フレックスタイムの意味とは?デメリットや具体的な職種や企業も紹介

言葉

フレックスタイムとは「一定の決められた労働時間内の勤務を自由に調整すること」という意味です。

フレックスタイム制を導入する企業が増えていますが、なぜ増えたのか疑問に思ったことはありませんか。

そこで今回はフレックスタイムの意味や使い方を丁寧にわかりやすく解説します。

☆「フレックスタイム」をざっくり言うと……

読み方フレックスタイム
意味一定の決められた労働時間内の勤務を自由に調整すること
語源英語の“flextime”
メリット私生活が充実する
時間を効率よく使える
離職者を軽減できる など
デメリットルールが複雑
自己管理できない社員がいる
勤怠管理が難しい など
業種エンジニア
プログラマー
デザイナー など
職種トヨタ自動車株式会社
ソニー株式会社
サントリーホールディングス株式会社 など
残業残業時間を日単位で計算できない
注意点フレックスタイム制の対象労働者がはっきりさせる
清算期間と起算日を定める
精算期間における総労働時間を定める など

「フレックスタイム」の意味

フレックスタイム
一定の決められた労働時間内の勤務を自由に調整すること
例:フレックスタイムを利用して働く。

フレックスタイムとは、一定の決められた労働時間内の勤務を自由に調整することです。

会社によって月にどれくらい働かなければならないか、総労働時間が決まっています。

たとえば、月間160時間ほど決められていた場合、1日に8時間働き、週5勤務を4週間続ければ合計で160時間になります。

普通の会社であれば、こちらのタイムスケジュールに沿って勤務時間が決まっています。

しかし、ある日は4時間しか働かなくても、他の日に12時間ほど働けば、8時間勤務をした時と同じ合計の労働時間になります。

 

これがフレックスタイム制で、あらかじめ定められた総労働時間を自由に分配して、自由に働くことです。

具体的には平日の勤務を土日に固めて平日の出社日を少なくしたり、平日の出勤時間を遅くしたりすることなどがあげられます。

 

24時間いつでも好きなように働いてもよいのではなく、ある時間からある時間までであれば勤務時間として調節が可能なフレキシブルタイムが存在します。

このフレキシブルタイムの中で労働時間の調節を行うことが一般的です。

「フレックスタイム」と「コアタイム」の違い

コアタイムとは、「絶対に働かなければならない」時間です。

コアタイムに出社したり、社員同士がコミュニケーションを取ったりして、社員の情報共有を円滑に進めます。

コアタイムと正反対なのがフレックスタイムで、労働時間を調整したいという理由で、コアタイムに「働かない」という選択肢は選べません。

また、コアタイムがなく、本当に自分の裁量で労働時間が選べることをスーパーフレックスタイム制と言います。

「フレックスタイム」の使い方

フレックスタイムは、ほぼ労働について言及する時に使用します。

実際の例文には以下のようなものがあります。

  1. うちの会社はフレックスタイム制を導入しています。
  2. フレックスタイムのおかげで子育てがしやすい。
  3. フレックスタイムが働き方を変える。
  4. 早くフレックスタイムを導入すれば企業イメージのアップになる。
  5. フレックスタイムは先進的な取り組みだ。
  6. 来年度からフレックスタイムを取り入れる。
  7. うちもフレックスタイムを取り入れてほしい。
  8. テレワークとフレックスタイムのおかげで生活が豊かになった。
  9. フレックスタイムがメディアに取り上げられている。
  10. 女性の社会進出にフレックスタイムが貢献した。

「フレックスタイム」の語源

フレックスタイムの語源は英語の“flextime”です。

フレックスタイム制は、“flextime system”と表現します。

日本のフレックスタイム制の歴史

日本でフレックスタイム制が導入されたのは、1988年4月です。

1987年に労働基準法が改正されて、次の年に導入されました。

以下が労働基準法のフレックスタイムに関する部分です。

使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第2号の清算期間として定められた期間を平均し1週間当たりの労働時間が第32条第1項の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、1週間において同項の労働時間又は1日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができる。

1.この項の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
2.清算期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が第32条第1項の労働時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、3箇月以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条において同じ。)
3.清算期間における総労働時間
4.その他厚生労働省令で定める事項

[出典:なるほど労働基準法]

