは、何らかの「枠組み」や「型」という意味です。

主にビジネスやIT業界、岩石学などの分野で使われ、分野ごとにやや違う意味合いを持ちます。

各分野ごとのフレームワークの意味は、以下の通りです。

分野意味
ビジネス問題の解決方法や経営戦略などを考えるときに役に立つ、考え方のコツや枠組みのこと
IT(プログラミング)ある領域のソフトウェアに必要となる機能などがあらかじめ備わっている、ある程度完成されたソフトウェアのこと。
このソフトウェアにさらに手を加えてソフトウェア開発を行う。
岩石学堆積(たいせき)岩に見られる、堅固な構造のこと

いずれも元の意味である「枠組み」と関連はありますが、業界ごとに指しているものがかなり異なるため、業界ごとに分けて覚えるとわかりやすいです。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

意味①:ビジネス分野での意味

ビジネスの分野では、フレームワークは「問題の解決方法や経営戦略などを考えるときに役に立つ、考え方のコツや枠組みのこと」という意味で使われます。

何かしらの問題を解決する、あるいは経営戦略を考えるとき、特定の思考パターンに当てはめて課題と向き合うと新しいアイデアを得られることがあります。これを「フレームワーク」と呼びます。

MBA(経営学の修士課程)などで教えられることも多く、また最近ではビジネスの場でよく使うフレームワークを解説する本も多く売られています。

意味②:IT(プログラミング)分野での意味

IT(プログラミング)の分野では、フレームワークは「ある領域のソフトウェアに必要となる機能などがあらかじめ備わっている、ある程度完成されたソフトウェアのこと」という意味で使われます。

新しくソフトウェアを作るといっても、似たようなソフトウェアや同じ機能を持つソフトウェアは既にある程度存在していることが多いです。

たとえば、家計簿を楽につけられるソフトウェアを作る場合を考えます。多くの家計簿ソフトウェアには共通して以下のような機能がついています。

  • 収入と支出を記録する機能
  • 収入と支出の合計を計算する機能
  • 日ごとや月ごとの収入と支出を見る機能
こういった共通機能がすでにまとまっているソフトウェアがフレームワークです。ソフトウェア開発でフレームワークを使う場合、それを活用しながらさらにオリジナリティを付け加えていきます。

家計簿の例であれば、家計簿をつけるとキャラクターが褒めてくれる機能や、数ヶ月分の収入を一気に入力できる機能などを足していくことで、オリジナリティのあるソフトウェアが完成します。

関連語:「ライブラリ」の意味

IT用語のライブラリも、特定の機能を持つプログラムを再利用しやすい形でまとめて他のプログラムでも使えるようにしたもののことを指します。

ただし、フレームワークは「特定の種類のソフトウェアに関する大枠を用意する」ものであり、たとえば「家計簿ソフトウェアのフレームワーク」や「掲示板ソフトウェアのフレームワーク」という形でまとめられています。

それに対し、ライブラリは「ソフトウェアに再利用できる機能を用意する」というものであり、たとえば「計算機の機能」や「コメント機能」など、パーツごとに用意されています。

意味③:岩石学分野での意味

岩石学の分野では、フレームワークは「堆積(たいせき)岩に見られる、堅固な構造のこと」という意味で使われます。

堆積岩とは、物質が降り積もって固められることで形成される岩のことで、粗い岩が押し固められて作られた礫岩(れきがん)やサンゴの死骸によって作られる珊瑚群落(さんごぐんらく)などがこれに該当します。

「フレームワーク」の使い方


フレームワークの使い方を、業界ごとに分けて例文で紹介します。

分野代表的な例文
ビジネス経営状況を改善するため、フレームワークを活用して問題点の洗い出しを行った。
IT(プログラミング)既存のフレームワークを使うと開発は簡単になるが、オリジナリティを出すのは難しい。
岩石学堆積岩では、複数の物質によってフレームワークが形成されている。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

