目が見える人はみんな、「雲」を見たことがあると思います。
よほど快晴の時でない限り、「雲」は空に浮かんでますよね。
また、「霧」も多くの人が知っている言葉だと思いますし、「雲」ほど頻繁ではないと思いますが、見たこともあると思います。
しかし、「霧」と「雲」の違いは意外とわかりにくく、聞かれても答えられないですよね。
そこで、今回は「霧」と「雲」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:地面に接しているかどうかが違う
一方、「雲」とは大気中にかたまって浮かぶ水滴または氷の粒のことで、地面には接していません。
つまり、「霧」と「雲」では地面に接しているかどうかが異なるのです。
「霧」をもっと詳しく
霧とは、水蒸気を含んだ大気の温度がなんらかの原因で下がり、含まれていた水蒸気が小さな水粒になって地面近くの空中に浮かんだ状態のことです。
ちなみに、水粒は雨水より非常に小さいものであるため、地面に落ちずに漂っています。
そして、できるメカニズムは雲と同じです。ただ、「霧」は地面に接しています。これが「雲」とは異なる点です。
ここまで聞くと、あるひとつの疑問が湧いてくるという人もいるのではないでしょうか。
それは、「山にかかっているものは『雲』なのか?『霧』なのか?」というものです。
そして、その答えは「見ている場所によって異なる」です。
まず、もし山にかかっているものを地上の人が見ていた場合、これは「雲」だと言うことができます。
なぜなら、自分たちよりもずっと高いところにあるからです。
一方、もし登山客がそれの中にいた場合には、「霧」です。
なぜなら、自分たちの周りにあり、地面にも接しているように見えるからです。
つまり、同じものでも視点によって呼びかたが異なるのです。
ちなみに、霧は山間部や海沿い、早朝などによく見られる自然現象で、水平方向に見渡せる範囲が1㎞未満の状態と定義されます。
そして、陸上で100m以下、海上で500m以下しか見渡せない時には濃霧と呼ばれます。
ちなみに、海上のほうが濃霧に含まれる範囲が広いのは、海上だと地上より物体がものを避けるのに多くの時間がかかるからです。
例えば、進んでいる船が岩を避けるのには、自動車が地上で岩を避けるよりずっと多くの時間がかかります。
そのため、海上で500m以下しか見渡せない状態は陸上で100m未満しか見渡せない状態と同じくらい危険なのです。
また、1㎞以上見える場合には靄(もや)と呼ばれます。
そんな霧の発生方法にはいくつか種類があります。次はそれについて見ていきましょう。
霧の発生方法
霧の発生方法は大きくわけて4つあります。それぞれについて見ていきましょう。
放射霧(ほうしゃむ)
放射霧はもっとも一般的な霧の発生方法です。
晴れた冬の日では地面の熱が空気中に放射され、気温が下がる放射冷却という現象が起こります。
すると空気中に含まれていた水蒸気が集まって水滴に変わり、霧になるのです。
移流霧(いりゅうむ)
移流霧は暖かく湿った空気が気温が低い場所へ移動することによって起こります。
北海道で発生することが多いでしょう。
蒸気霧
蒸気霧は暖かく湿った空機が冷たい空気と混ざりあうことによって発生します。
寒い日に息を吐くと白くなるのと同じ原理だと言えばわかりやすいかもしれません。
上昇霧
上昇霧は山の谷にそって湿った空気が上昇することによって発生します。
標高が高くなっていくほど気温は下がっていきますから、空気中に含まれていた水蒸気が水滴に変わって霧になるのです。
「雲」をもっと詳しく
雲とは大気中にかたまって浮かぶ水滴または氷の粒のことで、地面には接していません。
具体的には、空気中に浮いている塵など、ごみの周りに浮遊している微小な水滴がくっついて雲粒になり、これがたくさん集まって雲になります。
ちなみに、雲は空気よりも重いことはあっても軽いことはありませんが、地面からの上昇気流によって上空に浮いています。
そして、雲ができる原因にはいくつかありますが、その1つに前線があります。
前線とは冷たい空気と暖かい空気とがぶつかっている場所のことですが、暖かい空気が湿っていると、前線で冷やされた水蒸気が水滴になり、雲ができます。
梅雨の季節には梅雨前線が日本にかかりますが、これは北側の冷たい空気と南側の暖かい空気がぶつかっている場所なのです。
まとめ
以上、この記事では、「霧」と「雲」の違いについて解説しました。
- 霧:地面の近くにある
- 雲:地面には接していない
「霧」と「雲」には地面に接しているかどうかという明確な違いがあったんですね。この違いを知っていると、友達に自慢することもできるかもしれません。