今回ご紹介する言葉は、故事成語の「火を見るよりも明らかなり(ひをみるよりもあきらかなり)」です。
皆さんも、本で読んだり、テレビなどで聞いたりしたことはあると思います。
しかし、自分でこの表現を正しく使うことができるでしょうか。
この記事では「火を見るよりも明らかなり」の意味や由来、使い方、類義語、英語訳などについてわかりやすく解説します。
☆「火を見るよりも明らかなり」をざっくり言うと……
読み方 | 火を見るよりも明らかなり(ひをみるよりもあきらかなり) |
---|---|
意味 | 物事が明らかである、明確であるという意味 |
由来 | 『書経』に出てくる表現から |
類義語 | 明々白々だ、だれの目にも明らかだ、など |
英語訳 | be as plain as day.(火を見るよりも明らかなり) |
このページの目次
「火を見るよりも明らかなり」の意味をスッキリ理解!
「火を見るよりも明らかなり」の意味を詳しく
「火を見るよりも明らかなり」とは、疑う余地がないほど物事が明らかである様子を表す言葉です。
燃えている火を見ればだれが見ても「火」だとわかります。燃え盛る炎をみて「これは火ですか?」と聞く人はいないでしょう。
そのように、あまりに明白であることを表す表現です。
また、「物事の道理がはっきりしている」という意味もあります。
一般的には悪い結果になることが予測されている時に使われることが多いです。
ちなみに「火を見るように明らかだ」という言い方をする人が多いですが、これは誤りなので注意しましょう。
「火を見るよりも明らかなり」の使い方
- 増税が国民の反感を買うことは、火を見るよりも明らかだ。
- 書類を見なくても、そこに何が書かれているかは火を見るよりも明らかだ。
- 彼女がこの役職を望まないことは、火を見るよりも明らかだった。
➊や➌を見ればわかるように、「火を見るよりも明らかなり」という表現は、悪い結果が予想される時に使います。
そのことを踏まえると➋の書類に書いてあるのは、いいことではなく都合の悪いことだと予想できます。
「火を見るよりも明らかなり」の由来
「火を見るよりも明らかなり」の語源は中国です。『書経』という古典に次のようなエピソードがあります。
殷(いん)の国王・盤庚(ばんこう)が、各地の諸侯を集めました。諸侯というのは、各地域を仕切る役職のことです。県庁や市長のようなイメージを持ってください。彼らが地方を管理し、税を王に納めていました。
王は、諸侯たちに徳政(経営の仕方や、統治の仕方)を説いて次のように言いました。
「今、地方の統治がうまくいっていないのは、私に徳がないからではない。お前たちが愚かだからであることは火を見るよりも明らかである」
この王のセリフで使われた表現が、「火を見るよりも明らかなり」という故事成語のもとになっているのです。
「火を見るよりも明らかなり」の類義語
- 明々白々だ:物事が明らかであるということ
- 誰の目にも明らかだ:誰が見ても疑いようのないくらい明らかだということ
- 言うに及ばない:物事が明らかであるということ
「火を見るよりも明らかなり」の英語訳
「火を見るよりも明らかなり」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- be as plain as day.(火を見るよりも明らかだ)
まとめ
以上、この記事では「火を見るよりも明らかなり」について解説しました。
読み方 | 火を見るよりも明らかなり(ひをみるよりもあきらかなり) |
---|---|
意味 | 物事が明らかである、明確であるという意味 |
由来 | 『書経』に出てくる表現から |
類義語 | 明々白々だ、だれの目にも明らかだ、など |
英語訳 | be as plain as day.(火を見るよりも明らかなり) |
日常生活の会話で使うことは少ないかもしれませんが、本で目にしたり、ふと耳にしたときにしっかり理解できるといいですね。
有名な故事成語なので、覚えておきましょう!