簡単にわかりやすく説明します。

労働者が労働すべき期間である清算期間を決めて、その期間の中で働く予定の総労働時間を決めます。

たとえば、1ヶ月が清算期間で、総労働時間が160時間などと決められます。

その清算期間の中で160時間に届くように労働時間を好きに調節することで始まったのが、フレックスタイム制です。

ちなみに、2019年の法改正で清算期間が最大3ヶ月となりました。

「フレックスタイム」のメリット

フレックスタイムのメリットには以下のようなことがあります。

  • 私生活が充実する
  • 時間を効率よく使える
  • 離職者を軽減できる
  • 求人が集まりやすくなる
  • 労働時間の負担を軽減できる
  • ストレスが減る

これらのメリットによって労働者にとって働きやすい環境を提供して、企業のイメージを上げることができます。

そのため、フレックスタイム制を導入する企業も増えました。

「フレックスタイム」のデメリット

フレックスタイムのデメリットには以下のようなことがあります。

  • ルールが複雑
  • 自己管理できない社員がいる
  • 勤怠管理が難しい
  • オフィスの稼働時間が増えれば光熱費も増加
  • 労働意欲を確保するのが難しい
  • 企業の一体感が生まれない

「フレックスタイム」がある職種

フレックスタイムは以下のような以下のような職種で多く導入されています。

  • エンジニア
  • プログラマー
  • デザイナー
  • 企画職
  • 事務職

これらの仕事は、仕事自体が細分化されており個人で物事を進めやすい特徴があります。

さらに、他者とコミュニケーションを取る必要がありません。

「フレックスタイム」がある企業

フレックスタイムは以下のような企業で導入されています。

  • トヨタ自動車株式会社
  • ソニー株式会社
  • サントリーホールディングス株式会社
  • 武田薬品工業株式会社
  • 三菱商事株式会社
  • アマゾンジャパン合同会社
  • キャノン株式会社
  • 味の素株式会社
  • カルビー株式会社
  • アサヒビール株式会社

一般的に、ITや通信関係、マスコミなどの企業でフレックスタイムが採用されています。

しかし、こちらであげたように、幅広い企業が導入しています。

「フレックスタイム」での残業

フレックスタイムでは、残業時間を日単位で計算できません。

そのため、清算期間における総労働時間に対する実労働時間の超過で計算する必要があります。

たとえば、精算期間が1ヶ月の場合、清算期間中に労働すべき時間(総労働時間)は155時間だったとします。

実際に精算期間の中で労働した時間(実労働時間)が170時間であれば、超過した15時間が残業として計算されます。

 

また、法定労働時間を超えているかどうかでも計算が変わってきます。

たとえば、精算期間が1ヶ月(31日)であれば、法定労働時間は177.1時間となります。

ここで残業は2つに分けられます。

  • 法定内残業
    総労働時間を超えているが、法定労働時間を超えていない残業時間
  • 法定外残業
    総労働時間と法定労働時間を超えている時間外労働

法定内残業は残業代の割増率が1.0倍で、法定外残業は残業代の割増率が1.25倍という違いがあります。

こちらは一例で、実労働時間や総労働時間によっては計算方法が変わってくるので、改めてしっかり個別に確認すべきです。

「フレックスタイム」の注意点!違法になる?

以下の条件を守っていないと、フレックスタイムが違法になる可能性があります。

  • フレックスタイム制の対象労働者をはっきりさせる
    例:全従業員が対象など
  • 清算期間と起算日を定める
    例:毎月1日から月末までの1ヶ月間
  • 精算期間における総労働時間を定める
    例:155時間など
  • 標準となる1日の労働時間の長さを決める
    例:◯時間など
  • 労働者の過半数を代表する人を選ぶ手続きが民主的な方法であること
    投票や挙手などで選ばれて、会社が選んだ人ではないこと
  • 就業規則に「始業時間・終業時間を労働者に委ねる」などを記載する
    フレックスタイム制を取ることを明記

「フレックスタイム」のまとめ

以上、この記事ではフレックスタイムについて解説しました。

読み方フレックスタイム
意味一定の決められた労働時間内の勤務を自由に調整すること
語源英語の“flextime”
メリット私生活が充実する
時間を効率よく使える
離職者を軽減できる など
デメリットルールが複雑
自己管理できない社員がいる
勤怠管理が難しい など
業種エンジニア
プログラマー
デザイナー など
職種トヨタ自動車株式会社
ソニー株式会社
サントリーホールディングス株式会社 など
残業残業時間を日単位で計算できない
注意点フレックスタイム制の対象労働者がはっきりさせる
清算期間と起算日を定める
精算期間における総労働時間を定める など

フレックスタイムは最近注目されている働き方です。

しかし、専門用語もいくつか登場するので、理解するのが難しいです。

ぜひ、この記事を参考にしてみてください。