「アメフト」と「ラグビー」の10個の違いとは?ルールやボールまで解説

違いのギモン

アメフトとラグビーに対してどのようなイメージをお持ちですか?

この2つの競技は、サッカーから発展した競技です。そのため、似ている競技と思われがちですが実は様々な違いが存在します。

それでは、このアメフトとラグビーの違いについて紹介します。

アメフトとラグビーの10個の違い

①ボールの違い

アメフトボール

  • 重さ:397~425g
  • 円周(長):794~819mm
  • 円周(短):519~531mm
アメフトボールは、ラグビーボールより軽くて横に長いです。また、素材がボツボツしているため滑りにくいのが特徴です。

ラグビーボール

  • 重さ:400~440g
  • 円周(長):740mm~770mm
  • 円周(短):580mm~620mm
ラグビーボールは、アメフトボールより重くて縦に少し膨らんでいます。また、素材がツルツルしているため投げるときに滑りやすいのが特徴です。持った時には、アメフトボールよりラグビーボールの方が大きく感じます。

②パスの違い

アメフト

前にパスをしても反則ではなく、上から投げてもいいです。また、ラグビーとは違い、パスをコツコツ繋ぐようなプレーはあまりありません。

そして、アメフトではノーバウンドでパスをキャッチしなければなりません。ボールを落とした場合は投げた場所から再スタートです。

ラグビー

前にパスを出すとスローフォワードという反則となります。そのため、後ろに下手投げでパスをつなぎます。前にボールを出したい時は、ボールを蹴らなければいけません。

また、ラグビーには2つのパスが存在します。1つ目は、スクリューパスです。スクリューパスとは、より遠くに強いパスを出すために回転を多くかける投法です。

2つ目は、ストレートパスです。ストレートパスとは、受け手がとりやすい回転をかけない投法です。

③試合の流れの違い

アメフト

攻撃と守備に分かれているのが特徴です。そして、攻撃側は4回攻めることができます。1回目の攻撃をファーストダウン、2回目をセカンドダウン、3回目をサードダウン、4回目をフォースダウンと呼びます。

また、攻守共に陣形を整えてから戦います。防具をつけているため、タックルが許されています。しかし、ボールを持っている選手がタックルされた瞬間にタイムがかかります。

ラグビー

反則が出たり、ボールが外にでない限りサッカーのように攻守が目まぐるしく変わります。攻撃の時間制限もないため、ボールを離さない限り攻撃を継続することができます。

ただし、外にボールが出ると攻撃し直しになったり、守備に回ることもあります。また、ラグビーはボールを持っている選手のみにタックルが許されています。

④得点方法の違い

アメフト

タッチダウンという制度が取られています。タッチダウンは、エンドゾーンでパスを受けると認められ、6点を獲得できます。その際、ボールをエンドゾーンに付けなくてもいいです。

さらに、約3m地点から攻撃できるトライという権利が与えられます。これで、ゴールポストの間を通る、ゴールキックが決まれば1点、タッチダウンならば2点が追加されます。

ラグビー

ゴールゾーンにボールをタッチすることで、トライが認められます。トライで5点を獲得することができます。

そして、トライをすることでゴールポストの間にボールを蹴り込む、コンバージョンキックを行う権利が与えられます。成功すると、2点が追加されます。

⑤試合時間の違い

アメフト

アメフトは、クォーター制がとられています。クォーター制は、時間を4つに区分して試合を行う制度です。

1Q(クォーター)~4Q(クォーター)の4つに分けて行われます。1Q(クォーター)あたり、15分で行われ、全体の試合時間は2時間30分です。1Q(クォーター)と2Q(クォーター)が前半で、3Qと4Qが後半で、前半後半の間に数分間休憩があります。

ラグビー

前半と後半の2つに分かれています。それぞれ40分で、前半後半の間に休憩があります。

また、試合終了の合図がなってもプレーが止まらない限り、試合が終わりません。

⑥人数の違い

アメフト

フィールド上に1チーム11人で戦います。また、交代は無制限なので何度も選手を交代することができます。

また、アメフトはオフェンスチームとディフェンスチームの2つに分かれています。さらに、オフェンスチームには9つのポジション、ディフェンスのチームには10のポジションが存在します。