使い方①:ビジネス分野での使い方

ビジネス分野では、「フレームワークを活用する」「フレームワークにあてはめる」などの表現がよく使われます。

「フレームワークを活用する」「フレームワークにあてはめる」などの表現で、「考え方のコツや枠組みを使って新しいアイデアを得る」という意味を表すことができます。

例文は以下の通りです。

例文
  1. 経営状況を改善するため、フレームワークを活用して問題点の洗い出しを行った。
  2. 営業成績が伸び悩んでいたが、フレームワークに当てはめて戦略を見直したことで、劇的に向上した。

使い方②:IT(プログラミング)分野での使い方

IT(プログラミング)の分野では、「フレームワークを使う」「フレームワークを改変する」などの表現がよく使われます。

「フレームワークを改変する」とは、ソフトウェア開発のベースとなるソフトウェア(フレームワーク)を、開発者が規約に従って一部変化させることです。

例文は以下の通りです。

例文
  1. フレームワークを使ってソフトウェアを開発したことで、チームでの作業の分担がしやすかった。
  2. フレームワークを改変してソフトウェアを開発しようとしたが、規約が厳しく、必要な機能を付け加えられなかった。

使い方③:岩石学分野での使い方

岩石学の分野では、「フレームワークを形成している」「〇〇のフレームワーク」などの表現がよく使われます。

ある岩石に見られる枠に近い構造のことを「〇〇のフレームワーク」と呼び、また岩石にその構造がある状態のことを「フレームワークを形成している」と言います。

例文
  1. 堆積岩では、複数の物質によってフレームワークが形成されている。
  2. この岩に見られるフレームワークは、かなり珍しい。

「フレームワーク」の語源


フレームワークの語源は英語の “framework(枠組み)” です。

英語では、より広く「型」「骨組み」「枠組み」「体制」などの意味合いで使われています。

その中で、IT分野やビジネス分野での使い方が日本にカタカナ語として流入しました。

ビジネスで活用できる「フレームワーク」の例


ビジネスで使えるフレームワークには、以下のようなものがあります。

フレームワークの名前目的やること
ロジックツリー物事に取り組みやすくする問題や課題を要素に分解し、広げていく
MECE物事のもれ抜けやダブりに気がつく顧客の属性などを書き出し、モレやダブりがないかチェックする
3C分析業界における自社の現状を把握する自社/顧客/競合他社の関係性を書き出して分析する
SWOT分析自社の内部と外部における強みと弱みを分析する内部要因の強み/弱み、外部要因の機会/脅威を書き出す
4P分析商品のマーケティング戦略を分析する商品/価格/販促/流通の4つの観点からマーケティング戦略を分析する
STP分析商品やサービスのマーケティング戦略を組み立てる消費者の属性を分析し、どの層をターゲットにするべきか、どういう立ち位置になるべきかを検討する
パーセプションマップ商品やサービスの位置づけを考える2つの軸で十字の図を描き、競合他社と自社を位置付ける
バリューチェーン商品の流通までの全体の流れの中から強みと弱みを把握する商品やサービスを企画から販売まで各段階に分解し分析する
ファイブフォース分析業界全体の分析を行う新規参入業者、供給業者、競合他社、顧客、競合ではない代替品の5つの関係性を分析する
AAARRモデルユーザーの行動から課題と強みを分析するユーザーの行動を5つの段階に分け、強みや課題を分析し改善する
ディシジョンツリー意思決定を行う意思決定に伴う問題や課題を要素に分解し、広げていく

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ここでは、例として、仮想の学習塾について、それぞれのフレームワークを使って分析してみます。

