野球の「フォーク」と「ナックル」と「スプリット」の違いとは?

違いのギモン

スポーツ業界には様々な用語があります。

例えば、テニス、卓球などで、ラリーを始める際に打つ 1 球目のボールのことは「サーブ」と呼ばれたり、サッカーやバスケットボールなどで、相手の得点が入るゴールにボールを入れてしまうことを「オウンゴール」と呼んだりします。

 

このような用語の仲間に、「フォークボール」「ナックルボール」「スプリットボール」と呼ばれるものがあります。これらは野球で使われている用語で、投手が投げるボールの種類のことを指しています。

野球には打者にボールを打たれにくくするためにいろいろな形に変化するボールの種類がいくつかあります。「フォーク」「ナックル」「スプリット」はこれらのボールの仲間です。

この 3 つの用語の違いは一体何なのでしょうか。今回はこれらの用語の違いについて解説します。

結論:「フォーク」「ナックル」「スプリット」は、球の動きが違う

「フォーク」は、打者に近い位置でボールが急落下するようにボールを投げる方法のことを言います。ボールにかかる回転を少なくし、ボールを投げる際の手首の動きを調整することで投げることができます。

「ナックル」は、投手から打者の間でボールが不規則に動くようにボールを投げる方法のことを言います。ボールにかかる回転をほぼ無回転になるまで減らし、空気抵抗を利用して相手が打ちづらいように投球します。

「スプリット」は、ボールを不規則に、かつ早く動かす投げ方のことです。現在はフォークと同じくくりにされることもありますが、スプリットとフォークの違いは、スプリットの方がボールのスピードが早く、不規則な動きが少ないということです。

「フォーク」をもっと詳しく


まずはじめに、「フォーク」について解説します。

「フォーク」は、投手が投げたボールが打者に近い位置で落下するボールの投げ方です。ボールを人差し指と中指の間にはさみ、回転をかけることなく投げるボールのことを「フォークボール」と呼びます。

回転をあまりかけないことでボールが真っ直ぐ飛び、打者の近くで急に落下する、というフォームを描きます。

名前の由来は、ボールを挟む手の形が食事の時に使うフォークに似ていたことであると言われています。

 

アメリカでは、「フォーク」は「スプリッター」と呼ばれるため、日本でもこの影響を受けて速度が速く打者の近くで落下するボールのことを「スプリット」と呼ぶことがあります。

「フォーク」と「スプリット」の違いは、ボールの速度です。「フォーク」は速いスピードでボールが飛びますが、「スプリット」では比較的遅いスピードでボールが飛びます。

フォークボールはきちんとしたフォームで投げないと体に負担が大きいと言われているため、体に負担をかけないためにも練習を積むことが必要です。

「ナックル」をもっと詳しく

次に「ナックル」について解説します。

「ナックル」は、投手から打者の間でボールが不規則に動くようにボールを投げる方法です。

ボールの回転をほぼ無回転になるまでかけないようにして直線上に動くボールに対する空気抵抗を利用してボールが左右に揺れるように投球します。

ナックルボールの軌道は予測がつかないため、打者だけでなく投手自身も予想していない形を描く場合もあります。

 

予測しづらい軌道を描くことによって相手を大幅に惑わすことができるという長所がナックルボールにはありますが、反対に短所もあります。

ナックルボールは他のボールと比べてボールのスピードが遅いため、うまく不規則にボールを揺らすことができない場合は、変化のないただのスローボールになってしまう可能性があります。

また、不規則な軌道を描くことにより、投手が自分の投げたいように投げることができないため、打者の弱点をついたボールを投げたり、試合の流れを読んだボールを打つことができません。

また、同時にナックルボールは投げ方をきちんと習得していないと、体に大きな負担をかけてしまいます。

 

そんなナックルボールですが、日本では比較的有名な球種であると言えます。公式的な試合などでもナックルボールを投げている場面が見られます。

ですが、この球種を投げられるようになるにはかなり練習を積む必要があり、試合で実際に使えるようになるにはかなり時間がかかります。

「スプリット」をもっと詳しく

最後に「スプリット」についての解説です。

「スプリット」は野球界では「フォーク」ボールと似たような扱いを受けています。簡潔に言うと、日本の野球界で「フォーク」と呼ばれている球種がメジャーリーグで「スプリット」と呼ばれている、というかたちです。

しかし、厳密には違いがあり、「スプリット」は「フォーク」と比べてボールの早さが速く、変化の度合いが少ないという特徴があります。

 

日本ではこのメジャーリーグでいう「スプリット」の技を使っている選手は比較的多く、よく使われる球種の一つですが、メジャーリーグではスプリットはあまり使われません。

理由の 1 つとしては、体に大きな負担がかかり、体を壊しやすいと言う話がメジャーリーグ界で出回っているためです。

メジャーリーグでは、選手の怪我は選手自身の責任だけでなく、球団の責任も多く問われるため、球団側が選手に危険な球を投げないようにセーブしているというような傾向も見られます。

 

このように、リスクを伴いつつも、打者を惑わすには非常に効果的なボールであるため、勝負に出るときに投げられるボールであると言えます。

まとめ

以上のように、今回は野球の球種である「フォーク」「ナックル」「スプリット」の違いについて解説しました。

  • フォーク:打者の手前で急落下するボールの種類
  • ナックル:比較的ゆっくりと不規則な動きを見せるボールの種類
  • スプリット:早い球速で不規則な動きを見せるボールの種類

ボールを投げていることに変わりはないため、違いがわかりづらいのではないかと感じていた人もいるかもしれませんが、意外と明確な違いがあったのではないでしょうか。

野球の球種には他にも様々なものがあります。また、国によってよく使われる球種の傾向も違います。

他の球種や違いについても調べてみると野球観戦がさらに楽しくなるかもしれませんね。