ラグビー

フィールド上に1チーム15人で戦い、交代した選手を再び試合に出すことはできません。

また、ポジションに関してはフォワードとバックスの2つに分かれています。基本的に、フォワードには身体が強く、大きい選手を置きます。また、バックスには足の速い選手を置きます。

⑦采配の違い

アメフト

アメフトの場合、監督やコーチが試合中に選手に指示を送ることができます。しかし、直接会話をすることは許されていません。

指示を伝達する最も多い手段はトランシーバー方式です。しかし、フィールドの選手全員に指示を送ることはできません。

そこで、スピーカーが中心選手数名のヘルメットに付けられています。その数名が、監督やコーチからの指示を受けることができます。

ラグビー

ラグビーでは、試合中に監督やコーチの指示を選手に送ることはできません。

そのため、試合前やハーフタイムにミーティングをして監督やコーチが選手に指示を与え、選手はその指示に従い試合を戦います。

ラグビーでは特に、試合中の選手同士のコミュニケーションが重要になってきます。

⑧フィールドの違い

アメフト


フィールドの形は長方形です。距離は、m(メートル)ではなくy(ヤード)で表します。1y(ヤード)は約0.91mです。

フィールドの縦の距離は、53.33y(48.76m)で、横の長さは100y(91.44m)です。さらに、10y(91.44m)のエンドゾーンが両サイドに存在しています。

また、ゴールポストの形にも特徴があります。アメフトのゴールポストはY型です。Y型になっている理由は、エンドライン上と垂直にポールが存在するとパスをキャッチする際の邪魔になるからです。

ラグビー


アメフトと同じくフィールドの形は長方形です。距離に関してはmで表し、縦70m、横100mでトライを奪うインゴールというゾーンが両サイドに10m存在します。

また、アメフトと違い、ラグビーのゴールポストはH型です。

⑨歴史の違い

アメフト

アメフトは元々、フットボールというスポーツでした。しかし、死傷者が出るなど危険度が高く世間からも批判の声があったため、頻繁にルール改正を行いました。

その結果、アメリカンフットボールのルールが1904年にアメリカで正式に確立されました。

ラグビー

発祥国はイギリスのロンドンで、1871年に誕生しました。それと同時に、ラグビー協会が設立されました。

ラグビーは元々、数千人が一つのボールで一点を争う、「原始フットボール」というスポーツからなるものです。しかし、危険であったため様々なルールの変更を経て現在のラグビーの形となりました。

⑩装備の違い

アメフト

アメフトでは、装備の着用が義務化されています。ヘルメットやショルダーパットを装備しなければ、プレーすることができません。

その背景には、激しいプレーが多く、ケガのリスクも大きいからです。実際にラグビーと比べてもケガのリスクが高いというデータが出ています。

ラグビー

ラグビーは、身体の外部への装備は禁止されていて、基本的に装備なしでプレーします。しかし、中には革製または布製のヘットギアやマウスピースを着用する選手もいます。

また、アメフトと比べてケガのリスクが低く安全です。

まとめ

ラグビーとアメフトは全くの違うスポーツです。違いを以下にまとめました。

  1. ボールの違い:アメフトボールはザラザラしてて軽く、ラグビーボールはツルツルしてて重い
  2. パスの違い:アメフトは自由で、ラグビーは前に出す場合はキック
  3. 試合の流れ違い:アメフトは攻守が区別されていて段階的に攻撃をするが、ラグビーは攻守の区別が無く、なくめまぐるしく入れ替わる。
  4. 得点方法の違い:アメフトはタッチダウンで5点、ラグビーはトライで6点
  5. 試合時間の違い:アメフトはクォーター制で行われ、計4Qの2時間30分、ラグビーは前後半40分
  6. 人数の違い:アメフトは1チーム11人で、ラグビーは15人
  7. 采配の違い:アメフトは試合中に監督やコーチからの指示ができる
  8. フィールドの違い:アメフトの方が小さくゴールポストがY型、ラグビーはH型
  9. 歴史の違い:アメフトは1904年にアメリカで発祥、ラグビーは1871年イギリスで発祥
  10. 装備の違い:アメフトは着用が義務化されている

ボールやプレースタイル、ルールに大きな違いがあります。また、それに応じて戦略や試合の組み立て方も変わってきますし、それぞれに魅力が生まれます。

これからも、ラグビーとアメフトに注目です。