「足」と「脚」の違いとは?意味から使い方や英語まで解説

違いのギモン

こんななぞなぞを知っていますか?
「朝は四本足、昼は二本足、夕方は三本足の生き物は何?」

これはギリシア神話においてスフィンクスが出したとされるなぞなぞです。答えはもちろん人間。人間は赤ちゃん(朝)の時には手足を使って4本で歩き、成長すると(昼)2本足で歩きます。歳をとると(夜)杖をつくので3本足になります。人間の一生を一日に例えているのですね。

 

しかし、「あし」という言葉には、「足」の他に「脚」という漢字があります。それでは、「足」と「脚」はどのような違いがあるのでしょうか。

今回はギリシア神話ほどの歴史はないものの、現代社会に生きる皆さんが気になるであろう「足」と「脚」。その違いの謎を解き明かしていきます。

結論:「足」はくるぶしより下、「脚」は膝から下

「足」はくるぶしより下の部分です。足全体のことも「足」と表現することがあります。

一方「脚」は膝より下の部分です。足全体のことを「脚」と表現することもあります。

「足」をもっと詳しく


「足」とは、体の部位の中で、くるぶしより下の部分、あるいは足首からつま先までの部分を指します。英語でいう “foot” に当たります。

さらに、胴体についている部分で、体を支えたり歩行したりするのに使う部分のことを言います。また、机やベッドなどで、本体を支えるために突き出ている棒状の部位も「足」といいます。

「足」の使い方の例

「足」という漢字をつかった例文を挙げていきます。

①:彼は左足の裏を蜂に刺され、足がはれ上がっている。

→「あし」の中でも、くるぶしより下の部分であるため、「足」を使います。

②:彼女の足から靴が外れた。

→「足」はちょうど靴を履いている部分です。

③:道路の向かい側にコンビニエンスストアができると、昔ながらの駄菓子屋から客足が途絶えた。

→一種の慣用表現で「客足を途絶える」といいます。

④:彼は昔は万引きの常習犯だったが、今は足を洗って真面目に働いている。

→悪事をやめ、まともな生活になることを「足を洗う」といいます。仏教において修行僧が泥のついた足を洗うことで俗世の煩悩を清めたことからこのような表現が生まれました。

「脚」をもっと詳しく


「脚」とは、体の部位の中で、膝から下の部分、または足全体のことを指します。英語では “leg” となります。

また、机やベッドなどで、本体を支えるために突き出ている棒状の部位は、「足」といいますが、「脚」と表現することもあります。

また、漢字の下の部分をことを「脚」といいます。例えば、「熱」という字の下の4つの点は、脚にあたり、「れっか」という部首になります。「悪」という字の下部にある心は、脚にあたり、「こころ」という部首になります。

「脚」の使い方の例

「脚」という漢字をつかった例文を挙げていきます。

①:彼女の肉付きの良い太ももと、美しい太もも、凛とした足先は、全体としてバランスのとれていて、芸術的な脚となっている。

→足先だけでなく、あし全体を表現しているため、「脚」を使います。

②:二股をかけていた男は、長い間浮気を隠し通してきたが、とうとう馬脚を現した。

→隠していた本性が現れることを、「馬脚を現す」といいます。芝居で馬の脚を動かす役の人の姿が見えてしまうことから、このような意味になりました。

③カメラマンにとって三脚(さんきゃく)は絶対に必要だ。

→「脚」は音読みでは「キャク」となります。

まとめ

以上、この記事では、「足」と「脚」の違いについて解説しました。

  • :足首から足先の部分
  • :膝から下の部分、あるいは足全体

どちらも足全体のことを意味することはありますが、より厳密に部位を限定するのであれば、「足」はくるぶしより下となります。ただやはり小学校低学年で習うということもあり、より使われる頻度が高いのは「足」の方でしょう。

「あし」というのは、非常に基本的で身近な言葉なので、しっかりと使いこなしていきましょう。