フレームワークの例①:ロジックツリー


ロジックツリーでは、このように問題や課題をより細分化していきます。

上記の例では、「塾のイベントで何をやるか」という問題について、対象をより細分化していくという形で分析して、答えを出しやすくしています。

フレームワークの例②:MECE分析


MECE分析では、物事のもれ抜けやダブりに気がつくことを目的とし、このように顧客の属性などを書き出し、モレやダブりがないかチェックしていきます。

上記の例では、塾の顧客を見返しています。

この図から、「小学生」と「習い事をしている人」にはアプローチできているが、「小学生で習い事をしている人」には過剰アプローチになっていること、「中学生で習い事をしていない人」には全く届いてないことがわかります。

フレームワークの例③:3C分析


3C分析では、業界における自社の現状を把握するため、このように自社/顧客/競合他社の関係性を書き出して分析していきます。

なお、3C分析とは、以下の3つの略です。

  1. 自社(Company)
  2. 顧客(Customer)
  3. 競合他社(Competitor)
上記の例では、3Cを分析することで、競合他社と自社のターゲットの差や顧客の特徴とニーズを把握できました。

フレームワークの例④:SWOT分析


SWOT分析では、自社の内部と外部における強みと弱みを分析するために、このように内部要因の強み/弱み、外部要因の機会/脅威を書き出していきます。

なお、SWOT分析とは、以下の4つの略です。

  1. 内部要因の強み(Strength)
  2. 内部要因の弱み(Weakness)
  3. 外部要因の機会(Opportunity)
  4. 外部要因の脅威(Threats)
上記の例では、SWOTを分析することで、自社の雰囲気が良い代わりに受験実績がやや低いことや、改善の兆しがあること(力のある講師の増加)、夏季講習などのサービスにも需要があることなどがわかりました。

フレームワークの例⑤:4P分析


4P分析では、商品のマーケティング戦略を分析するため、このように商品/価格/販促/流通の4つの観点からマーケティング戦略を分析していきます。

なお、4P分析とは、以下の4つの略です。

  1. 商品(Product)
  2. 価格(Price)
  3. 販促(Promotion)
  4. 流通(Place)
上記の例では、4Pを分析することで、授業形態やプランの選択肢の多さ、安さが魅力であり、満足度も高いことがわかりました。その一方で、支払い方法や受験実績に難点があることもわかりました。

フレームワークの例⑥:STP分析


STP分析では、商品やサービスのマーケティング戦略を組み立てるために、このように消費者の属性を分析し、どの層をターゲットにするべきか、どういう立ち位置になるべきかを検討していきます。

なお、STP分析とは、以下の3つの略です。

  1. セグメント化(Segmentation)
  2. ターゲット選定(Targating)
  3. ポジション取り(Positioning)
上記の例では、消費者を「小学生」「中学生」「高校生以上」に分け、中学生までがターゲットになることを確認しました。その上で、どういう立ち位置を目指すかを明確にしました。

フレームワークの例⑦:パーセプションマップ


パーセプションマップでは、商品やサービスの位置づけを考えるため、このように2つの軸で十字の図を描き、競合他社と自社を位置付けしていきます。

上記の例では、競合他社と自社を「質」と「値段」の2つの軸に基づいて分析しました。

多くの人にとってなじみのあるフレームワークです。

フレームワークの例⑧:バリューチェーン


バリューチェーンでは、商品の流通までの全体の流れの中から強みと弱みを把握するため、このように商品やサービスを企画から販売まで各段階に分解し分析するしていきます。

上記の例では、塾のイベントについて分析した結果、構築や流通に主に改善できる部分があることがわかりました。

フレームワークの例⑨:ファイブフォース分析


ファイブフォース分析では、業界全体の分析を行うため、このように新規参入業者、供給業者、競合他社、顧客、競合ではない代替品の5つの関係性を分析していきます。

上記の例では、ファイブフォース分析を近隣の塾業界について行った結果、顧客以外の要因については厳しい条件が揃っているものの、顧客の多さに商機があることがわかりました。

