「アクセル」「ルッツ」「フリップ」「ループ」「サルコウ」「トウループ」の違い

違いのギモン

大会が行われるようになると、連日ニュースで報道されるフィギュアスケート。

氷上で華麗に舞う選手の姿はとても美しく、非常に人気のあるスポーツですね。しかし、そのジャンプの違いを正しく理解している人は少ないのではないでしょうか?

この記事では、「アクセル」「ルッツ」「フリップ」「ループ」「サルコウ」「トウループ」の違いを、わかりやすく解説します。

結論:踏み切り方や重心が違う!

フィギュアスケートに存在する6つのジャンプは、主に次の4つの要素によって分類されます。

ジャンプの種類を分ける基準
  1. 跳ぶ前に左右どちらの脚で滑ってくるか
  2. 前と後ろのどちらに踏み切るか
  3. 踏み切る際に、滑ってきた脚と反対側の脚のつま先を地面に着くか着かないか
  4. 重心は親指側と小指側のどちらか

上記4つの基準をもとに、「アクセル」「ルッツ」「フリップ」「ループ」「サルコウ」「トウループ」の違いをわかりやすくまとめたものが以下の表になります。上から難易度が高い順に並んでいます。

また、回転の方向は反時計回りが基本となっています。

アクセル①左 ②前向き ③着かない ④小指側
ルッツ①左 ②後ろ向き ③着く ④小指側
フリップ①左 ②後ろ向き ③着く ④親指側
ループ①右 ②後ろ向き ③着かない ④小指側
サルコウ①左 ②後ろ向き ③着かない ④親指側
トウループ①右 ②後ろ向き ③着く ④小指側

着地に関しては、いずれのジャンプも右脚から後ろ向きに着地することになっています。

「アクセル」をもっと詳しく

6つのジャンプの中で、唯一前方向に踏み切るジャンプです。また、最も難易度が高いとされています。

左足で小指側に重心をかけながら前向きに滑ってきてから、右脚のつま先を地面につけることなく、そのまま左脚で踏み切ってジャンプします。

 

先ほど説明した通り、6種類のジャンプは全て右足で後ろ向きに着地します。しかし、アクセルは前方向に踏み切ってから跳ぶため、他のジャンプよりも半回転分多く跳ばなければなりません。つまり、かの有名なトリプルアクセルは、厳密に言うと「3回転半」跳んでいることになります。

アクセルが難しいと言われる所以です。

また、「アクセル」という名称ですが、1882年にアクセル・パウルゼンという選手が初めて跳んだことに由来しています。

「ルッツ」をもっと詳しく

アクセルの次に難易度が高いとされるジャンプです。

小指側に重心をかけながら左脚で後ろ向きに滑り、右脚のつま先を氷上にいったん着いてから跳びます。非常に助走が長いことが特徴です。

このジャンプは助走の際に体にかかる力と、ジャンプする際に体にかかる力が逆になっています。時計回りに助走してくるのに、回転方向は反時計回りだからです。そのため助走の力を活かしづらく、難易度が高く設定されています。

 

1913年にアロイス・ルッツという選手が初めて跳んだのが由来となっています。

「フリップ」をもっと詳しく

フリップは、親指側に重心をかけながら左脚で滑り、右脚のつま先を氷上に着いてから跳ぶジャンプです。

 

前述のルッツと非常によく似ています。異なっているのは重心を親指側にかけるか小指側にかけるかだけですから、ジャンプの瞬間だけを見たら完全に同じように見えます。

見た目で判断する際は、「助走からずっと後ろ向きに滑っているのがルッツ、助走は前向きで直前に後ろ向きに反転して跳ぶのがフリップ」と覚えておくとよいでしょう。

助走の際に体にかかる力とジャンプの際に体にかかる力の向きが一致しているので、ルッツよりも難易度が下がっています。

 

「反転する」を意味する”flip”という英単語が、名称の由来となっています。

「ループ」をもっと詳しく

ループは、小指側に重心をかけながら右脚で後ろ向きに滑ってきて、左脚のつま先をつけることなくそのまま跳びます。

輪(ループ)を描くように飛ぶことが特徴となっており、これが名称の由来でもあります。また、跳びあがる直前に椅子に座るような格好になっています。

他のジャンプの着地後に、セカンドジャンプやサードジャンプとして使われることが多いです。理由としては、ジャンプの着地は全て右脚であり、その後に連続して跳べるのは右脚から踏み切るジャンプに限られているからです。

「サルコウ」をもっと詳しく

サルコウは、親指に重心をかけて左脚で後ろ向きに滑り、つま先を着かずにそのまま跳ぶジャンプです。

跳びあがる直前に、両足が八の字のように開いた状態になるのが特徴です。

1909年にウルリッヒ・サルコウという選手が初めて跳んだのが由来となっています。

「トウループ」をもっと詳しく

トウループは、小指側に重心をかけながら右脚で後ろ向きに滑り、左脚のつま先を氷上に着いてからジャンプします。6種類の中で、最も簡単なジャンプとされています。

前述のループに、つま先(トウ)を着ける動作を加えたものであり、それが「トウループ」という名称の由来です。

右脚から踏み切るジャンプであるため、ループと同じく、セカンドジャンプやサードジャンプによく用いられます。

まとめ

以上、この記事では、「アクセル」「ルッツ」「フリップ」「ループ」「サルコウ」「トウループ」の違いについて解説しました。

複雑に感じられますが、踏み切る脚やつま先の着地の有無などを一度覚えてしまえば、意外と簡単に見分けられます。ジャンプを見分けられるようになると、今までよりも更にフィギュアスケート鑑賞を楽しめること間違いなしです。

ぜひ覚えてみてくださいね。