フレームワークの例⑩:AARRRモデル


AARRRモデルでは、ユーザーの行動から課題と強みを分析するため、このようにユーザーの行動を5つの段階に分け、強みや課題を分析し改善していきます。

なお、AARRRモデルとは、以下の3つの略です。

  1. ユーザー獲得(Acquisition)
  2. 利用開始(Activation)
  3. 継続(Retention)
  4. 紹介(Referral)
  5. 収益の発生(Revenue)
上記の例では、ユーザーの動きを分析した結果、紹介によって増えるユーザーの数が少ないことがわかりました。

このモデルはネット上のサービスやサブスクリプションサービスなどに特にフィットしていますが、もちろんこのように塾などのサービスにも適用できます。

フレームワークの例⑪:ディシジョンツリー


ディシジョンツリーでは、意思決定を行うために、このように意思決定に伴う問題や課題を要素に分解し、広げていきます。

ロジックツリーと似ていますが、こちらは意思決定に特化しています。

上記の例では、「2つのイベント案のうちどちらをやるべきか」という問題について、2つの案の違いなどを分析しています。

プログラミングでフレームワークを利用するメリットとデメリット


フレームワークを利用するメリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット
  1. 開発工程の大幅な短縮
  2. 複数人で一緒に開発しやすい
デメリット
  1. オリジナリティの高いソフトウェアを作るなら逆にやりにくいこともある
  2. 一から作る場合に比べ性能が劣ることが多い
それぞれ、詳しく見ていきましょう。先ほど挙げた家計簿アプリの例で考えます。

フレームワークを利用するメリット

メリット①:開発工程の大幅な短縮

メリットの1つめは、「開発工程の大幅な短縮」です。

すでにあるフレームワークを利用してソフトウェア開発をすれば、開発工程を短縮することができます。

たとえば、新しく家計簿アプリを作るのであれば、収入と支出を記録する機能や収入と支出の合計を計算する機能がすでに開発されていてセットになっていれば、すぐにその他の機能の開発に取りかかれます。

メリット②:複数人で一緒に開発しやすい

メリットの2つめは、「複数人で一緒に開発しやすい」ことです。

フレームワークを使う場合、すでに使う言語や変数の名付け方、ファイルの置き方などが開発者によって設定されていることがほとんどです。

そのため、複数人で開発を行う場合でも、ルールを共有しやすいです。

フレームワークを利用するデメリット

デメリット①:オリジナリティの高いソフトウェアを作るなら逆にやりにくいこともある

デメリットの1つめは、「オリジナリティの高いソフトウェアを作るなら逆にやりにくいこともある」です。

たとえば、金額入力部分がとても大きいデザインの家計簿アプリを作りたい場合、すでにその部分のプログラムが組まれていると、いちいち修正しないといけなくなります。

このように、オリジナリティの高いソフトウェアを作る場合は、フレームワークを使うことがかえって手間になることがあります。

デメリット②:一から作る場合に比べ性能が劣ることが多い

デメリットの2つめは、「一から作る場合に比べ性能が劣ることが多い」です。

たとえば、収入は入力せず支出のみを管理する家計簿アプリを作りたい場合、収入部分の機能や処理は不要になります。

しかし、フレームワークを使って開発する場合、そこを細かく書き換えない限りは不要な機能や処理も一緒に実装されてしまいます。

このように、一から全部自分で作った場合に比べ、アプリに必要な処理や機能のみを実装するということが難しいため、性能を高めるのが難しくなります。

「フレームワーク」のまとめ

以上、この記事ではフレームワークについて解説しました。

英語表記フレームワーク
語源framework(枠組み)
ビジネスでの例ロジックツリーなど
メリットとデメリット開発工程の大幅な短縮など

さまざまな業界で使われている言葉であるため、意味をしっかり押さえておきましょう。

ABOUT US

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日英バイリンガル東大生。 10年間小説を書き続けているため、文章力には自信があります。 いくつかの小説投稿サイトで掲載/連載している他、教育系NPOでもライターをしています。